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どうせ捕まるのはいつものこと

 キーン、コーン、カーン、コーン

 学校で授業終わりの鐘が鳴り響く。

「はい、後ろから集めて来て」

 先生が指示を出すと、後ろの生徒達がテストを集めている。

 今日はテストの最終日であと二週間すれば夏休みに入る。

「レン、どうだった?」

 乃亜は満面の笑みを浮かべて聞いてきた。

「ぼちぼちかな。お前は?」

 俺は筆記用具をしまいながら乃亜に聞いた。

「レンに教えてもらった所も結構出たから、いいと思うよ」

「そっか、がんばったな」

「えへへ」

 俺は乃亜の頭を撫でてあげると乃亜は嬉しそうな顔をした。

「それでこれから、どうする?」

「ん~、そうだね」

 テストは午前中だけなので午後は暇になる。

「久々に街にでも行く?」

「そうだな。ついでに夕食の材料も買うか」

「うん、そうしよう」

 これで今日の午後の予定が決まったな。

「何、2人して街に行くの?」

「ちょうど僕達も行くんだけど一緒に行く?」

 帰り支度を済ませた真衣と大地がやってきた。

「ああ、そうするか。乃亜もそれでいいよな」

「うん。いいよ」

こうして俺達、四人は街に行くことになった。



「なあ、大地」

「何?レン君」

「俺達って金を降ろしにきたんだよな?」

「うん。そうだよ」

「じゃあ、これはどういうことだ?」

 俺と大地は今、銀行に居てロープで胴体を縛られていた。そして、周りでも銀行員や一般人などがロープで胴体を結ばれていた。

 ちなみに、乃亜と真衣は服を見たいということなので先に隣にある服屋に先に行かせた。

 よかった。乃亜達を先に服屋に行かせといて。

「それは、僕達が銀行に訪れた時に、タイミングよく三人の銀行強盗がやってきたからだよ」

「わかりやすい説明をありがとう」

「どういたしまして」

「おい、そこ何を話しているんだ!!」

 そしたら、スキーなどをやる時に使うマスクを被った犯人の一人がこちらに近づいてきた。

「いや、今日の晩御飯なにがいいか友達に聞いていただけだよ」

 俺は適当に答えた。

「ふざけるな」

 その瞬間、俺は頬を蹴られた。

 こいつ、後で絶対泣かす。

 俺は心に決めた。

「おい、どうした」

 そしたら、銃を構えた奴がやって来た。

「なんでもない。ところで金の用意はできたのか?」

「ああ、後は鞄に詰め込むだけだ。お前も手伝え」

「ちっ、早く逃げないと駄目なのによ」

 そう言って、2人は俺達から離れて行った。

「レン君。大丈夫?」

 大地が小さな声で話しかけてきた。

「ああ、大丈夫だ。ところで、大地。何かわかったことは?」

「犯人の中で能力者は2人。一人はさっきレン君を蹴った人で多分、相手の認識をずらす能力だと思う」

 なるほどだから、銀行でこんなに騒いでいるのにも関わらず誰も来ないのか。

「そして、もう一人の方は今、僕と同じ能力の系統だと思う。その事を含めこの手順の悪さは素人だね。他に知りたい事は?」

「作戦は?」

「とりあえず、あの銃を持った奴をどうにかしないといけないよ。人質に銃口を向けられたらやっかいだからね」

「制限時間は?」

「そろそろ、乃亜さん達が不思議不思議がる頃だし、30秒。延長を入れてほしいなら一分。大丈夫?」

「楽勝」

「それじゃあ、いくよ。よ~い、ドン」

 俺は大地の合図と共に筋肉強化で縄を引きちぎった。

 そして、一気に犯人に走りだした。

「なんだ!!」

 先に気が付いたのは銃を持っていた奴。

「でも、遅いっ!!」

「がはっ!!」

 俺はそいつが気が付いた瞬間、首にラリアットをかました。もちろん強化してだ。

 銃を構えた奴はそのまま壁まで吹っ飛び気絶した。

「まず、一人」

「よくも仲間を!!」

 そしたら、いつの間にか後ろにさっき俺を蹴った奴がいた。

 これが認識をずらす能力か。

「おらあっ!!」

 そいつは俺に向って蹴りを放ってきた。

「さっきのお返しだ!!」

 俺はそれをいとも簡単に避け、相手の顎に拳を入れた。

「ガッ!」

 相手はそのまま天井に頭をめり込ませてしまう。

「さて、後一人だな」

 俺は最後の一人を探そうとした。

「動くなっ!」

 その時、最後の一人が隠し持っていた銃を大地に向けて構えて俺に叫んできた。

「動くなよ。動けばお前の友達が死ぬぞ」

「ごめん。レン君」

 大地は俺に謝ってきた。

「いいって、いつものことだし」

「だね」

「お前ら何を言っているんだ?」

 最後の奴は警戒をしながら俺と大地を交互に見た。

「大地、後何秒だ?」

「十秒」

「余裕だな」

 俺と大地は無視して話を続けた。

「おい、おっさん。チャンスをやる」

「チャンスだと?」

「そう、このまま降参するか。俺に倒されんのどっちがいい?」

「ふざけんな!!」

 最後の奴は俺に銃口を向け、撃って来た。

 俺はスキルを使い、それを意図も簡単に避け、最後の奴に近づいて思いっきり殴り飛ばした。

「さて、大地行くか」

「うん、そうだね」

 俺は大地の紐をほどき、何事も無かったかのようにこの場を去った。

 ・・・・・あ、金降ろすの忘れてた。

 そして、すぐに戻ってきた。


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