話より飯の方が大事
昼休みの教室。
「お願いします。紅沙花蓮斗君、私を助けてください」
「はい?」
いつものメンバー(俺、乃亜、大地、真衣)で昼食を食べようとしたら、女子生徒がやってきた突然言ってきた。
「えっと、とりあえず名前を聞かせてくれないかな?」
大地がメンバーを代表して、聞いてくれた。
「あ、すみません。私は普通科の壱草桃と言います。学年は二年生です」
二年ということは先輩か。
「それで、なんで壱草先輩はレンに助けを求めたの?」
「えっと、実は最近、私達の学年で困ったことがあったら一年の紅沙花蓮斗に相談すればいいという噂が流れていまして」
「おし、その噂を流した奴を苛めて来よう」
誰だよ、根も葉もない噂を流した奴は。
俺は立ち上がり早速探しに行こうとした。
「ダメだよ。レン」
しかし、乃亜に腕を掴まれ止められてしまった。
「なんでだよ?」
「レンは今からボクの作ったお弁当を食べないといけないから」
どんな理由だよ?
「でも」
「レンはボクがせっかく早起きして作った弁当を食べてくれないんだ?」
おれが反論しようとしたら、先に乃亜に言われてしまった。しかも、涙目で。
「すみません。食べさせて頂きます。だからお願い。涙目にならないでください」
俺は諦めて席についた。
「そう、それじゃあ。はい、どうぞ」
「いただきます」
俺は乃亜から弁当を受け取り食べ始めた。
「え、えっと、それで話の続きはいいかな?」
「あ、はい。すみませんどうぞ」
大地は桃に笑顔を向けながら言った。
「それで、紅沙花君は私を助けてくれますか?」
桃は遠慮しながら俺に聞いてきた。
「ん?助けると言ってもどんな内容かわからないと助けようがないだろ」
俺は乃亜の弁当を食べながら言った。
「レン。おいしい?」
「ん。うまい」
「えへへ、よかった」
乃亜は俺がおいしいと言ったせいか嬉しがっていた。
「え~と」
桃はその光景を見ながら戸惑っていた。
「すみません。話しなら僕に聞かせてください」
大地が俺の代理で話を聞くことになった。
大地すまんな。
「あ、わかりました。実は」
桃はそう言って話し始めた。
話の内容は簡潔にすると、最近ストーカーに付き纏われているようだ。一人で帰っている時に、自分しかいない筈なのに後ろか足音が聞こえてきたり、玄関ポストに変な手紙が入って、それを読んでみると、自分の事が好きだという文章がたくさん書いていたり、手紙と一緒に入っていた合成されたと思われる写真には自分のウエディング姿が写っていたりした。特に聞いて一番酷いと思ったのは、最近、自分の身の回りの物が無くなっているそうだ。紛失した物は文房具から始まり、化粧品、体操着、そして下着だそうだ。
「最初の頃はすぐ飽きると思っていたんだすけど、最近段々とエスカレートしていって、いつも私のことを覗いているんだと思ってしまい、怖くて夜も眠れません。そしたら、紅沙花君のことを聞いたので来ました。お願いします私を助けてください」
桃はお辞儀をしながら俺にお願いしてきた。
「だ、そうだよ。レン君。どうすんの」
「ん~、断る」
「お前は鬼か!」
乃亜が作った弁当を食べ終わった俺に大地が聞いてきたので、そう答えると真衣に後頭部を思いっきり叩かれた。
「何すんだよ。真衣?」
俺は後頭部を押さえながら真衣を睨みつけた。
「うっさい、女の子がストーカーで困っているんだよ。助けてあげなよ」
真衣も俺に負けじと睨んできた。
「助けろって言われてもな。犯人が誰だかわからないと出来ないからな」
「だったら、おびき出せばいいんだよ」
大地がそう言って提案してきた。
「おびき出すってどうやって?」
「そんなの簡単だよ。今日、先輩と一緒に腕を組みながら帰ればいいんだよ」
「お前は俺に死ねと?」
普通、乃亜の前でそれを言うか?ほら、乃亜から黒いオーラがにじみ出て来ているよ。
「レン?わかっているよね。ボク以外の女の子と手を組んだらどうなるかってことぐらい」
乃亜はそう言って微笑んで来た。
怖い。微笑んでいるのに怖いよ。
「ん~、じゃあ、一緒に下校するだけはどうかな。後ろで僕らも隠れながら後を付けるからさ。それだったらいいでしょ、乃亜さん」
「む、それならいいけど」
乃亜はまだ納得がいかないようだ。
「乃亜さんちょっと耳を貸して」
大地はそう言って、乃亜と内緒話を始めた、
「わかった。協力してあげる」
乃亜はすぐに了承してくれた。
「ありがとう」
「おい、大地。どんな手を使った?」
あの乃亜が簡単に了承する訳がない。
「ん、別にただこの件が終わったら、良いことあるよって言っただけだよ」
絶対嘘だよな。それ。俺はさっきから嫌な予感しかしないんだけどな。
「さあ、レン。何をしているの。早くストーカーを捕まえなさい。そして、早く家に帰って。子作」
「あほおおおおおっ!」
乃亜がみんながいるのにとんでもな発言をしそうだったので、真衣がすかさず止めた。
「そうゆうことか」
俺はそれで納得した。
「それで、レン君は協力してくれるの?」
「お願いします」
桃はまたお辞儀をしながら頼んできた。
「はあ、わかったよ」
俺はもう諦めて協力することにした。
「ありがとうございます」
桃は嬉しそうにお礼を言ってきた。
「ただし、お礼はきちんとしてもらうぞ」
そうしないと、割が合わない。
こうして、今日の放課後の予定が決まった。