金色の海、茜色の空 作者: cloverの三ツ葉の方(二百or四百文字) シロツメクサの絨毯を転がり、冠を作ったり、四ツ葉のクローバーを探した。 エノコログサの金の海を泳ぎ、隠れて寝ていた猫の尻尾を踏んで、引っかかれて泣きじゃくった。 タンポポの茎を水車にしたり、綿毛を吹いてどちらが遠くに飛ばせるか競った。 茜色に染まる広場を見て、遠い日を思い出す。 孫の上げた泣き声に、娘にもした様に抱き上げてあやす。 紅葉饅頭みたいな手も赤い平行線も同じで、皺だらけになった顔が、思わず綻んだ。