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頼む!!力を貸してくれ!!!

久々の更新です。

「くそ、この化け物め。噛みつきやがって」

 田村は台に押さえつけられている自分を見ながらそう言ってくる。

「まあいい。失敗作と思っていたがこれはとんだ拾い物だ」

 田村はそう言って、注射器に薬を投入した。

『自分をどうする気だ?』

 自分は田中を睨みつける。

「んー?そりゃあ、もちろん。生物兵器にしてどっかの国に売るよ」

『自分はそんなことをしない』

「なにか、勘違いしていない?しないんじゃない。させるんだよ」

 田村はそう言って、自分に近づいてくる。

「その為にはその不必要な感情を抜き取らないといけないけどね」

 そして、自分の腕にそれを刺した。

『止めろ!止めろ!止めろおおおおお!!!!!』

「それじゃあ、おやすみ。ミ・コ・ト」

 自分はその瞬間意識が無くなった。



「しかし、これは酷いね」

 大地はリビングの様子を見て、感想を言ってくる。

「だな。これはさすがにやりすぎだ」

 龍次は割れた窓を見ながら言ってくる。

「うん。あたしでもここまで強引にはやらないよ」

 スバルは壁に寄りかかりる。

「・・・・・」

 楓太は沈黙のまま胡坐をかいてソファーに座っていた。

「・・・・・」

 そして、俺も沈黙のまま黙って汚れた横になって目をつぶっていた。

「大地君」

 そうしていると真衣がリビングに入ってきた。

「あっ、真衣さん。乃亜さんの様子は?」

「今は落ち着いて眠っている。たぶん、泣き疲れたんでしょ。そっちは?」

 乃亜はミコトが連れ去られた後、大声を上げながら泣きまくった。そして、大地に連絡をし、真衣に来てもらって乃亜を頼んだ。そして、俺らは大地の連絡によって集合してくれた龍次達にこの場で起こったことを説明し、横になって目を瞑った。

「僕らに説明して、眠ったまま」

「そっか」

 真衣の心配するような声が聞こえてくる。

「真衣。乃亜の側にいてくれ。たぶん、起きたらまた泣くと思うから」

 俺は目を開け、立ち上がった。

「あ、うん、わかった。あ、それと、これ乃亜ちゃんが眠る前に書いて、蓮斗に渡してって頼まれた奴」

 真衣は俺にメモを渡して乃亜の方に行ってくれた。

 メモにはこう書かれていた。

《ボクが起きる頃にはいつもの風景だよね?家が元通りになっていて、玲ちゃんがいて、レンがいて。そしてミコトがいる。家族全員が仲良く笑っている風景だよね?だから、レン。ミコトを必ず助けて頂戴。あの子は化け物でもないボクらの大切な家族の一員だよ》

 俺はそれを読んで、頬から暖かい物が流れてくるのを感じた。

「レン君。拭いた方がいいよ」

 大地はそう言って、俺にハンカチを渡してくれる。

「サンキュ」

 俺はそれを受け取り、頬を拭いた。

「それで、蓮斗。これからどうするんだ?」

 龍次はみんなを代表してきた。

「そんなの決まってら。奪わられたら奪い返すまでだ。ミコトを助けに行く。だから、みんな俺に手を貸してくれ!!」

俺はみんなに頭を下げお願いした。

「さて、俺はドラゴン退治にでも行くか」

 龍次は魔法石を刀に変え、立ち上がる。

「あたしは走ってこよう」

 スバルは魔法石をローラースケートに変え、装着し準備運動する。

「風はいろんな方向に自由に吹きまくる。でも、たまには同じ方向に吹きまくってもいいかもね」

 今まで、沈黙を続けていた楓太は笑う。

「みんな、ありがとう」

「レン君。はい、これ」

 大地はそう言って俺に封筒を渡してきた。

「これは?」

「魔王の城の地図」

「マジ?」

「マジ」

 よく、こんな短期間で調べたな。

「僕の能力を忘れていない」

 そういや、忘れていた。

「え、大っちも能力使うの?」

 スバルは素で驚いていた。

「あ、まだスバルには言ってなかったけ?僕の能力は簡単に言えば情報力」

「情報力?」

 スバルは頭をひねる。

「要するに、大地は色んな物を見たり、触ったりするだけで、すぐに必要な情報を入手することができて、そして入手した情報をずっと覚えている事が出来るってわけ」

 俺が大地から貰った資料を見ながら代わりに答えた。

「え、それって教科書を一回読むだけで教科書の内容をすぐに覚えるってこと?」

「簡単に言えばそうだね」

 大地は苦笑いをした。

「ずるい。そんなの勉強しなくても百点取れるじゃん。あたし、何ていつも赤点なんだよ」

「「「それは、お前が勉強しなかっただけだろ」」」

 俺、龍次、楓太が同じセリフを言った。

「ひ、ひどい」

 スバルは落ち込むしかなかった。

「言っとくけど、大地は特殊科だからテストは別のやり方で受けているんだぞ」

「え、そうなの?」

「うん。出題される内容を何分で引き出すとか、文章を決められた時間までに暗記して書き写せるとかをやるんだよ」

「スーちゃんには絶対解けない内容だね」

「う、うるさい」

 は~、この集団は今から敵地に乗り込むというのに気楽でいいな。

「おし、覚えた。大地サンキュ」

 俺は大地に資料を渡した。

「いいんだよ。僕ができるのはここまでなんだから。それじゃあ、僕は業者さんに頼んでリビングの修理でもするかな」

 大地はそう言って、携帯を操作しあるところに電話した。

「大地。後は頼んだぞ」

「うん、頼まれた」

 大地と俺は拳同士を合わせた。

「さて、それじゃあ、ミコトを取り返しに行くぞ!」

「「「おー!!」」」

 そして、俺、龍次、楓太、スバルはミコトを取り返しに向かった。

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