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温厚な奴ほど怒らすと怖い

すみません。PCが壊れてしまい遅くなりました。

 暴食の部屋

「来るなあああああ」

 スバルは思いっきり逃げていた。

「逃げるなああああ」

 その後ろから喰屋が追いかけてくる。

 なんで、こんな状況になっているのかというと。

「おでにお前を喰わせろ」

 喰屋が舌を出し、涎を撒き散らしながら追いかけて来ているのでスバルは気持ち悪がり逃げている。

「いい加減にしろっ!雷槍」

 スバルは空中に跳ね、喰屋に向けて槍の形をした電気を落とす。

「ひゃはっ、いただきます」

 喰屋は口を大きく開け、口の中に加える。

「ぎゃあああああ」

 その後、当然のごとく感電した。でも、

「おいしい。もっと喰わせろ」

 普通なら感電死してもおかしくないのに喰屋はにっこりと笑いながらスバルに詰め寄って行く。

「ひっ」

 スバルは気味悪がって一歩引き下がる。

「早く。喰わせろ」

 喰屋はまた一歩進む。スバルはそれに合わせて一歩下がる。まあ、誰だって涎を垂らしながら近づいてくれば下がるよな。ちなみに、スバルは半分涙目になっている。

「喰わせてくれないなら、悪戯だ」

 そう言って喰屋はいきなりスバルとの距離を一気に縮めて攻撃をしてくる。

「やば」

 一瞬の出来事だったので、スバルは反応が遅れてしまった。でも、服の裾を少し破ってしまったがギリギリの所で交わすことができた。

「くっ、ぽっちゃりのくせになんてスピードなんだ・・・・・」

 スバルは態勢を直し構えたが、次に目に映った光景を見て固まってしまう。

「はあ、はあ、おいしい」

 喰屋がさっきスバルの服から破れた服の切れ端を丹念に舐めていた。

「もっと、もっと、喰いたい。お前。喰いたい」

 そして、喰屋はさっきより息を荒くしながらスバルに狙いを定める。

「いただきます」

 そして、また一気に距離を詰め口を大きく開けてスバルに噛みつこうとした。スバルはこの時、スバルの頭の中では一つのキーワードしかなかった。

「気持ち悪い」

「ぐおっ」

 一瞬、何が起こったのがわからないが喰屋は気がついた時には地面に叩きつけられていて、頭と顎に痛みがあった。

「気持ち悪いんだよ。お前は。あたしを食べる?はっ、ふざけんな。あたしを食べていいのはフーちゃんだけだ。あたしに触れてもいいのもフーちゃんだけだ。てか、あたしはもうフーちゃんのものなんだから。あたんに食べらせる部分なんてないんだよ。わかったか?豚がっ!」

 そこにはいつも元気に体を動かすスバルではなく、狂気に満ちているスバルがいた。この様子からわかるようにスバルは思いっきりキレていた。

「ひっ!」

 喰屋はスバルに恐怖を感じ、距離を取った。

「お前、さっき、あたしの電気を浴びておいしいって言ったよな。なら、もっと喰わしてやるよ」

 スバルの体全体から電気が放出され、形を作る。

「これはまだきちんと扱えないから使いたくなかったんだけど。まあ、おまえならいっか」

「ああああああ」

 喰屋はスバルの後ろにそびえ立つ物をみて何も言えなくなる。

「これの名は雷帝。お前を満腹にさせてくれるあたしの切り札だ」

 それはマントを背中に携え西洋の鎧に身を包み、右手にはすべての敵をなぎ払う大剣、左手には自分の身をすべての攻撃を防いでくれる盾がそれぞれ装備されている。はっきり言えばどっからどう見ても西洋の騎士だ。

「それじゃあ、行くぞっ!」

 スバルが喰屋に突っ込むと雷帝も一緒に動き出す。

「オ、オラが悪かった。許して」

 喰屋はスバルに向けて謝罪する。

「今更、遅いんだよ」

 しかし、今のスバルにはそんなの関係ない。ただ考えているのは、敵を倒すことのみ。

「一撃必殺」

 スバルが構えると、雷帝は剣を抜き高々と構える。

「閃雷斬っ!!」

 スバルが技を放った瞬間、雷帝が喰屋に向けて剣を振り下ろした。

「ぎゃああああああああっ!!」

 喰屋は避ける暇もなく、そのまま電撃の塊を浴びてしまい。黒焦げになり倒れてしまった。

「ふう、あたしの勝ちだ」

 スバルがそう言った瞬間、雷帝は消えそこに静寂が戻る。

「さて、あたしも早く急がないとな。・・・・・・あれ?」

 スバルがエレベーターに戻ろうとした瞬間、膝をつきそのまま倒れてしまった。

「あ~、そうか電池切れか。まあいっか、あたしの仕事は終わったんだし少し休もう」

 そして、スバルはそのまま眠りについた。


 暴食の部屋

 勝者 スバル 35分12秒


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