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頑張れと言われたら、頑張るしかない

タイトル、思いつかなかったああああ!!!!

 憤怒の部屋

「おらっ」

「甘いな」

 龍次が振った刀の刃を水地は斧で受け止め交わした。

「くそ、埒が明かないな」

 龍次はそう思いながら刀に炎を纏わせ相手に技を放った。

「一の型 炎舞」

 その瞬間、刃から放たれた炎が水地の周りを踊るように襲いかかった。

「ほう、これは面白い。だが、水壁」

 水地に炎が襲いかかろうとした瞬間、水地の周りに水の壁ができ炎を消してしまった。

「ちっ、相性が悪いな」

 龍次は一旦距離をとり、刀を構え直す。

「ああ、そうだな。俺は水でお前は炎。炎は水に消され勢いをなくす」

 水地は斧を構えた。

「さて、今度は俺の番だな」

 水地がそう言うと、斧が水を含みだした。龍次はそれを見て寒気を感じた。

「ガードしたら死ぬぞ。水刃っ!」

 水地が斧を振った瞬間、圧縮された水の刃が龍次に襲いかかる。

「くっ」

 龍次がそれを腕にかすりながらも避けた瞬間、龍次の後ろに合った水槽に横一直線に傷ができた。そして、そこから水があふれ出てくる。

「まだまだ、いくぞ」

 水地が片手を上げると水地の周りに水珠が浮かんでくる。

「くらえ。水弾」

 そして、片手を龍次に向けて振り下ろした瞬間、水珠が龍次に向けて飛んでくる。

「ちっ、二の型 炎陣」

 その瞬間、龍次の周りに火柱が立った。その火柱により、水珠は蒸発し消えた。

「三の型 火走り」

 そして、龍次は炎をゼット噴射のように使い、水地に向かって突進した。

「喰らえっ!」

「なかなかだ」

 龍次の刀と水地の斧がぶつかりあう。

「惜しいな。ここで殺すのはもったいない。どうだ?学校なんて止めて煉獄館に入らないか?」

「断る。人殺しの会社なんてまっぴらごめんだ?」

「そうか残念だな」

 水地は龍次を弾き返し、距離を取る。

「そろそろ終わらせてやる。水神!」

 水地が叫んだ瞬間、水地の後ろに水の斧を持った水の巨人が現れた。

「終わりだ。水神玄武、断罪」

 その瞬間、巨人が龍次に向けて斧を振り下ろした。

「それだと、隙があり過ぎるだろ」

「何っ!」

 龍次はその斧を避け、そのまま水地の懐に飛び込み刀を一閃した。しかし、ここで龍次は違和感を感じた。水地を切った筈なのに感触がない。龍次が水地を見てみると、そこにはだんだんと透明になっていく水地の姿があった。

「水神は囮だ。本命はこちらだよ。水縛り」

 いつの間にか、龍次の後ろに居た水地が技を放った。

「しまっ」

 龍次が気付いた頃には遅く、水地に似せていた水が龍次を包みこんでしまった。

「がぼっ、ごぼっ」

 龍次は水に包まれ喋ることはおろか息もできない。

「龍次。お前は本当にここまでよくやったよ。この俺をここまで追い詰めて、俺の切り札、水縛りさえ出させてしまうんだもんな。だから、俺を追い詰めたということ誇りに思いながら死ね。深水圧」

 その瞬間、龍次にかかっている水に新海ほどの圧力がかかり、一気に破裂した。

「・・・・・」

 龍次はそれを避けることもできずに喰らってしまい、刀を手から離し、膝をつき倒れた。

 もう、それは立ち上がることもできないようだった。

「・・・・・惜しい男を殺したな」

 水地はそう言って、龍次に背中を向け歩きだした。



「・・・・・惜しい男を殺したな」

 意識が沈んでいく中その声が聞こえてきた。

 俺はそれを聞き、すぐに何が起こったのかわかった。

 俺、負けたんだな。

 相手の罠に捕まり、攻撃を受けてしまった。

 ・・・・・みんなに合わせる顔がないな。

 絶対に負けてはいけない勝負だった。なのに俺は負けてしまった。

 悔しいな。

 まだ、戦いたい。気持ちがあるのに体が動かない。それどころが意識さえ無くなってきたいる。

 これが死ぬって事なんだ。

 龍次は直感でそう思った。

 ・・・・・最後に、水姫に会いたかったな。

 自分の主人、天川水姫のことを龍次は最後に思いながら完全に意識を途絶えようとした。

 プルルル、プルルル、プルルル

 その時、ポケットから自分の携帯が鳴りだした。

 この時、俺は無意識でその携帯に出た。

「もしもし」

 そして、自然と声が出る。

『あ、龍次?』

 声の主は水姫だった。

「どうしたこんな時に?」

『えっとですわね。実は明日、シオンと映画に行く予定だったんですけ、シオンの方で予定が入ってしまって、行けなくなってしまったんですわ。それで、せっかく買ったチケットが勿体ないので明日、もし龍次が暇ならば一緒に行きませんか?』

「明日か。んー、ちょっと無理かもな?」

 ちょっとどころではない。今、俺は死にそうなのだ。

『何か私より大事な用事でもあるんですの?』

「いや、そうゆう訳ではないんだけど?」

『・・・・・まさか、また事件に自ら頭を突っ込んでいるわけではありませんよね?』

 なんでこういう時だけ、こいつは感がいいんだろう?

『あなたという人は、なんでそんなにお人好しなんですか?』

「ごめんなさい」

『まあいいでしょ。その代わり早く仕事を終わらせて明日私と一緒に映画に行くんですよ』

「じゃあ、最後にいいか?」

『なんですの?』

「一言でいい応援してくれないか?」

『ええ、いいですわよ。がんばりなさい。そして、明日、映画に行くますわよ』

 水姫がそう言ってくれた瞬間、体に力が入るのがわかる。

「ああ、そうだな」

 そうして、俺は携帯を切り、ポケットに戻した。

 さて、水姫を泣かせない為にもあいつを倒さないな。

 俺はそう思いゆっくりと立ち上がった。



「おい、まだ終わっていないぞ」

 後ろから声がかけられ、水地は振り向き驚いた。さっき殺したはずの龍次が刀を手に持ち立っていたからである。

「お前死んだのではないのか?」

「生憎、俺のご主人に頼まれごとができてしまったから死ねなくなったんだ」

 龍次は刀に炎を纏わせる。

「次の攻撃に俺のすべてを注ぎ込む」

 その瞬間、刀の刃部分が赤く染まっていく。そして部屋全体がだんだんと熱くなっていく。

「いいだろ。次の一撃に俺もすべて注ぎこんでやろう」

 水地も自分の斧に水を纏わせた。

「いくぞ」

「来い」

 そして、龍次と水地はすれ違った。すれ違うとお互い背中を向けたまま立っている。

「・・・・・・余命桜 四の型 紅一点」

 最初に動いた、龍次はそう言って刀を鞘に収めた。

「がはっ」

 その瞬間、水地は肩かた腰あたりの部分に火傷ができ、倒れた。

「俺の勝ちだ」

 龍次は後ろを見ないで話しかける。

「ああ、認めよう。これは貴殿の勝ちだ。でも、何故だ?俺はあの時、水壁でお前の攻撃をガードした筈、何故、お前の刀はそのまま通ることができたんだ?火は水で消えるだろう」

「確かに火は水で消えるのは普通だ。でも、その逆もあるだろう。周りを見てみろよ」

「え・・・・なっ」

 水地は龍次に言われて初めて気が付いた。今まで部屋一面にあった水がなくなっていたのである。

「まさか、蒸発か?」

「正解。刀を高温まであげ、水を蒸発させお前に攻撃を当てたんだ」

「それじゃあ、何故、俺は死んでいないんだ?」

「俺はあんたとは違ってここに人殺しをしに来たんではない。友人を助けに来たまでだ。火傷は死なない程度だし、後は病院にでも言って安静にしていろ。んじゃあ、俺は行くからな」

 龍次はそう言って、エレベーターに向かった。

「くっ、くくく、はははははは。面白い勝負だった。また、やろうぞ」

 後ろからそんな声を聞こえてきたが龍次は腕を上げて答えるだけだった。

「・・・・・しかし、俺もさすがに無理をしすぎたな」

 龍次はエレベーターの中に入った途端、その場に力尽きるように倒れた。

 悪い。お前ら、あと、任せるは俺は少し休ませてもらう。

 そして、龍次は眠るように意識を失った。


 憤怒の部屋

 勝者 龍次 時間 10分24秒


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