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空と地面どっちがいい?

「ん~、面倒だな」

 俺はある高校の校門前で頭をかいていた。

 その高校の名は武装高校。詳しくのことはわからんが一応、共学みたいだ。ここら辺にある不良共が通う高校だそうだ。しかも、ここの九割方は不良で普通の生徒は一割ぐらいしかない。最近、ここの生徒達が巷を騒がしている話は至る所で聞こえてきた。しかし、先生たちは自分の身が可愛いらしく、何も言わないそうだ。

「帰りたいけど、帰ると乃亜が五月蠅いしな。さて、どうしよう?」

 俺は資料を読み終わり、ポケットの中に突っ込んだ。

「なあ、そこのお前」

「ん?」

 俺がこれからどうしようかと考えているとリーゼントやアフロ、ピアスなどいかにも不良ですよという学生服を着た奴らが話しかけてきた。ここからは主な不良共はA,B,Cと表されます。

「お前の制服ってあれでしょ。金持ちとかが通う学校の制服でしょ」

「え、マジで。そんなお坊ちゃんが俺らの高校に何の用?」

「そんなことはどうでもいいよ。それより、僕達、今、お金ないんだよね。君の有り金、全部僕達にくれないかな?」

 A、B、Cは笑いながら話しかけてきた。

 とりあえず、こいつらから始めるかな?

「なあ、空を飛ぶのと地面にキスをするのとどっちがいい?俺的には空を飛ぶのをお勧めするけどね」

 俺はとりあえず質問してみた。

「ああ、何を言っているんだよ!頭、おかしいんじゃねえのか。お前が地面とキスをしろってえの。つか、そんなことよりもさっさと俺らに金を渡せよ!」

 Aはそう言って俺の胸倉を掴んで来た。

「そうか、お前は地面にキスが御所望なのか」

 俺はそう言って、俺の胸倉を掴んでいる手を捻り、そのまま、勢いを付けて地面に顔面から投げ飛ばし。

「なっ」

「いっ」

 BとCは一瞬何が起きたのかわかっていない様子だ。

「それで、お前らはどっちだ。地面?それとも空か?」

 俺は2人を睨みつけながらゆっくりと2人に近づいていこうとする。

「お、おい、早く仲間を呼んで来い!」

 そこでようやくBがことの重大さに気が付いた。

「お、おう」

 Cは言われるがままに行動に移した。

「じゃあ、お前は空な」

 俺はBをさっさと捕まえて投げ飛ばした。

「うぎゃあああああ!!」

 Bはそのまま校舎の向こう側まで飛んでいってしまった。

「んー、力加減間違えたかな?」

 俺は腕を回しながらそんな光景を見ていた。

「おい、こっちだ」

 そしたら、校舎から次々と不良が出てくる。その手には木刀やら釘バットやら危なっかしい物を持ってきている人達もいた。

「ん~、何分かかるかな?」

 俺はそう思いながらその集団に突っ込んでいった。



 一つの空き教室で男子生徒と女子生徒が壁り体重を預けながら寄り添っていた。女子生徒は髪をお気に入りの髪留めでまとめていて、男子生徒は適当に切り揃えた髪に右目に眼帯をしていた。

「なあ、花純」

「何?」

 2人はやることもなく、ただ、ぼけーとしているみたいだ。

「俺と一緒にいて楽しいか?」

「楽しい」

「そうか」

「海ちゃんは花純と一緒にいて楽しい?」

「楽しいよ。つか、花純さえいれば何もいらない」

「本当?」

「うん、本当だ」

「嬉しい」

 女子生徒は微笑んで、男子生徒に抱きついた。男子生徒も嬉しそうに女子生徒の頭を撫でた。

「失礼します!!」

 そしたら、その2人の空間を邪魔するかのように不良が一人入って来た。

「ああ、今忙しい」

 男子生徒は2人っきりの時間を邪魔されて機嫌を悪くしたみたいで、不良を睨みつけた。

「す、すみません。で、でも、緊急事態なんですよ」

「緊急事態?」

 女子生徒は男子生徒に抱きつきながら不思議そうに聞いた。

「はい。風華学園の生徒が乗り込んできました」

「そんなもの部隊の奴らや四天王にやらせろよ」

「そ、それが、部隊はほとんど全滅。四天王もカザさんとミッタさん、イクエさんが倒されました。イトさんも時間の問題です」

「はあ?なんかの冗談ろ?四天王が倒されるなんてそいつは怪物かなんかか?」

「い、いえ、怪物じゃなくてあれは鬼です」

「鬼?そいつの特徴は?」

 男子生徒は鬼と言われてある人物が頭に浮かんできた。

「蒼髪に整った顔立ち、それから目元がつり上がっていて、身長が180㎝くらいです」

「まさかな」

「海ちゃん」

「ん?」

 女子生徒が窓の方を見て、男子生徒を呼んだ。

「蓮斗がいる」

「マジで」

 男子生徒も言われて外を見ると、丁度、蓮斗がイトという大きい男性の頭に踵落としを喰らわした所だ。

「あちゃ~、イトも倒されたか」

「どうするの?」

「そりゃあ、やっぱり行くしかないだろ」

 男子生徒はめんどくさそうに言う。いや、実際にめんどくさいのだ。

「私も行こうか?」

「お前にあれの相手は無理だろ」

「大丈夫。私はあの頃より強くなった。それに」

「それに」

「私と海ちゃんが組めば最強」

 女子高生は男子生徒にVサインした。

「ああ、そうだな。俺とお前が組めば、最強だ。行くぞ。花純」

「うん」

 こうして、男子生徒と女子生徒は窓から外に向けて飛び出した。


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