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さあ、開幕だ。

「で、ここが誘拐犯の研究所?」

 樹海の中にそれはあった。

「ああ、間違いない」

 俺達四人は研究所の前にいた。

「それで、どこから侵入する?」

「面倒だし、正面からでいいんじゃない?」

「だな」

「じゃあ、いっちょうやりますか。はい、龍次。これを玄関に投げて」

 俺はそう言って、龍次にある物を渡した。

「これは?」

「爆弾」

「・・・・・うわああああ!!!!!」

 龍次は思いっきり研究所の入り口に向けて投げた。

 その瞬間、爆発音が研究所から聞こえてきた。

「んー、玲の見よう見まねで作ってみたけど、火力間違えたかな?」

 俺は玄関口だった物を見て言った。

「殺す気かあああああ!!!」

 龍次に頭を殴られた。

「何すんだよ?」

「それはこっちのセリフだあああああ!」

「はいはい、そんなことより早く入ろうよ」

「そうそう、ケンカはミコトを助けだしてからね」

 俺と龍次が喧嘩を始めようとした瞬間、楓太とスバルに止められた。

「たく、後で。なんか奢れよ」

「わかってるって」

 絶対、奢ってやんねー。

 俺達はそのまま、研究所の中に入った。

 研究所の廊下は一本道でただひたすら進むだけだった。そしたら、ある大広間に出た。

「ようこそ。諸君」

 そしたら、田村が奥の扉にいた。

「お前は村田!」

 俺は叫びながら睨みつけた。

「村田じゃない田村だ!」

 あれ、そうだっけ?

「こいつ、素で間違えたな」

龍次が呆れていた。

「まあいい、どうやらその様子だと。あの化け物を助けに来たみたいだな」

「ああ、そうだ。返してもらおうか?」

「断るよ。あれはもう商品になったからね。それに、返したところで君らをここから返すわけには行かないからね」

「それはどうゆう意味だ?」

「こうゆう意味だよ」

 田村は指を鳴らした。

 その瞬間、俺達の後ろの扉が閉まり、次々と額に水晶を付けた動物達が出てきた。

「さあ、こいつらを葬り去れ」

 田村はそう動物達に指示し、奥の扉に消えていった。

「「「「「ぐおおおおお!!!!!」」」」」

 動物達は一斉に俺達に襲いかかってきた。

「こいつら、全員。魔力生命体か?」

 俺達はそれを避け散らばった。

「それで、どうするの?」

 楓太は動物達の合間をぬって手当たりしだい走って行く。

「こいつら、倒してもキリがないよ」

 スバルは動物達を蹴っている。

「だな。倒しても倒しても立ち上がるし」

 龍次は動物達を斬りつけながら道を開けていく。

「こいつらを無視して、奥の扉に行ってもいいけど。たぶん、こいつらがそれを阻むし、追ってくると思うな」

 さて、どうしよう。

 俺達はとりあえず奥の道を目指して進んでいく。

 そして、大広間の中間ら辺まで来るといつの間にか囲まれていた。

「囲まれたね」

「このままだと持久戦になるな」

「でも、どうするの。早く行かないとミコトが売られちゃうよ」

「こうなったら一人だけ残るしかなくない?」

「「「「「ぐおおおおお」」」」」

 俺達が作戦会議をしていたら、またもや一斉に襲いかかってきた。

「なら、私がその役を引き受けます」

 その瞬間、動物の動きが止まった。いや、正確には止められたと言った方がいい。

「私がこの動物達の相手をいたしますので、皆様はどうぞ奥に進んでください」

 何故なら、いきなり現れた夢が動物達をどこからか出した鎖で全身を押さえていたからである。

「夢!なんで、お前がここにいるんだ?」

「説明は後です。さあ、早く言ってください」

 夢は鎖の先端に付けられた暗器を使い動物達を倒していく。

「わかった。夢、ここは任せた。スバル、道を作れ」

「イエッサー!感電したくないならどいた方がいいよ。一点突破!!雷光波!!」

 スバルが蹴りを放った瞬間、奥の扉まで閃光が通過した。そして、その扉まで一直線上にいた動物達は感電して倒れていた。

「行くぞ!俺に掴まれ!」

 俺は全員が捕まったと思った瞬間、脚力強化し一気に扉まで跳躍し、そのまま扉の奥に入っていた。

「「「「ぐおおおおおおお!!!!」」」」

 それを見た動物達は俺達を追い掛けようとした。

「させません」

 そしたら夢が鎖を使い、扉を破壊して封鎖した。

「あなた達の相手は私です。行きたいなら私を倒してから行ってください」

「「「「「ぐおおおおお!!!!!」」」」」

 動物達は一斉に夢に襲いかかった。

 夢はそれを見て微笑んだ。

「でも、行くのは無理でしょう。なんせあなた達は幻影の鎖に葬り去れるんだから」

 夢VS魔力生命達戦、開幕



 俺達は奥の扉を通ってまた大広間にでた。

「オオオオオオ!!!!!」

 その瞬間、石の拳が襲いかかってきた。

 俺達はそれを避けた。

「ゴーレムか。面白そう。ここはあたしに任せて」

 スバルはその拳を伝って、ゴーレムの頭を蹴る。

「今の内だよ」

 スバルは地面に着地し、俺達に行って来た。

「わかった。スバル死ぬなよ」

 俺達はそのままさらに奥に向かった。

「オレ、オマエラニガスナイワレテイル」

 ゴーレムは追い掛けようとした。

「させないよ!!閃雷!」

 スバルはゴーレムを足払いし、大勢を崩したのを狙って胴体を両手に電気を帯びて壁に突き飛ばした。

「オマエオレノジャマスルナ」

「邪魔するよ。あたしはその為に残ったんだから」

 スバルは構えた。

「ナラオマエヲタオシテカラアイツラオウ」

「やれるもんならやってみろ!!」

「オオオオオ!!」

 ゴーレムは叫びながら拳で殴ってくる。

「遅いよ」

 スバルはそれを避け、また胴体に一撃を入れる。

 スバルVSゴーレム戦、開幕。



「スーちゃん、大丈夫かな?」

「スバルの実力はお前が一番知っているだろ」

「ほら、二人とも話してるな。次の部屋についたぞ」

 楓太、俺、龍次の順番に話しながら走っていると、次の部屋にたどり着いた。

「誰もいない?」

 龍次は周りを見回す。

「龍次さん。危ない!」

 楓太は龍次を庇いながら横に跳ねた。その瞬間、龍次が立っていた場所に穴が開いた。

「な、なんだ?」

 龍次は驚いていた。

「ケケケ、ハズレタ。ハズレタ」

 そしたら、上から翼を羽ばたかせながらコウモリみたいなカメレオンが降りてきた。

「ツギハアテル。ゼッタイアテル」

 そして、また姿を消した。

「また、姿を消した」

 くそ、気配が読み辛いな。

「蓮斗。龍次さん。奴はたぶんコウモリとカメレオンのキメラだ。そして、超音波で攻撃してくるから。ここはオレがやるよ」

「わかった。行くぞ龍次」

「あいよ。楓太、死ぬなよ」

 俺達は楓太を残し、次の部屋に向かった。

「ケケケ、ニガスカ」

「させないよ」

 楓太は見えていない筈なのに、キメラを地面に叩き込んだ。

「お前の相手はオレだ」

「ケケ、オマエタオシテカラオイカケテヤル」

「やれるもんならやってみろ!」

 楓太は魔法石を取り出し、それを大鎌を変えて構えた。

 楓太VSキメラ戦 開幕。



「みんな。バラバラになったな」

「大丈夫。あいつらは実力があるから死なないさ」

「それもそうか。お、次の部屋に着いたな」

 俺と龍次は次の部屋の中に入ってくる。

「ゴオオオオオ!!!」

 そしたら、ドラゴンが雄叫びを上げて俺達を見てきた。

「あ、俺らの家を襲ったドラゴン」

「そうか。こいつか、なら蓮斗。お前は行け。俺はこいつの相手をするよ」

「わかった。任せたぞ。龍次」

「あいよ」

 俺は龍次を残し、次の部屋に向かった。

「さて、いっちょやるか」

 龍次は俺を見送った後、刀を抜いた。

「ゴオオオオオ!!!」

 そしたら、ドラゴンが龍次に向けて突進してくる。

「おらっ!」

 龍次はそれを避け、腹を一回斬りつける。

「く、固い」

 しかし、すぐに跳ね返ってしまった。

「ゴオオオオ!!」

 ドラゴンはまた吠えた。

「ちっ、こりゃあ骨が折れるな」

 龍次はそう言いながら刀を構えた。

 龍次VSドラゴン戦 開幕。



「はあ、はあ、着いた」

 俺は最深部と思われる部屋に着いた。

「みんなの為にも、早くミコトを助けよう」

 俺はそう思いながら部屋の中に入って行った。

 部屋の中は暗かった。

 俺は罠と思いつつも、部屋の中を進んでいく。

「まさか、ここまでくると思わなかったよ」

 そしたら、田村の声が聞こえてきた。

「どこだ田村?」

 俺は気配を探索したが。どうやらこの部屋の中にはいないようだ。

「私はその部屋にいないんだからそんなに殺気立たないでよ」

「単刀直入だ。ミコトはどこだ?」

「その部屋にいるよ。でもね」

 その瞬間、部屋の電気が付いた。

 ま、眩しい。

「君のことは覚えていないと思うよ」

 そして田村のセリフを聞いた瞬間、俺は吹っ飛ばされた。

「な、なんだ?」

 俺は壁にぶつかりながら、それを確認した。

 それは、青い毛並みで、額には水晶が付いており、背中には羽が生えていた。

 俺はそれを知っている。

 でも、それとは異なり、俺よりでかく、体が大きく敵意をむき出して睨みつけてくる。

「ミコト!!!」

 そう、それはミコトだった。

「さあ、殺し合ってくれたまえ。あはははははははは」

 部屋の中に田村の笑い声が響いた。

 蓮斗VSミコト戦 開幕。


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