当たり前になってきた生徒会長との会話
すみません。
なんだか、こんな話しばかりで申し訳ありません
戦いが終わり、数週間が経過した。あの後のことはあまり覚えていないが、とりあえず検査も含め俺と乃亜は病院に入院することなった。でも、どこも体に異常がないのですぐに退院することができた。
その後、透咲家に向かい事件の内容を簡潔に話した。乃亜の能力のことや何故、豊が乃亜を狙ってきたのかなどもいろいろと仁さんに教えてもらったが今になるとどうでもいい。無事に解決できたので良しとしよう。
ただ、一つ気になるのが血の盟約についてだ。このことを仁さんに話しても仁さんは詳しく教えてくれなかった。ただ、簡潔に乃亜と契りを結んだことだと教えてくれた。それを聞いた乃亜はとても喜んでいたのは言うまでも無い。
さて、後1週間で夏休みだが平和に過ごせればいいな。
「すまん。また、仕事だ」
「・・・・・帰っていいですか?」
シオンは微笑みながら言ってきた。
俺のさっきの感想を返せ。
俺達は放課後に生徒会室に呼び出され、生徒会長のシオンに唐突に言われた。
「そう言って、最終的には引き受けるんだからとりあえず話を聞いてよ」
「つか、なんで、いつも俺達なんだよ?他の委員や風紀委員に仕事をさせればいいだろ」
「いやー、それがさ、本当の事を言って今の生徒会は私、水姫、龍次の3人だけなんだよね」
「よく、それで仕事ができたね」
乃亜は呆れていた。
「部下が優秀でね。あまり人手はいらないんだよ。現に今だって水姫と龍次が他の委員会と会議だからね」
あ、だから、今いないのか。
「じゃあ、俺らもいらないんじゃないのか?」
「まあ、そこは気にしないでよ。とりあえず話を戻すけど、君達、この頃学校の窓が割られているのは知っているかい?」
シオンの問いに俺と乃亜、真衣は首を横に振った。
「あ、それなら知っています。最近、夜になると何者かが学園に侵入し、窓を割っている事件ですね」
しかし、大地だけは知っていたらしい。
「さすがは大地君、情報が早いね。そう、大地君の言う通りこの頃、この学園に何者かが侵入しガラスを割って歩いている。だから、君達にその侵入者たちを倒して欲しいんだ」
「内容はわかったが、俺達はその話を聞くのは初めてたぞ」
「そりゃあ、そうだもん。みんなが気付く前に私が先導して全て直しているんだから」
「お前一体何者だよ?」
「ただの生徒会長です」
シオンは笑いながら言ってきた。
うわ~、こいつ殴りたい。
俺はそれを見て少しばかりイラッとした。
「まあ、そうゆうことだから。そいつらを懲らしめてちょうだいよ」
「俺達はまだやるとは言っていないぞ?」
毎度のごとく俺は反論した。
「もちろん、お礼として今回は、ん~、そうだな。君たちは今何か欲しいものがあるかい?」
「一人の時間」
「レンの愛」
「特にないです」
「大地君」
俺、乃亜、大地、真衣の順番に言っていく。
つか、乃亜と真衣おもいっきり変なことを言わなかったか?
「君に聞いた私が馬鹿だった」
シオンは俺たちの答えを聞いて呆れていた。
「しょうがない。あれを使うか」
あれ?あれってなんだ?
「乃亜さんに真衣さん今回のお礼はこれでどう?」
俺が不思議に思っていると、封筒を二枚出し乃亜と真衣に渡した。
「何これ?」
「恋人同士で行く遊園地チケットだよ。それで、蓮斗君や大地君と共に遊園地に行くと良い」
「こんなんで、ボクが蓮斗を貸すのを許可すると思うんですか?」
乃亜は封筒を見ながら言った。
おお、今回は乃亜が強気に出たな。まあ、確かに乃亜はこれでもお金持ちのお嬢様で遊園地になんていつでも好きなときに行けるからな。
俺は思わず乃亜を感心してしまった。
「あ、ちなみにそこの遊園地って今、期間限定でウエンディングキャンペーンをやっていて、恋人同士でいったら無料で結婚式を体験できるんだよ」
「「結婚式」」
乃亜と真衣は2人して声を重ねた。
あ、なんか嫌な予感。
「ちなみにそのウエディングキャンペーンというのは人数制限があって、できるのは限定チケットを持っている人だけなんだよ」
「つまり、できるのはこのチケットを持っている人ということだよね」
「理解が早くて助かるよ。それで、どうする?」
「そりゃあ」
「もちろんね」
乃亜と真衣は俺と大地を見てきた。
「大地」
「何。レン君?」
「逃げれる?」
「無理だと思うよ」
「俺もそう思う」
俺はまた面倒事に巻き込まれたことを後悔した。