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結局はまた狙われるのね

お待たせしました。

誤字脱字がありましたら教えてください。

「乃亜、そこに正座」

「はい」

 会長を蹴飛ばしたその日の夜、俺はリビングに乃亜を正座させていた。ちなみに玲は晩御飯の準備中。

「さて、問題です。今から俺は何の話をするでしょうか?」

「はい」

 乃亜は手を上げた。

「はい、乃亜さん」

「ボクのスリーサイズ?」

「違う」

 何を言っているんだこいつは?

「欲求不満?」

「違う」

「じゃあ、ボクの安全日?」

「違う。つか、お前はなんでそっち方面しか言わないんだよ!」

「え、レンがいつも考えていそうだから。溜まってんのかなって?」

「溜まってねーし!そんなことも考えたくもねーよ!」

「じゃあ、まさかレンはゲ」

「それ以上言うんじゃねえええええ!」

 俺は乃亜の口を塞いだ。

「たく、お前の頭の中で俺はどういった存在なんだよ?」

 もう、俺は呆れるしかなかった。

つか、何か塞いだ方の手がくすぐったいんですけど?

 俺は乃亜からゆっくり手を離した。

 そしたら、案の定、手の平がヨダレで濡れていた。

「んふ、レンはおいしいね」

 そう言いながら乃亜は嬉しそうに笑っていた。

「と、とりあえず、話を戻すぞ」

 俺はティシュで手の平を拭きながら、話を切り出した。

「あ、もったいない。舐めてもよかったのに」

 俺はどんだけ変態なんだよ。

「それで、話というのは今日の朝についてだ」

「あー、あれね。レンかっこよかったね。生徒会長の脇腹に蹴り入れてそのまま気絶させちゃったんだから」

「おかげで、俺は指導室に連れていかれてこってり説教をさせられました」

ましてや、全校生徒を敵に回してしまったよ。くそ、会長があんなに生徒達に人気があったなんて知らなかった。

「でも、今回は会長から言ってきた事なんだから、説教だけで終わったじゃない。あれ下手すると退学もんだよ」

「その退学になりそうだった原因を作ったのは誰だよ?」

「さー、誰でしょうね?」

 乃亜は顔を背けた。

「お・ま・え・だ・よ」

「だ、だって、仕方がないじゃん。ボクにはレンがいるんだから」

「それでも、別の言い方があっただろう」

「あるけど、正直に言った方が相手を傷つけないでいいでしょ」

「そのせいで、俺には被害がくるけどな」

「大丈夫。ボクはレンが負けるとは思ってないから」

「何の根拠だよ?とりあえず、これからは別の断り方をしろよ」

「じゃあさ、レンと付き合っているって言ってもいいの?」

「あー、んー、しょうがない。それは妥協しよう」

 これから平和に過ごす為だ。

「やったー!レンに対するボクの立ち位置のランクが上がった」

 乃亜は両手を上げて万歳をした。

 つか、なんだよランクって?

「ちなみに、さっきまではレンの幼馴染というランクで、今はレンの彼女というランクだから」

「誰の彼女だって?」

「もちろんレンの彼女だよ」

「誰が?」

「ボク以外誰がいるの?」

 乃亜は胸を張って言ってきた。

「あー、もういいから、それで。とにかく告白された際にはそう言って相手に諦めさせてくれよ」

 俺はもう疲れ過ぎてツッコミを言う気力がなかった。

「はーい」

 乃亜は元気よく返事した。

「お兄ちゃん。お姉ちゃん。ご飯で来たよ」

 台所から玲の声が聞こえてきた。

「わかった。今行く。ほら飯だとよ」

「うん」

 俺は先に歩き出し、乃亜も続けて立ち上がり歩きだそうとした。

「んぎゃ」

 しかし、見事に倒れてしまった。

「・・・・・どうした?」

 俺が振り向き聞いてみると。

「足痺れた」

「そうか、頑張れ」

 俺は乃亜を置いて先に台所に行こうとした。

「置いていかないで、ボクも連れて行ってよ」

 でも、乃亜に足を掴まれ進めなかった。

「じゃあ、どうすればいいんだ?」

 だいたい予想がつくけどな。

「お姫様抱っこ」

 やっぱりな。

 俺は仕方がないと思いながらも、乃亜にお姫様抱っこをしてあげた。

「今回だけだからな」

 やってる本人にしてみれば、すごく恥ずかしいんだからな。

「ありがとう」

 乃亜は微笑みながらお礼を言ってくる。

 俺はそれを見てとても顔が赤くなっていることが分かった。

「へいへい」

 そして、その事がばれないように適当に返事をして台所に向かった。

 玲に冷やかされたのは言うまでも無い。



 次の日の放課後。

「なあ、乃亜。聞きたい事があるんだが」

「何?」

「これはどういうことかな?」

 俺と乃亜は帰っている途中に数人の男性に囲まれていた。しかも、全員俺に殺意を抱いてるみたいで、睨みつけている。

「知らないよ。ボクは昨日、レンに言われたとおりに言っただけだもん」

「ちなみに、なんて答えた?」

「え~とね、ボクにはもう紅沙花蓮斗という彼氏がいるのでごめんなさいって言ったよ」

 乃亜にして見れば、いたって普通の返事だな。じゃあ、なんで囲まれなきゃいけないんだ?

 まあいい。それはこいつらに聞けばわかるな。

「おい、なんで俺に絡んでくる」

「そんなの決まっている。お前が透咲さんを騙しているからだ!」

 男子生徒の一人が答えてくれた。

「はあ、騙している?」

 一体、何のことだ?

「だってそうだろ。お前みたいな凶悪な奴に透咲さんという可愛い彼女が出来る筈がないんだ!」

つまり妬みですか?嫉妬ですか?

「だから僕らはお前を倒して透咲さんを助けるんだ!行くぞ!」

「「「「おお!」」」」

 そう言って男子生徒達は一斉に襲いかかって来た。

「はー、面倒だな」

 俺は乃亜に鞄を預け、体をほぐした。

「とりあえず、潰れとけ」

 そして、そいつらを迎え撃った。

 ・・・・・五分後。

「さて、帰るか」

 俺は乃亜から荷物を受け取った。

「うん」

 乃亜は俺の隣に並んで歩きだした。

「今日の晩御飯の係りは乃亜だよな」

「うん。おいしいの作るから楽しみにしていてね!」

「ああ、失敗しないように祈っているよ」

 さっきのことは何も無かったように会話しながらその場を後にした。

「つ、強い」

「ば、化け物」

「お、俺もう諦める」

「お、俺も」

「あ、あいつには手を出さない方がいい」

 その場には制服のあちこちがボロボロの男子生徒達が倒れていた。


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