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誕生日の夜に 中編

「れ・・・・ま・・・お・・き・・・い」

 遠くから誰かが呼ぶ声が聞こえてくる。

「蓮斗様。いい加減に起きてください!」

「ぐほ」

 と叫び声と共に何かにお腹を潰されてしまった。

「ごほ、げほ、な、なんだ」

 俺が腹の痛みに耐えながら目を開けると、そこには夢が立っていた。

「てめーは、暴力メイド」

「暴力メイドではありません夢です。いい加減名前を覚えてください。そんなことより。何故、あなたがこんなところで寝ているのか説明をしてください」

「説明?」

 つか、なんで俺は庭などで寝ころんでいるんだ?確か、乃亜と一緒にパーティーに参加していたはずじゃ。・・・・・!

「ヤバイ、早く乃亜を助けに行かないと」

 俺は上半身だけを起こした。

「助けですか?」

「ああ、そうだ」

 俺は夢に今までの事を話した。

つか、俺、胸を撃たれた筈なんだけど。なんで生きているんだ?

 俺は胸部分を見てみると、バッチに弾がめり込んでいた。

 これのおかげで助かったのか。

「では、早く助けにいきましょう」

 夢はやる気満々だった。

 いや、てか。

「お前も行くのか?」

「不満でしょうか?蓮斗様は私の実力を知っているはずですよ」

 確かに、夢は俺を気絶させたからな。

「わかった。ただし、条件がある」

「条件?」

「無理だけはするな。危険と思ったらすぐに逃げろ」

「何故ですか?」

「お前を心配する奴がいるからだ」

「それはあなたもじゃないんですか?」

「いいんだよ、俺は」

 危険なことは慣れてるし、それに俺の能力のこともあるしな。

「何故ですか?」

「後になったらわかる。ほら、そんなことよりさっさと行くぞ」

 夢はなにか納得していなかったけど渋々ついてきた。

「それで、どうするんですか?」

「そりゃあ、もちろん。正面突破。そんで、お前にはまず人質を解放してもらう。俺は乃亜の所に行ってくる」

 シンプルで一番、簡単だ。

「お嬢様も、人質と一緒にいるんでは?」

「いや、それはない」

「何故ですか?」

「主犯格の奴は乃亜を自分の嫁にしようとしているんだから、手荒なマネをしたくない。だから、乃亜だけはどこかの部屋に隔離されていると思うんだ」

「わかりました。それで入り口に見張りがいますけどどうするんですか?」

 確かに言われて気がついたか、入り口に2人ほど銃を持った兵隊がいる。

「そんなの、これで充分だろ」

 俺はそう言って、青年たちの前にボールを投げた。

 その瞬間、ボールから煙が吹き出し、煙に包まれた兵隊たちはあっという間に倒れてしまった。

「・・・・・何をしたんですか?」

「俺の妹特製睡眠爆弾」

 学習しないくせに、武器関係を作るのはうまいんだから。

「さて、突入するか。あ、お前は俺が合図を出した瞬間、入ってこいよ」

 俺はそう言って、兵隊達の銃を奪い、適当な柱に縛り付け、扉を開けた。

「何者だ!」

 そしたら、何人もの兵隊がこちらを見て、銃を構えた。

「ただの護衛だよ」

 俺はそう言って、また床にボールを叩きつける。

 その瞬間、辺り一面光が走った。

「今だ!」

 俺が合図を出した瞬間、夢が中に入ってきて、兵隊達を一気に倒してしまった。

「おし、それじゃあ、さっきの打ち合わせ通りに頼むな」

「わかりました。それでは蓮斗様もご武運を」

 夢はそう言って、その場からさっさといなくなった。

「さてと」

 俺はとりあえず近場にいた兵隊を起こし。

「おい、乃亜はどこにいる?」

 乃亜の居場所を聞いた。

「あ、あのツインテールなら、坊ちゃんと一緒にこの建物の一番奥に」

 兵隊は素直に居場所を教えてくれた。

「ありがとう」

 俺はそう言って、急いで奥の部屋に向かった。もちろん、答えてくれた奴は気絶させてやった。



「そろそろ、答えてくれないかな?」

「何回も言うように、ボクはあなたの嫁になりません」

 青年とボクは向かい合って、話し合っていた。

 いや、正確に言えば、ボクは手錠を嵌められベッドに繋がられている。

「君は今の状況をわかっているの?君は今、ここにいる全員の命を預かっているんだよ。君が私と婚約してくれればここにいる全員の命を助けてあげよう」

「それは、レンの命でということじゃないの?」

「あれは嘘だよ。私はね、欲しい物があれば何を使っても手にいれるんだよ。あの凶暴そうな少年も、君の為なら死ねると思ったからああ言ったまでだよ」

「最低よくも、ボクのレンを」

 ボクは、眼に涙を浮かべて青年を睨みつけた。

「いいね。その赤く煌めく眼がとてもいい。さすが私が見惚れるほどの目だ」

 青年はボクの両頬を片手で掴んだ。

 触らないで、ボクに触れていいのはレンだけなんだから。

「どれ、そろそろ私のだという印でもつけるかな?」

 青年は息を荒くしながらボクにどんどんと顔を近づけていく。

 やだ、息がかかる。

「い、いや」

 乃亜は逃げようとしたが、手錠をはめられ、鎖に繋がっていたので逃げることができなかった。

「無駄だよ。逃げることなんてできない。今日から君は私の物だ」

 青年の空いている手がボクのドレスをビリっという音と共に破り捨てた。

「レエエエエエエン。助けてよおおおおお!」

 ボクは悪あがきだと思いながらも叫んだ。

「無駄だよ。彼は死んだんだ。ここに来るわけ」

「誰が死んだって?」

 青年の声を遮るように、ボクの大切な人、紅沙花蓮斗が入ってきた。蓮斗の体のあちこちかすり傷などがある。

 来てくれた、傷だらけになりながらも来てくれた。

 ボクは今にも泣きそうになった。

「き、君は死んだんじゃないのか?」

「勝手に殺すな。つか、人の大切な人に何をしているんだっ!」

 そう言って、蓮斗は青年に一気に距離を詰め、蹴り飛ばした。


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