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犯人はお前か!!

 原因が解って数日が経過した。

「これでこりたら、もう、俺にちょっかいを出してくるなよ」

 相変わらず、俺に絡んでくる奴は後が絶たない。

 だから、今日も朝から襲ってきたので、返り討ちにしといた。

 おかげで学校に着いたのがギリギリだった。

「これで通算20連勝はいったんじゃない?」

「レン君、中学の記録に一歩ずつ近づいていっているよ」

「うるさい。俺も好きで記録を作っているんじゃないよ」

「レン。痛いところない?痛いところがあったらボクが優しく介護をしてあげるよ」

 俺、大地、真衣、乃亜は小声で話をしていた。

「いやいい、お前が介護をすると色々と危ないことになってくるから」

「そんなことを言わないでさ。ボクに介護をやらせてよ」

 乃亜はそう言って自分の体を俺の腕に摺り寄せてくる。

「おお、アッちゃん。大胆だな」

「そうゆうことは二人っきりの時にやるもんだよ」

 真衣と大地は悪戯っぽく言ってくる。

「お前ら、見てないで助けろ!」

「そこ、うるさいぞ」

 俺が怒鳴ると先生に注意させられた。

 今は全校朝会でみんなして体育館に集合していた。

「ほら、レンが大声出すから怒られたじゃん」

「お前のせいだろうが」

「はいはい、二人とも静かにしようね」

「そうだよ。また怒られるよ」

 俺が暴れそうになったので、大地と真衣が止めに入った。

 くそ、俺は悪くないのに。

「それでは、最後に生徒会長からお話があるそうです。生徒会長お願いします」

 どうやらいつの間にか朝会も終盤に差し掛かっているみたいだ。

「えーと、みなさん疲れている所だけど、もう少し私にお付き合いください」

 壇上の上に生徒会長らしき青年が、まあ、生徒会長なんだけど話をしていた。

「それと、透咲乃亜さんは壇上に上がって来てもらいませんか?」

 そしたら、会長から乃亜に指名がかかった。

「なんだろ?行ってくるね」

「行ってらっしゃい」

 俺は乃亜が手を振ったので振り返してやった。

「そういえば、解決策とか考えた?」

 大地が昨日の件について話しかけてきた。

「いや、まだだ。そもそもなんでその噂がたったのかわからないんだぞ」

「そうだよね。もう少し情報がほしいよね」

「まあ、気長にいこうよ」

「気長ってそれを君が言ったら駄目だよ」

 まあ、それもそうか。

「愛してます。私と付き合ってください」

 ん、なんだこのセリフは?どこから聞こえてきた?それになんだか妙に周りがざわついているな。

「おい、何があったんだ?」

 俺は今まで乃亜に注目していた真衣に話しかけた。

「え、アッちゃんが生徒会長に告白された」

「はあ?」

 誰が誰に告白だって?

「だから、会長さんがノンちゃんに告白したの」

「え、マジ」

 俺は呆気にとられてしまった。

「本当みたいだよ。ほらあれ」

 大地が壇上の方に指を刺したので、壇上の方を見てみると会長が乃亜の片膝を付き、乃亜の手を取って告白してるみたいだ。

「ありゃ、マジだ」

 しかし、よくこんな全校生徒の中で告白できたな。度胸あるよ。つか、これって職権乱用してなくないか?

「わあ、すごいな。私もあんな告白され方されてみたい」

 真衣は面白がりながら大地の方を見ていた。

「う、うん。そうだね」

 大地は気まずそうにしている。

 大地ドンマイ

「それで、乃亜は返事をしたのか?」

「んー、まだだよ」

 俺らは乃亜に注目した。

「嫌だ」

 乃亜ははっきりと全校生徒が聞こえる大きさで言った。

 その瞬間、俺ら以外の全校生徒が驚いてしまった。

「え?今なんて?」

 一番、驚いているのやはり生徒会長だろう。

「嫌だと言いました」

 生徒会長はそうとうショックを受けているようだ。

「あはは、すごいね。あの生徒会長を降っちゃったよ」

 真衣はツボにハマったらしく大笑いしていた。

「あの?」

「生徒会長はかなり女子生徒に人気があって毎日告白されているんだよ」

 大地が丁寧に教えてくれた。

 つまり、この瞬間、乃亜は女子のほとんどを敵に回したということか。

「え、な、なんで?わ、訳を聞かせて貰えないかな?」

 やはり、今の乃亜の答えだと会長は納得しないだろう。

「いいよ。すごく簡単なことだよ。ボクには愛している人がいるからだよ」

「そいつの名は?」

「紅沙花蓮斗。ボクがこの世で一番愛している人だよ。でも、レンはボクにそうゆう事を言ってくれないけどね」

 乃亜が名前を言ったおかげでみんなして俺に注目してきた。一部に殺意の念も感じる。

「君は彼のどこに惚れ込んだのかい?」

「全部です。あ、でもとくに強いところかな。それでいつもボクを助けてくれるんだよ」

「そうか。わかった」

 会長は立ち上がり乃亜の手を離し、マイクを持った。

 なんだか、とても嫌な予感がするんですけど。

「紅沙花蓮斗!私と勝負しろ!」

 ほらね、やっぱりだ。

「なるほど、そういうことか」

 大地は一人で納得していた。

「何がなるほどなんだ?」

 俺が不思議そうに聞くと。

「つまり、乃亜さんにみんなが告白する訳だ。そしたらみんなして、ああやって断られてしまう。それで訳を聞くと必ずレン君の名前が出て来て、その訳も知る」

 え~と、つまり。

「つまり、アッちゃんが自分の中で一番強いのは蓮斗になっているわけだから、その蓮斗を倒したらアッちゃんに自分が強いことアピールできるし、うまくいけばアッちゃんを彼女にできるわけだ」

 大地の代わりに真衣が答えてくれた。

「そういうこと」

「え、ていうことは、根本的な原因は乃亜になるのか?」

「まあ、そうなるね」

「なんだそりゃあああああ!」

 俺は朝会というのにも関わらず思いっきり叫んでしまった。

「お、そこにいたか。早く上がって来た前」

 おかげで見つかってしまった。

「わかったよ。行けばいいんだろ!」

 俺はとっとと壇上に上がった。

「ふふふ、さて、それでは私の為に倒れてくれ!」

 会長はそう言って俺に殴りかかって来た。

「断る」

「ぐふっ」

 しかし、俺はそれを意図も簡単に避け、会長の脇腹を蹴り飛ばした。


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