久々の手合わせ
新キャラ登場
「ふう」
俺はとりあえず一通り倒したので一息ついた。
少し物足りねえな。
俺の周りには不良共が血を吐いたり、骨が折れたりして山のように積み上がっていた。
今までテストだったということもあり、戦っていてかなり体が鈍っていると感じてしまった。
ここら辺の不良が集まっていると聞いていたから少し骨のある奴がいると思ったんだが、期待はずれか。
「ん?」
そんなことを思っていると二階から二つの影が飛び降りてきた。
新手か?
俺はとりあえず構えた。
「よお、久しぶりだな『蒼鬼』」
「おす」
そしたら、懐かしい男子生徒と女子生徒がいた。
「なんだ、お前らここに入学していたのか。海に花純」
俺は構えを解き、懐かしい人物。清江海と舞草花純に話しかけた。
「本当なら、お前もここに来る筈だったんだがな」
「残念。俺はお前より頭はいいんだよ」
「うるせえ。それで、そろそろ本題だが、なんで俺らの高校に喧嘩を売って来たんだ?」
「俺もしたくてしたんじゃないんだよ」
「どういうことだ?」
「いや、最近さ。お前の高校の生徒達がうちの学園のお嬢様とかにちょっかい出してきているからさ、生徒会長が懲らしめてこいと俺に命令してきたんだ」
「それで、俺の高校に喧嘩を売ってきた訳か」
「まあ、そういうこと」
「お前の言い分はわかった。これからはお前の所の学園にちょっかいは出すなと命令しておくよ」
「あ、マジで。それだとすげー助かるよ」
「でもな、俺もここの番長をやっているわけだから、お前を無傷で返すと面子が立たないんだよね」
ん、この流れはもしかして?
俺はとてつもなく嫌な予感がした。
「だから、俺達に勝ったらその命令をだしてもいいぞ」
やっぱり、そうなるのね。
「でも、それだとお前に利益なんてないぞ」
「それがそうでもないんだよな。『蒼鬼』に勝ったってことで名前が売れるんだよね」
「『蒼鬼』か懐かしい名だな」
「で、どうよ?」
「いいぞ。やってやる」
「そんじゃあ、早速。花純!!」
「おう」
花純は海の掛け声と共にスキルを発動させた。
花純の頭に猫耳が生え、次に腰から尻尾が出て、最後に爪が長くなった。
「にゃあー」
花純は鳴いた。
花純のスキルって確か、変身、モデル「猫」だよな。猫はちょっとやっかいなんだよな。
「行くにゃ」
そして、花純が攻撃をしかけてきた。
「にゃ、にゃ、にゃー」
左右からの引っ掻き攻撃、そして、その後、下から引っ掻いてきた。
俺はそれをぎりぎりの所ですべて避けた。
やはり、さっきの奴らでスキルと体力を結構使ったからな、いまいちキレが悪い。
「おりゃあ」
俺はそう思いつつも、花純のお腹に向かって拳を繰り出した。
「にゃっ!」
花純は反応が遅れたみたいで、お腹に当たりそうになった。
「危ねえな」
そしたら、いきなり花純が何かに引っ張られるように後ろに下がった。
「俺の相棒に攻撃が当たる所だった」
後ろに下がった花純は優しく海に抱かれた。
「大丈夫か?花純?」
「うん」
「それじゃあ、そろそろ一緒にやろうか」
「にゃー」
そうして、2人は一斉に俺にかかって来た。
「おらあああああ」
始め、海がとび蹴りをしてきた。
「よっと」
俺はそれを体を捻り避ける。
「隙ありにゃ」
そして、その後。花純が俺が体勢が整っていないまま、爪で攻撃をしてきた。
「ぐっ」
俺は腕でそれを防御した。防御に使った腕は引っ掻かれ傷口から血が流れてきた。
これはまず距離をとらないとな。
そう思い、俺はすぐに行動に移そうとした。
「逃がさないぞ」
が、金縛りに起こったように俺の体が動かなくなった。よくみると体のあちこちに糸が何重にも絡んでいた。さっき、花純を引っ張ったのもこの糸を使ったのだろう。でも
「こんなんで俺を捕まえたと思うなよっ!!」
俺はスキルを使い、全身強化して腕から順に糸を引き千切ろうとした。
「相変わらず、馬鹿力だなこの糸って結構、丈夫にできているんだぞ」
海は苦笑いをしていた。
「でも、まあ、一瞬だけでも蓮斗の動きを止めたのだからよしとしよう」
「それって」
どういう意味だと?俺が言おうとした瞬間、後ろから殺気を感じた。俺は首を動かし、後ろを見た。そしたら、後ろに花純がいて、何故か拳を構えている。
なんかとても嫌な予感。
「猫百裂拳」
花純は俺の背中を殴ってきた。身動きできない俺は当然のごとく殴られた。
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ」
花純はそのまま勢いよく連続で殴って来た。
「ラスト」
そして、最後に俺の脇腹を蹴った。
「があっ」
俺は勢いがついたのかそのまま糸が切れ、飛ばされてそのまま地面に倒れた。
「にゃ」
花純は俺が倒れたことによりガッツポーズをした。
「よくやった。花純」
海は花純に近づき優しく頭を撫でてあげた。
「にゃ~」
「これで、俺達の名前の知名度もあがるな」
「うん」
2人は俺が倒れたことにより、もう勝負が終わったと思っていた。
「あ~、痛かった」
しかし、そんな2人におかいまいなく俺はゆっくり立ち上がった。
「やっぱり、強くなったな。2人供。これは俺もきちんとやらないといけないな」
そして、俺は服の埃を払ないながら言った。
「じゃあ、今度はこっちの番だ!!」
俺はそう言って、一気に突っ込んだ。
「海」
「わかってる」
海は花純に呼ばれて、俺に向けて腕を振って来た。
「よっと」
俺は何も無い筈なのに横に避けた。そしたら、俺の後ろの方にあった壁が切り裂かれた。
「相変わらず。化け物じみた能力だな。普通、俺の鋼糸をいとも簡単に避けられるのかの」
海の能力は蜘蛛の糸と言って、あらゆる所に鋼の糸を設置させたり、飛ばすことができる。
「そりゃあ、どうも」
俺は一気に海に距離を詰めて、殴りかかった。
「海」
そしたら、海を庇うように花純が俺の拳を受け止めた。
「まずはお前か、花純?」
「海はやらせない」
花純は確実に俺に殺意を向けていた。
それを証拠に、的確に俺の眼を狙って引っ掻いてきた。だが、俺はそれをいとも簡単に避け距離をとった。
「やっぱり、先にお前を倒さないと海はやれないか」
「うん」
花純はそのまま頷き突っ込んで来た。
「にゃ」
そして、そのまま俺を殴りかかって来た。でも、俺はまたもやそれを避ける。
「でも、俺はもう飽きちまったんだよ」
そして、そのまま躊躇いなく花純の脇腹にひざ蹴りを放ち、そのまま蹴り飛ばした。
「あと一人」
俺はそう言って海を睨みつけた。
「花純、大丈夫か?」
でも、海はそれを無視して花純に駆け寄り、心配そうに花純を抱きしめていた。
「ごめん。負けちゃった」
「いや、気にすんな。『蒼鬼』相手にここまでやったんだから。いい方だよ
。今はゆっくり休め」
「うん」
海に言われた花純はスキルを解き、人間状態に戻りそのまま寝息を立て始めた。
「一応、言っておくけど、肌に傷をつけないように衝撃だけを花純に当てたからな」
やはり、女性を蹴るのは躊躇いがあるのでそこの所は配慮した。
「それぐらい、わかっているよ。お前がそうゆうの配慮をするのは」
そう言って海は花純を抱き上げたまま立ち上がった。
「それで、まだやるのか?」
「いや、俺達の負けでいい。花純を休ませてあげないといけないしな」
こいつは本当に、第一に花純を優先するよな。
「それじゃあ、約束通りに俺の方の学校の生徒には手を出すなよ」
「ああ、わかった。俺からみんなに言っておくよ」
「そう、それじゃあ、俺は行くからな」
「はいよ。今度暇だったら久々に遊ぼうぜ」
「おう、じゃあな」
「うん。じゃ」
俺はそう言ってこの場から去ろうとした。
「あ、そういえば」
俺はそこであることを思い出した。
「俺達、夏休みに入ったら先輩の別荘に行くんだが、お前達も行かないか?」
そして、首だけを動かしながら聞いた。
「部外者が行ってもいいのか?」
「さあ?でも、お前達は俺の仲間だから大丈夫だろう」
「そう、なら考えとくよ」
「わかった。決めたら連絡くれよ」
「ああ、わかった」
海の頷きを見て、俺はこの場から今度こそ去った。
みなさん、こんにちは。
専学です。
いや~、この頃、就職活動が忙しく、小説が書けなくて大変ですよ。
でも、まだこの小説は続くのでみなさん、最後まで読んでくれると嬉しいです。よろしくお願いします。
感想などがあったら、もっと早く書けると思うのでよろしくお願いします。