初のチーム戦
「今日は三人一組で組んで障害走をやってもらう。ルールはとにかくゴールを目指せ。タイムを計って順位を決めるからな」
それから数日が経った、午後の授業。目の前にいる先生が今日の授業内容を説明している。
「これはチームワークを鍛えるもので。仲間との連携が必要不可欠になってくる。なお、障害物は魔法科の人達に協力してもらっているから怪我の無いように気をつけろよ。では、チームを組んで作戦を決めてくれ。十分後に始めるからな。では、解散」
先生の指示のもと、みんな生徒達はバラけてしまった。
「さて、誰と組もうかな?」
「蓮斗あたし達と組もうよ」
俺が考えているとスバルと楓太が俺に話しかけてきた。
「ああ、いいぜ」
俺は断る理由がなかったから了承した。
「いや、しかし、このチームって仲間との連携ができんのかな?」
楓太が不思議そうに聞いてきた。
「できんじゃない?あたしが突撃。蓮斗がサポート。フーちゃんが指示」
スバルは勝手に役割を決めて言った。
「俺的には全員が突撃だと思うんだが、気のせいか?」
「俺もそう思う」
俺と楓太は同意見だった。
「じゃあ、こうしよう」
楓太が提案してきた。
「スーちゃんは考えるのが苦手だから突撃はそのままね。それで俺と蓮斗がスーちゃんのサポートをしていく」
「それしかないな」
「あたしもそれでいい」
「あ、もし、大型のモンスターが出てきた場合には蓮斗にチェンジをしてもらうから」
「え~、なんでよ?」
スバルは不満そうに唇を尖らせた。
「速さならスーちゃんの方が早いけど。攻撃力だけに関しては蓮斗の方がこの中では一番強い。蓮斗もそれでいいよね」
「ああ、構わない」
俺は頷いといた。
「それじゃあ、行こう」
楓太が拳を突き出したので。
「「おう」」
俺とスバルは楓太の拳に自分たちの拳を合わせた。
「次、紅沙花蓮斗の班。位置につけ」
「はい」
先生の指示通りに俺達はスタート位置についた。
「それじゃあ、行くぞ。よ~い、ドンっ!」
「行くぞ~!」
スバルはスピードダッシュを掛けた。
「くっ、サポートのことを考えながら走れよ」
俺はスバルを追い掛けながら文句を言う。
「仕方がないよ。あれがスーちゃんだもん」
そしたら、楓太が何かを諦めて言っている様子だった。
「苦労してんだな。お前も」
俺はなんだが、俺と乃亜の事に思えて仕方がなかった。
第一関門 暗闇の洞窟。
「あたしに暗闇なんて関係ないのよ!」
スバルは全身に電気を帯びて周りを照らしながら走って行く。
「いや~、楽だわ」
「壁に当たんなくてもいいし、方角もわからなくならないからね」
そして、俺達は洞窟から行け出した。
第一関門 クリア
第二関門 そり立つ壁。
約五メートルほどの壁。
「蓮斗!」
「わかってる。来い、スバル」
俺はスバルより先に壁に着き、手を組んだ。
「「おりゃあ!」」
スバルは俺の手に乗り、俺の手を上げるタイミングに合わせて跳びはねた。
「あはは、今ぐらいの壁なんて楽勝だよ」
スバルは軽々と壁を乗り越え、楓太もそれに続く。
俺は楓太が垂らしてくれたロープでその壁を登った。
第二関門 クリア
第三関門 崖から崖へ
「ここはオレの番だね。はっ!」
楓太は近くに合った木を、大鎌を取り出し切断した。
「蓮斗!」
「へ~い」
俺はその木を持って、崖から崖へ渡した。
「さて、次に行こう!」
スバルは元気よくその木を渡りだした。
第三関門 クリア。
第四関門 迷路。
「わっ!」
スバルは大きい声を出した。
「どう?蓮斗!」
「一つだけ、声が反射してこない場所が合った」
「じゃあ、そこに向かおう」
俺達は難なく迷路を突破する。
第四関門クリア。
第五関門 敵。
「最後に大きい奴来たな」
俺達の前にメタルゴーレムが立ちふさがる。
「メタルだからあたしは無理だよ」
「それでどうやって倒す?」
俺は楓太に聞いてみた。
「合体技でもやってみる?」
驚きの発言だね。
「合体技?面白そうだねやってみようよ」
スバルは興味深々に言ってきた。
「よしじゃあ、やってみるか。ミコト、セットアップ!」
『は~い』
俺の声と同時にストラップになっていたミコトがハンマーの形になった。
「じゃあ、行くよ」
「はい」
「よし、来い」
楓太とスバルはハンマー型のミコトに自分たちの能力を注いだ。
「うおおおおおおお!」
『うおおおおおおお!』
俺とミコトはそれに耐える。
「いいよ。蓮斗」
「いっちゃえ!」
「おう!」
楓太とスバルの合図で俺はメタルゴーレムの頭上まで跳びはねた。
「三位一体!!楓雷落とし!!」
そして、一気にメタルゴーレムに叩き落とした。
「ぐおおおおおお!」
メタルゴーレムはそれをモロに喰らい倒れてしまった。
「蓮斗!」
そしたら、スバルがいつの間にかハンマーに乗っていたので
「とおりゃああああああ!」
思いっきり、スバルをゴールに向かってフルスイングした。
「ゴオオオオオオオル!!!!」
そしたら、ゴール地点からそんな声が聞こえてきた。
これで今日の授業は終わりだな。
俺はそんなことを思いながらゴール地点を目指した。