表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/76

デート

お待たせしました。

久々の更新です。

文章を修正しました。

 夏休みが終わり、俺達は学校に来ている。

「って、いきなりこれかよ?」

 俺は何故か数十人の男子生徒に囲まれていた。しかも、全員何故か血走っていた。

「紅沙花、殺す」

「よくも、乃亜ちゃんを」

「乃亜ちゃんは俺の嫁だ」

 周りの奴らは殺気立ちながら何かを叫んでいる。

「あ~、うん。お前らが何を言いたいのかはだいたいわかる」

 俺は頭を掻きながらめんどくさく答える。

 だってこいつら俺と乃亜が結婚式体験をした時の写真が載っている雑誌を持っているんだもん。

「俺達はもう我慢の限界だ。今日こそ俺達がにっくき鬼から乃亜ちゃんを助けるんだ」

 その声と共に一気に俺に攻撃をしかけてきた。

「本当に暇だなお前ら。・・・まあ、いいや相手になってやるよ」

 俺はそう言って、そいつらに向かって動き出した。

 


かかった時間はおよそ15分。人数が多かった為少しかかってしました。

「くそ、朝からめんどくせ」

 俺はもうだるくなって今日一日さぼることにした。そして、俺はいつもの屋上に向かった。

「で、なんで、お前がここにいる?」

 俺が屋上に行くと何故か乃亜が待っていた。

「ボクはレンの考えはだいたいわかるんだよ」

「ほう、ならなんで俺がここに来る所がわかった?」

「レンの事だからあのゴミ共相手して疲れて、もうだるくなったんでしょ。だから、ここで丸一日寝てサボろうと思ったんでしょ」

 正解だ。なんで、こいつは俺の思考を簡単に理解できるんだろう?

「どうせ、このままサボるならボクに提案があるけど聞く?」

「聞きたくない」

「実はボク達って夏休みの間、デートに一度も行っていないんだよね」

 乃亜は俺の意見を無視して話始めた。

 だから、なんで俺の意見を無視すんの。

「・・・つまり、今から一緒に行こうってことか?」

「うん。そうだよ」

 乃亜はにっこり微笑んだ。

「・・・・・まあ、いっか夏休み中、2人っきりだけで出かけたことがなかったしな」

 俺はちょっと考えてすぐに答えを出した。その事に対し、乃亜が何故か驚いている表情をしていた。

「どうした?」

「だって、いつもならすぐに断るから驚いているの」

 ああ、なるほど。確かにいつもなら俺もすぐ断るからな。

「まあ、俺だってそんな時があるよ。ほら、そんなことより。俺の気分が変わる前に早く行こうぜ」

「あ、うん。そうだね」

 そうして俺達は街に出かけた。



 俺達は街を歩いていた。

「んふふ」

 乃亜の気分はご機嫌のようで俺の隣を微笑みながら歩いていた。

「なんだ、乃亜。偉く機嫌いいな」

「だって、レンが自らデートに行くなんてあまりないから、嬉しくて嬉しくて」

 ああ、そういえば。そうかもな。俺は自ら進んで乃亜と出かけたことはない。むしろ、乃亜に強制的に連れて行かれる感じだ。

「ねえねえ、所でどこに行く?」

「う~ん。そうだな、とりあえずゲーセンに行こうか」

 俺はちょうど目に映ったゲームセンターを見て言った。

「うん。いいよ」

 乃亜も俺の意見に賛同してくれたので、俺と乃亜はそのままゲームセンターの中に入る。

 ゲームセンターはやはり平日の午後もあって学生は少なく。一般人がちらほらいるくらいだ。

「あ、あれ、かわいい」

 そしたら、乃亜がUFOキャッチャーの商品を見て呟いた。

「ん。どれだ?」

 俺もそれを見てみた。

 それはネコネコ天国というぬいぐるみでいろいろなネコのヌイグルミがあった。

 そして、その中でも赤い毛のネコと蒼い毛のネコが寄り添うように置かれていた。

「なんだか、この二匹。ボクとレンみたいだね」

「そうか?」

 俺はその二匹を見てみた。

 赤い毛のネコは蒼い毛のネコに甘えるように寄り添っていて、蒼い毛のネコはその赤い毛のネコに対しそっぽを向いていたがまんざらでもない態度だった。

 確かに、俺と乃亜に似ているが。なんだが認めたくないな。

「・・・・・」

 乃亜はガラスに張り付きながらその猫達を夢中で見ていた。

 お前は幼児か。

「はあー、仕方がない」

 俺はそのUFOキャッチャーに100円を入れた。

 そして、そのままアームを少し強化しつつ操作し、二匹のネコに狙いを定めた。

 アームは見事2匹を掴み、出口に持っていった。

「ほれ」

 俺は取りだし口から2匹を出し、乃亜に渡した。

「ありがとう。レン」

 乃亜は嬉しそうに二匹を抱いた。

 まあ、遊びに来て正解だったな。

 俺は頬を掻きながらそんなことを思っていた。



 その、後俺達はデパートに行って、買い物をした。

「あ~、楽しかった」

 乃亜は満足そうにベンチに座った。

「それはよかったよ」

 俺はベンチに座らず乃亜を見下ろしていた。その手には買い物袋がたくさん掴んでいる。

「俺、飲み物買ってくるから荷物を見ていおいてくれ」

 俺は乃亜の隣に買い物袋を置きながら言った。

「うん。お願いね」

 そう言って、俺は一旦、乃亜から離れ飲み物を買いに行った。

 飲み物は途中で自動販売機を見つけたので適当に飲み物を買う。

「ん?」

 そして、飲み物を持って戻ろうとしたときある店が目に入った。

「・・・・・どうしよっかな?」

 俺はその店を見てあることを考えて、一旦、財布の中身を確認した。

「買ってしまうと、欲しかった本が買えなくなっちまうけど。まあ、大地らへん買っていると思うから後で貸してもらうか」

 そうして、俺はその店に足を進めある物を買った。

「さて、戻るか」

 俺はそれを懐に大事にしまい、飲み物を持って乃亜の所にさっさと戻る。

「ねえ、彼女。俺達とお茶しようよ」

 そしたら、案の定。乃亜が2人組の男性にナンパされていた。

 しかし、乃亜は気にしない様子でさっき本屋で買った小説を読んでいる。

「乃亜、お待たせ」

 俺はそう言ってそこに近づく。

「あ、乃亜」

「あん、何だテメー」

 そしたら、2人組の片方が俺を睨みつけてくる。

「テメー等こそなんだ?」

 俺は気にしないで睨みつける。

「ヒッ」

 俺を睨みつけてきた奴は恐ろしさのあまりか悲鳴を上げる。

「お、おい、行こうぜ」

「ああ」

 2人の男性は俺の睨みに怖気ついて逃げ出した。

「ほら」

 俺は逃げ出した男性を気にしないで乃亜に飲み物を渡す。

「ありがとう」

 乃亜は飲み物を受け取り、蓋を開け飲み始めた。

「これから、どうする?」

 俺は自分の飲み物を飲みながら聞いた。

「うんとね、あと一か所行きたい所があるんだけどいいかな?」

「ああ、いいぞ。どこだ?」

「学校の屋上」

「はい?」

 俺は乃亜の一言に一瞬気が抜けた。



「綺麗だね」

「ああ、そうだな」

 俺達は乃亜の注文通りに学校の屋上に来ていた。

 今の時間帯、丁度夕日が沈みかけているので周りが茜色に照らされていた。

「てか、なんでここなんだ?」

「ボクのお気に入りの場所の一つだから」

 乃亜は微笑みながら言ってくる。

「まあ、乃亜らしいな」

 俺は納得して夕日を見る。

「迷惑だった?」

 乃亜は夕日を見ながら話しかけてくる

「何が?」

「結婚体験のこと」

「ああ、あれか。別にそんなに迷惑じゃないよ」

「嘘だ。レンあまり嬉しそうな顔してなかったんだもん」

「・・・・・まあ、少し迷惑だった」

「やっぱり」

 乃亜は悲しそうな顔をした。

 まあ、乃亜の場合はよほど嬉しかったんだろうな。

「そうだろ。誰かが決めた結婚式体験に従ってやるのは迷惑しかない。むしろ、大きなお世話だ」

「そ、そこまで言っちゃうんだ」

「ああ、だって結婚ぐらいは自分のペースでやりたいんだよ」

 俺はそう言って懐から先ほどデパートで買った物を取り出した。

 それは、小さい正方形の箱だった。

「だから、乃亜。今すぐは無理だけど、いつかきっと結婚しような」

 そして、その箱を開け乃亜に見せた。

 箱の中身は指輪だった。

「え、レン?え、これって。しかもさっきのセリフって」

 乃亜は指輪と俺を見比べながら言ってくる。

「ああ、プロポーズだよ」

 俺は顔を逸らしながら言った。

 今、自分の顔が赤いのがよくわかる。

「で、お前の返事は?」

「もちろん。お受けします」

 乃亜はこちらを向き、顔を赤くしながら言ってくる。

「ボク、透咲乃亜は紅沙花蓮斗からの申し出をお受けします」

 乃亜の返事を聞いた俺は、箱から指輪を取り出してから、乃亜の右手を取り、右手の薬指にはめた。

「安もんで悪いけど今はこれで勘弁だ」

「ううん。とても嬉しい」

 乃亜はそう言って俺に寄り添って顔を上げてきた。

「ねえ、キスして」

「今ここでか?」

「もちろん」

「仕方がないな」

 俺はそう言って乃亜の唇に自分の唇を重ねた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ