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「櫻ちゃーん、山風さんがいじめるぅ。」
うるうると子犬みたいな瞳で櫻さんに泣きつく先輩
「け、径くん。和ちゃんをあんまり虐めないで。ね?」
「うっ…櫻つかうとは、悪女だな。」
「うわーんっ」
「もうっ」
いつものことなのか、
岩崎さんはケラケラ笑ってる。
「ここに勤めたら、こんなの日常ちゃはんじ?」
「茶飯事。」
「そう!日常ちゃはんじ!」
「いや、だからさはん…」
「コイツ馬鹿だから気にしなくていいよ。」
「もう!和、人のこと馬鹿馬鹿言う方がカバなんだよ!」
「ほんと馬鹿…」
とりあえず岩崎さんは天然っていうか…
ちょっとお馬鹿さん。
「んま、とりあえず、こんなやつらの集まった会社だけど…宜しくね。」
「は、はい!」
思っていたよりも、困難だらけのようです。




