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夏休み6~夏休みの学校~

久々に乃亜視点です

「と、いうことがあったの」

「あ~、だから、蓮斗に生気がなかったのね。ちなみにいつまで?」

「えっと、気が付いたら朝になっていました。しかも、その後も時間がある限り愛しあっていました」

「そりゃあ、あの蓮斗でも倒れるよ。しかも、何気にアッちゃんお肌が艶めいているし」

「えへへ、いいでしょ」

「いや、羨ましくもなんとも思わないから」

 それから、レンと愛しあってから2日経ち、ボクと真衣ちゃんは学園にある嬢育科が使えるレストランに来ていた。今日は午前中に夏期講習があり真衣ちゃんとそれを受けに来て、午後からはレストランで軽くお茶会をしていた。ちなみに、レンは一緒に夏期講習を受けた後、すぐに倒れてしまったのでそのまま保健室

「ところで話変わるけど、途中から真衣ちゃん達がいなくなっていたけど何があったの?」

 遊園地で最初は一緒だったものの着替える際に真衣ちゃん達と別れてからボクとレンは一度も真衣ちゃんと大地君に会っていない。

「あ~、実はね。なんて言えばいいんだろう?まあ、とりあえず、これを見てよ」

 そういって、真衣ちゃんは携帯の待ち受け画面をボクに見せてきた。

「えっ、何これ。可愛い人」

 そこに映っていたのはウエディングドレスを着た少女だった。

「ねえねえ、この子誰なの?」

「・・・・・大地君」

 真衣ちゃんは顔を背けながら言った。

「はい?」

 ボクは一種の冗談かと思い聞き返した。

「だから、この画面の子が大地君なの?」

「え?でも、大地君って男だよね?」

「うん。男だよ。ただ、私の悪戯心がちょっと出てきちゃった。大地君にウエディングドレスを着せて、私がタキシードを着たのよ。そしたら」

「そしたら、思いのほか似合ってしまったのね。そして、真衣ちゃんが暴走しちゃってそのまま大地君をお持ち帰りしちゃった訳か」

 ボクはその後のことがだいたい予想がついたので真衣ちゃん言った。

「うん。気が付いたら太陽が昇る頃だったよ。しかも、目の前には大地君の寝顔があってそれがもう可愛くて可愛くて。大地君が寝ているのをいいことに写真をいっぱい取っていたよ」

「あはは、まあ、それは仕方がないって」

 真衣ちゃんは大地君のことになると変なスイッチが入ってしまうみたいだ。

・・・・・あ、それはボクもか。まあ、自分の事は棚に置いておこう。

「お久しぶりね。透咲さん」

 ボクがそんなことを考えながらココアを一口飲むとボクを呼ぶ声が聞こえてきた。

「ん?」

 ボクがそちらを向くとそこには来栖真利谷が立っていた。

「・・・・・誰だっけ?」

 しかし、ボクは思い出させず首を捻った。

「あら、私をお忘れで」

 真利谷はこめかみに青筋みたいなのを表している物の表情は変えずに話を続けてくる。

「ええ、あなたみたいな。お金で話を進めるおばさんなんてボクは知らないよ」

「お、おば」

 真利谷はさらにこめかみに青筋を浮かべた。

「ねえ、真衣ちゃん。この人知っている?」

「ほら、前に蓮斗を寄こしなさいと言ってきた人よ」

 真衣ちゃんは苦笑いをしながらボクに教えてくれた。

「ああ、あの時の負け犬か」

 あの時は本当に困ったよ。いきなりレンを渡せと言ってくるし、拒否すれば力尽くでやってくるしね。まあ、ミコトが返り討ちにしてくれたからどうでもいいんだけど。

「で、その負け犬がボクになんの用?」

「ちょっ、アッちゃん。あんまり挑発しない方がいいよ」

 ボクの言葉に真衣ちゃんが慌てながら止めに入ってくる。

「お生憎様、負けたのは私の護衛達で私自身はまだ負けていませんわ」

 真利谷は今にも切れそうな感じでボクに言ってきた。

「うわ、今のすごい言い訳だね。それで、今度はボクに何の用かな?」

「もちろん、ビジネスですわよ」

 そう言って、今までどこにいたのかいきなり黒スーツの人がキャリーバックを持って現れた。

「ここに前回の10倍の一億円があります。これで、紅沙花蓮斗を私に譲ってください」

 そう言って、そのキャリーバックをボク達が使っている机の上に広げ、お金を見せた。

「・・・・・ねえ、真衣ちゃん。怒っちゃ駄目?」

 ボクは静かな声で真衣ちゃんに聞いた。

「駄目だと思うよ」

 真衣ちゃんは気にしない様子で自分の飲み物を飲んだ。

「そっか」

 ボクは頷くとココアを一口飲んだ。

「それで、どうするの私に譲ってくれるのくれないの?」

 ボクが首を縦に振らないことに痺れをきらしたのか真利谷はボクに聞いてきた。

「ねえ、負け犬さん。あなたの名前なんだっけ?」

「来栖真利谷よ」

 ボクの質問に真利谷はきちんと答えてくれた。

「そう、なら来栖さん。耳触りだから黙っててくれるかな?あ、あと、呼吸はしてもいいからボクが良いよって言うまで動かないで」

「なっ、あな・・・・・」

 真利谷がボクの言葉に反論しようとした瞬間、体が動けなくなりましてや何も喋れなくなった。

「あちゃ、駄目っていたのにスイッチが入っているよ」

 真衣はやってしまったかのように片手で顔を覆った。

「ねえ、来栖さん。君は恐怖を感じたことはある?」

 ボクは真衣ちゃんを無視して話を進める。

「ボクは感じたことあるよ。恐怖は人それぞれ違うけど。ボクにとっての恐怖はねレンが関係しているんだよ。レンと離れ離れになる恐怖。レンがボク以外の女の子を好きになってしまう恐怖。レンが他の人を護る恐怖。レンがボクから離れていく恐怖。とにかくたくさんあるんだよね」

「いや、それただの嫉妬じゃん」

 真衣ちゃんがツッコミをいれてきたが気にしない。

「とにかくねレンはボクと一緒にいなきゃ駄目なの。ボクと結婚しなきゃ駄目なの。ボクと一緒じゃなきゃ幸せになっちゃ駄目なの。ねえ、来栖さん。あなたは今のボクを見て狂ってると思っているかもしれないけどボクはいたって正常だよ」

「いやいや、私から見ても狂ってるから」

「もう、真衣ちゃんは黙ってて」

「へいへい」

 真衣ちゃんはふてくされて飲み物を飲む。

「まあ、要するに来栖さん。ボクとレンの間を邪魔する人はみんなボクの敵になるんだよ。だから、来栖さんも敵なんだよ」

 ボクはそう言って右手を来栖さんの頭の上に乗せた。

「そして、ボクはそうゆう敵を確実に潰してきたんだよ。ボクとレンの間を邪魔させないように全ての敵をボクが思いつく非道の限りを尽くしてね。だから、来栖さんも潰れてちょうだい」

 ボクはそう言って右手に意識を集中させた。

「あ、ああああああああああああ」

 そしたら、いきなり真利谷は叫び始めた。

「ボクが怖い?それが恐怖だよ。ボクに対する恐怖。死に対する恐怖。だから、これを気にボク達に近づかないでね」

 ボクはそう言ってさらに右手に意識を集めようとした。

「はい。そこまで」

 そしたら、その一言ともにボクは両眼を後ろから誰かの手によって隠された。また、真利谷の頭を触っていた手もその誰かによって手首を掴まれ離される。その拍子に真利谷は力が抜けるように膝をつく。

 ボクはこの手の感触と声で本人がわかってしまった為文句をいうことにした。

「レン。邪魔しないで」

「そうはいかない、これ以上やってしまうとそいつの精神が壊れてしまうよ」

「壊れてもいいよ。ボクとレンの間を引き裂こうとしたんだから」

「大丈夫だ。俺はお前から離れる気は無い」

「それって本当?」

「ああ、本当だ」

「じゃあ、止める」

 ボクがそういうとレンはボクから手を離した。

「とまあ、そうゆうことだから。俺達にもう関わらないでくれ」

 レンはそう言って来栖さんに話しかけた。

「言っておくがこれは警告だ。もし今度、そんな話を俺達に持ちかけてきたら、お前は確実に乃亜に精神を壊されるからな。んじゃあ、行くか」

 レンはそう言って歩き出した。

「あっ、待ってよレン」

 ボクはそんなレンを後ろから追いかける。

「・・・・・まあ、そうゆうことだから。あなたはもう、私達に関わらない方がいいよ。あ、それとここの代金よろしくね」

 後ろから真衣ちゃんの会話が聞こえてきたが気にしないことにしよう。だって、今はレンに抱きつくので精一杯なんだもん。


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