宣言
試合は順調に進み、いよいよ決勝だ。
決勝の相手は3年の先輩だ。つまり、前回の優勝者だ。
ちなみに、準決勝は俺と龍次が戦った。
試合の内容としては、簡単に言ってしまえばステージを大破してしまった。
まあ、どちらも久々の戦闘だったんで本気でやった結果がそうなった。
ちなみに楓太の場合は、休憩前に何をやってしまったのか倒れてしまい不戦敗になってしまった。
「さて、俺の相手は前回の優勝者か」
龍次の時もそうだったか、やる気が出てきたな。
「君が紅沙花蓮斗か」
そしたら前回の優勝者、(これからはAと呼ぼう)が現れた。
Aはやはり3年生のランキング1位もあるのか、今までの奴らと纏っているオーラが違った。
これは本当に楽しめそうだな。
「これから、よろしくな。いい勝負しようぜ」
そう言って、Aは手を差し出してきた。
「はあ、こちらこそよろしく」
俺も握手を返す。
「ところでこんな話もするのもなんだけどさ。ちょっと賭けしないか?」
「賭け?」
「そう賭けだ。あそこで君を一生懸命応援している透咲乃亜さんとの護衛を賭けようじゃないか」
ああ、なるほどね。
「つまり、勝った方が乃亜の護衛をするってことか」
「話が早くて助かるよ」
そうか、こいつも乃亜狙いか。
俺は賭けの内容を聞いてさっきまでのやる気が一気に無くなった。
返せよ俺のやる気を。
「それじゃあ、よろしくな」
そう言って、Aは俺の返事も聞かずに試合の立ち位置に戻った。
『え~、それでは決勝を始めます。最後なので悔いが残らないようにお互い頑張ってください。それではレディー』
俺は試合開始の合図が出る瞬間、一気に足腰の強化をした。
『ゴ「ぐぺっ」ー!!って、あれ?』
周りの観客は何が起こったかまだ誰も理解していない。
ただ、言えることはさっきまでAが立っていた所には拳を突き出した俺が立っており、Aがステージより離れた壁にめり込んでいた。しかもAの顔には拳の後が付いている。
まあ、つまりそういうことだ。
俺が開始の合図が出た瞬間に一気に殴りに行った。
俺は殴り終わってから思った。
・・・少し大人なげなかったかな?
「まあいいや。さて、後は」
俺は司会者に近づきマイクを奪った
「あ、ちょっ」
司会者は何か言いたげそうだった俺が睨みをかましたら静かになった。
「あ~、いいかよく聞け馬鹿共。透咲乃亜は俺の物だっ!!乃亜に近づいて悪だくみを考えている奴や出世を考えている奴がいた場合、徹底的に叩き潰してやるからな。あ~ゆう風になりたくなかったもう俺達に関わるなっ!!いいなわかったか」
俺はマイクを使いながら、決勝のその場で太高らかと宣言した。
「・・・穴があったら入りたい」
俺は文化祭を終え、すぐに家に戻ってから自分の部屋のベッドでうつ伏せになってうなっていた。
俺はあの時どうにかしていた。なんで、あんな大勢の前であんな宣言してしまったんだろう?
過去に戻れる異能があったらすぐに戻って、宣言する前の俺を殴りたい。
「だったら、監禁してあげるよ?そしたら、ボクといつまでも一緒にいられるよ」
いつの間にか乃亜は俺の背中の上に寝ていた。
「いや、それは遠慮しておく」
「ちぇ、残念」
乃亜は俺の言葉を聞くとガチャの音と共に何かをどこかにしまった。
ちょっ、乃亜さん何をしまった?
俺は乃亜を落とさないようにうつ伏せから仰向けになった。
「でも、嬉しかったな」
「ん?」
乃亜は笑顔で言ってきた。
「だって、レンがあんな大勢の前でボクを自分の物宣言しちゃったんだもん」
「いや、だから、それは、ん」
俺は訳を話そうとした瞬間、乃亜に口を塞がれた。
何でって?そりゃあもちろん口でだよ。
それから、しばらく乃亜にされるがままになった。
「んふ、ふぅ」
乃亜は満足したのか、俺から口を話した。
口と口の間、透明な糸が繋がっている。
「理由はどうでもいいの。レンがボクのことすごく想っていることがわかったからいいの。そんなことより」
乃亜は俺の服に手をかけ始めた。
「ごめん。ちょっと、学園に忘れ物「逃がさないよ」
俺が起き上がろうとした瞬間、乃亜は俺の肩を抑えつけた。
「さて、大会で優勝したからたっぷり癒してあげる」
「あはは、お手柔らかに」
その日、俺は眠れなかった。