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夏休み2~肝試し~(蓮斗と乃亜の場合)

遅くてすみません


「さて、そろそろ肝試ししよっか?」

 その日の晩。俺達が夕食を食べ終わり、リビングでトランプや会話をしながら遊んでいるとシオン先輩が突如、言ってきた。

 ちなみに、俺はトランプの大富豪をやっているところだ。

「いいですわね。やりましょう」

 それに、水姫が賛成した。

「他の皆さんはどうでしょう?」

「ボクもいいよ」

「あたしも」

「・・・・・Ok」

 その後に一人を除いた女性陣が賛成の声を上げる。

「男性陣は?」

「女性陣の半数が賛成しているんだから反対するわけないよな」

 龍次がそう言い、俺達も頷く。

「そんじゃ決まりね」

「で、ルールは?」

「簡単だ。2人1チームで。コースはこの別荘の後ろに道があって。そこをまっすぐ行くと祠が合るから。その祠にあるバッチを取ってくる。なあ、簡単だろ」

「何か、仕掛けとかはあるのか?」

「もちろん。肝試しだから家のスタッフにいろいろ準備させた」

「そのスタッフを倒してもいいのか?」

「それをやった人には罰ゲームを用意しといたから、罰ゲームを受けたい人は倒してもいいぞ」

 いや、別に受けたくない。

「あと、タイムを計って1位のチームには商品があるから。頑張れ。それで、チームなんだが」

「ボクはレンと組む」

 そう言って乃亜が自己主張しながら俺の腕を掴む。

「「「「「「言うと思った」」」」」」

 その場にいる殆どの奴らがそう口にした。

「さて、こうなることは予測していたが、蓮斗君と乃亜さん以外に指名でチームを組みたい人はいるかい?」

「龍次」

「大地君」

「海」

 水姫、真衣、花純の順番に答える。

「・・・・・予想通りで、逆に怖いよ」

 シオンはその答えを聞いて逆に呆れていた。

「さて、それに対して男性陣は何かあるかい?」

「特にない」

 龍次が代表して答える。

「そうか、それでさっきから黙っている。スバルさんはどうなんだい?」

 シオンはさっきから一言も発しないスバルに聞いた?

「・・・・・」

 しかし、スバルはそれに対して何も答えない。

「あ~、今、何を話しかけても無理っすよ」

 そしたら、楓太が口を挟んで来た。

「なんで?」

「ここだけの話し、スーちゃん。昔から怖いもの駄目で、先輩が肝試しをやろうと言った瞬間、気絶しちゃいましたから」

「「「「「「えええええ」」」」」」

 楓太の一言に全員が驚いた。

 どんだけ苦手なんだよ?



 蓮斗と乃亜の場合

「乃亜、少し離れてくれないか?」

 俺と乃亜は先輩に指定された道を歩いていた。そして、当然のごとく乃亜は俺の腕に抱きつきながら歩いていた。

「無理」

 乃亜は俺の言葉をすぐに否定した。

「・・・・・なんでお前はいつも俺の意見を却下するんだ?」

「じゃあ、逆に聞くけどなんでレンはボクとくっついて歩きたくないの?」

「え~と、それはだな」

 言えない。恥ずかしいからくっつくななんてとても言えない。さて、なんて答えようかな?

「ガオオオオオオオ」

 俺が別の理由を考えていたら草陰から、頭が狼で上半身から下は人間の生き物が出てきた。まあ、いわゆる狼男だ。

「きゃあ。・・・・・・で、なんで、ボクとくっついて歩きたくないの?」

 乃亜はとりあえず驚くふりをしといて、そのまま話を戻した。

 おい、狼男さんがなんだか可哀想だぞ。

 狼男はあまり乃亜に驚かれないので俺達に背中を向けてしゃがみ込んでいじけていた。まあ、そんな狼男を置いて、俺達は先に進む。

「えっと、それはあれだ。お前がくっついていると何があった時に瞬時に動けないからだよ」

 俺は瞬時に言い訳を考えて言った。

「本当?」

「ああ、本当だ」

「ふ~ん、まあいいや」

 乃亜はにやけながら俺から離れた。

 多分この顔は本当の理由に気が付いている。

「それより、さっきの狼男以外何にもでないね」

「そうだな」

 俺達は歩き続けてだいぶ経つが肝試しなのに出てきたのが狼男だけだってのも変な話だ。

「まあいいや、このまま祠まで行こうよ」

「ああ」

 そうして俺達は祠まで歩きバッチを取りシオン達のところに戻った。



 裏方の話。

 実は狼男以外には理由がある。

「なあ、次、お前行けよ」

 樹の陰でのっぺらぼうの衣装着たシオンの部下が他の妖怪達に着替えしている部下達に連絡していた。

「いやっすよ」

 そしたら、他の部下が反論した。

「男性の方はともかく、女性の方が『さっきのは許してやるから私たち2人っきりの邪魔をするな』というオーラが出ているんですよ」

「もし、あの中に乱入したら何が起きるかわからない」

「まあ、それは言えるよな」

「「「「・・・・・・はあー」」」」

 部下たちはため息をつくしかなかった。


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