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勉強教えてください

そろそろ、テストが近くなってきた。

 それは護衛科も同じでテストで頭を悩ましている人がいた。

「蓮斗いる?」

 俺が教室でいつものメンバーと一緒にテストのことを話していると、スバルがやってきた。

「何の用だ?」

 俺達はスバルに視線を向けた。

「蓮斗、勉強教えて!」

 そしたら、スバルは教室に入ってきて言ってきた。

「え?嫌だ」

 なんで、俺がお前に勉強教えないといけないんだよ?

「ひどっ!!」

 スバルはかなりショックを受けていた。

「あんたには困っている人を助ける気持ちはないのか!」

「ない」

 俺は教科書に目を通しながら言った。

「つか、お前。わざわざここに来なくても楓太に教えてもらえばいいだろ」

 つっても、楓太とかの成績は知らないけどね。

「フーちゃんは私と同じレベルだから駄目なんだよ。だから、お願い。あたしに勉強教えてちょうだい」

 スバルはそう言って、俺の手を掴んだ。

 あ、馬鹿野郎。

「何をしているのかな?」

 俺はすぐにスバルの手を解こうとしたら、右隣から冷たい声が聞こえてきた。

「の、乃亜?」

 右隣を見てみると、微笑んでいる筈なのに何故かとても怖いと感じてしまう乃亜がいた。

「なんで、レンはボク以外の女の子と手を繋いでいるのかな?ボクとは一度も繋いでくれないのに、なんで他の子と繋いでいるの?」

 俺はこの時、恐怖を心の奥底から感じた。

「言っとくけど、俺からじゃないぞ」

「まあ、いいからその話も含めてちょっと2人っきりで話そうか?」

「命が惜しい」

「逃がさないよ」

 俺は逃げようとしたがすぐに乃亜に襟を掴まれてしまった。

「さあ、行こうか」

「嫌だあああああ」

 俺はそのまま連れていかれてしまった。

「これってあたしのせい?」

「「うん」」

 スバルが大地と真衣に聞くと2人はすぐに頷いた。


 

 スバルが勉強を教えてくれということもあったので、放課後、楓太も入れて俺の部屋で勉強会をすることになった。

「で、ここに大地が用意した5教科をまとめた簡単なテストがあるから解いてみろ」

 俺はそう言って、スバルと真衣と乃亜と楓太にプリントを渡した。

「なあ、蓮斗。なんで顔に引っ掻き傷があるんだ」

 楓太はプリントを受け取りながら聞いてきた。

「・・・・・ちょっと、大きめな猫に襲われた」

 俺は乃亜を見ながら言った。

「ごめんなさい」

 乃亜は素直に謝ってきた。

「それより、始めるぞ。制限時間は30分。よーい、始め」

 俺の合図と共に、みんなは一斉にテストをやり始めた。

 それから、三十分が経過し、俺はプリントを集め大地と共に丸付けを始めた。

「これはちょっとひどいね」

「よく、学園に入学できたよな」

 俺と大地はそれぞれのテストを見ながら感想を述べた。

「それじゃあ、テストの結果を発表するぞ」

 乃亜 75点。

「まあ、こんなもんか」

 真衣 60点

「赤点ギリギリだね」

 楓太 40点

「何もいうことはありません」

 スバル 10点

「小学生からやり直して来い」

「あたしの人生を否定された」

 みんなはテストを返されてスバル以外それぞれの感想を口にしていた。

「てかさ、なんで蓮斗はテストをやらないの?」

 スバルが文句を言ってきた。

「はい、これレン君のテスト結果」

 大地はスバルにプリントを見せた。

「ん?紅沙花蓮斗95点って、何これ、どんなインチキ使ったの!」

 スバルはその点数を見て驚いていた。

「実力だってーの」

 俺はこれでも勉強ができる方で毎回、いい成績をとっている。

「嘘だ。蓮斗はあたしやフーちゃんと補習組と思っていたのに」

 スバルはかなりショックだったらしい。

「うるせっつうの。そこまで言うなら勉強教えないぞ」

「ああ、すみません。謝りますから勉強を教えてください」

「たく、それじゃあ、大地と俺で効率よく勉強を見ていくぞ。俺は理数系、大地は文系と社会、苦手な方に行け」

「英語はどうする?」

「俺は出来ないから大地よろしく」

「うん、わかった」

「ほら、とりあえず、六時まで勉強するぞ」

「「「「はーい」」」」

 こうして、勉強会が始まった。

それから時間が経ち、六時になった。

「まあ、今日はこんなもんか」

 俺は数学の教科書を閉じながら時間を確認した。

「もう無理」

 スバルは頭から煙を出しながらうつ伏せになっていた。

「さて、俺はこれから晩飯を作るけど、お前ら食べていくか?」

「「「もちろん」」」

「あ、あたしも」

 四人して元気に頷いた。

「あれ?レン、今日の当番はボクだよ」

 乃亜は勉強道具を片付けながら聞いてくる。

「お前も今日は疲れたろ?だから休んでいろ」

「いいよ、レンも勉強教えて疲れていると思うしボクがやるよ」

 たぶん、ここで俺が自分でつくると言えば、ループしそうな感じがするから。

「じゃあ、一緒に作るか」

 俺はよく考えて提案した。

「うん。そうしよう」

 乃亜も嬉しそうにその提案に賛同してくれた。

「それじゃあ、俺達は下で料理作ってくるから30分経ったら降りて来いよ」

「「「「は~い」」」」

「今日は何にしようか?」

「そうだな。昨日は煮物だったし、揚げ物にするか」

 俺と乃亜は四人の返事を聞き、今日の献立を決めながら下に降りて行った。


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