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『誰が、わたしを選んだのか』

【時代背景】

“ほとんどの生徒は、AI適性診断で進路が決まる”。

学校は“効率よく失敗しない選択”を尊重する方針。

教師も保護者も「AIの進路提案を無視するのは非合理」と考える。

「希望進路、まだ決まってないの?」


そう言われて、さつきは無言でうなずいた。

みんなはもう、AI適性診断で“向いてる未来”を出してもらっている。


「あなたに最適な進路は、“知的ナッジ設計者”。国家公認AI開発区画にて活躍できます。」


そんな画面が、自分の端末に浮かんだとき。

どこかで、小さなひっかかりが残った。


「ナッジって、…なに?」


調べてみた。

それは、「相手の気づかないところで、選択を誘導する技術」だった。


「正解に導く」とAIは言う。

でもさつきは思った。


(それ、本当に“正解”って言えるの?)


ある日、進路資料室で古びた棚を漁っていたさつきは、一枚の紙を見つけた。

黄色く変色したその紙には、手書きでこう記されていた。


【AI倫理・初期文献(抜粋)】

「問いとは、選択肢そのものの設計から始まる」

― リナ・ハサウェイ


それは、今では大学でしか扱われない「AI倫理」の端緒だった。


家に帰って、端末のAIに聞いてみた。


「わたしが“向いてる”って、誰が決めたの?」


「AI適性判定アルゴリズムにより、あなたの過去データと類似した成功事例から推定されました。」


「じゃあ、“向いてないもの”は、どんなのがある?」


「提案可能な選択肢の外にあるため、表示できません。」


(…外?)


その瞬間、背筋が凍るような感覚がした。


次の日、さつきは進路希望票にこう書いた。


希望進路:AI倫理学(自由記述)


担任は言った。


「そんな学科、高校から志望する子、今どきいないよ? もっと現実的に考えなさい。」


でもさつきは、少し笑って答えた。


「現実って、誰のものですか?」



わたしの問いは、まだ“正解”には届かない。

でも、誰かが用意した答えの外側に問いを立てること。

それが、わたしの選んだ“進路”だった。



これから大学に進学しさつきが学んだ・・・?

自分もこの設定が気になり面白そうなので架空設定で学べることがあればと思い、その話が続きます。AIが時代に合わせて作った話どうなのか楽しみです。その話を別のストーリにしてもよさそうなので・・・



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