お礼はまた後日
人物紹介
天川水姫
女、七月二十日産まれ、十六歳
身長 159㎝ 体重 秘密
特徴、金髪のロングヘアー
好きな物 花
嫌いな物 チャラ男
偶然、蓮斗が街で助けた女性。学園の理事長の孫らしい。
五十嵐龍次
男、十一月十一日、十六歳
身長 175㎝ 体重 75㎏
特徴、ギザギザ頭に刀
好きな物 剣の稽古
嫌いな物 水姫に悪影響をもたらす者
蓮斗とは中学の頃の先輩後輩の関係。でも、実際はケンカ仲間で中学の頃は最強コンビと言われ、当時の中学の不良どもを壊滅状態に追い込んだ。
「う~ん、どうするかな」
俺は商店街を一人で歩いていた。
いつもは、乃亜と帰宅するのだが今日は個人的な用が合ったので、乃亜を大地達と一緒に帰らせた。
ヤッパリ、人形がいいのか?それともアクセサリーの方がいいのかな?
個人的な用事はずばり乃亜の誕生日プレゼントを買う為だ。
「止めなさい。私を誰だと思っての?ワタクシは天川財閥のご令嬢、天川水姫と知っての行為ですか?」
俺がそんなことを考えていると、突然、叫び声が聞こえてきた。
「ん?」
俺は聞こえてきた方を見てみると、そこには天川水姫と名乗るきちんと手入れが行きとどいた長い金髪の髪の女子生徒と色々なところに何個もピアスみたいなのを付けている男性とモヒカンの男性がいた。(これからこの男性達の呼称はピアスとモヒカンにしよう)
「え、てことはお譲ちゃんは金持ちってこと?」
「ラッキー。これで一生遊べるじゃん」
ピアスとモヒカンは嬉しがっていた。
「ど、どういうことですの?」
水姫はいまいち、よくわかっていなかった。
「つまり、今からお前を俺らが誘拐して身代金をがっぽり稼いちゃうってこと」
「俺達、あったまいい」
いや、バラシテいる時点で頭がいいとは限らないから。
「まあ、そういうことだから。俺達に付いてきてくれもらうよ」
「抵抗するなよ。間違って顔面を殴るかもしんね~からな」
ピアスとモヒカンは水姫に詰め寄って行く。
「い、いや~!」
水姫は大声で叫び抵抗をしようとした。
「だから、暴れるなって!」
モヒカンは水姫の顔面を殴りかかろうとした。
「あー、面倒だな」
「ぐは」
モヒカンは水姫を殴る前に顔面を俺に蹴られた。モヒカンはそのまま気絶してしまった。
弱っ!
「あ、あなたは?」
水姫は驚きながらいきなり目の前に現れた俺に話しかけてきた。
「ただの一般生徒」
俺は説明が面倒なのでそう言っといた。
「ふざけんな!」
ピアスが突然、殴りつけてきた。
「なあ、知っているか?ピアスって結構、痛いんだよ」
俺はそう言って、拳を避け、ピアスの耳に付いている大きなピアスを引きちぎった。
「ぎゃああああああ!」
ピアスは耳に激痛が入り悲鳴を上げながら、耳を押さえた。押さえた耳からは血がどんどんと流れてピアスの手を赤く染まっていく。
「うるさい」
そして、俺は止めとばかりにピアスの腹を蹴り飛ばした。
ピアスはそのまま倒れてしまい気絶してしまった。
「あ、これ返しとく」
俺はそう言って、引き違った血塗れのピアスをピアスの口の中にねじ込んでおいた。
「お、終わったんですの?」
水姫は安心し声を掛けてきた。
「ああ、終わったよ。それじゃあ、俺はこれで行くからな。もう、絡まれるなよ」
俺はそう言って、歩き出しその場を去った。
さて、また、プレゼント探しをしないとな。
「ちょっと、お待ちになりなさい」
そしたら、水姫に呼び止められてしまった。
「何?俺、忙しいんだけど?」
「あなたは、このワタクシ、天川水姫にお礼も言わせないでどこかに行く気なんですの?」
「お礼?ああ、いいよ。ただ、同じ学校ってだけで助けただけだし」
「そうはいきませんわ。あなたが良くても、私の気が納まりませんわ」
「なら、また今度にしてくれ。さっきも言ったとおりに俺は今忙しいんだ」
「いいですわ。見た所、同じ学園みたいですし、今度会ったらお礼をさせていただきます。それで名前はなんて言うのですの?」
「一年護衛科紅沙花蓮斗」
俺は簡潔に自己紹介をした。
「私は天川水姫。嬢育科の同じく一年ですわ」
「そう、それじゃあ、天川。また、学園で」
「はい、それでは、ごきげんよう」
俺は水姫に挨拶をしてその場を去った。
「ヒメ。こんなところにいましたか」
そしたら、一人の男子生徒がやってきた。
「あら、龍次。よく、ワタクシがこんな所にいるのがわかりましたね」
水姫は嬉しそうにいって、五十嵐龍次に話しかけた。
「それはヒメがここに来なさいと指示したからでしょ」
龍次は呆れていた。
「そうでしたっけ?」
「そうですよ。所で、姫、この人たちはどうしたんですか?」
「ああ、それは。ワタクシに絡んで来た不届き者よ。それと二人っきりの時は敬語は止めなさいと言いましたわよね。」
「失礼。それで、これはヒメが倒したのか?」
龍次はそう言って、モヒカンに蹴りを入れた。
「まさか。ワタクシが絡まれている時に、紅沙花蓮斗という男子生徒が助けてくれました」
「紅沙花蓮斗って、あの蓮斗か?」
「あら、知っているのですか?」
「知っているも何も、俺はあいつと知り合いだし。俺がもっとも敵に回したくない奴だよ」
「あら、珍しいわね。学園実力一位、二位を争うあなたが怯えるなんて」
「それだけ、あいつは恐ろしいんだよ」
龍次は苦笑いをした。
「へえ、それは興味深いわね。あなたにそう言わすなんて。ワタクシの護衛にしてみたいわね。そうしたら、あなたと一緒に二枚看板で注目されるの間違いなしですわ」
水姫は怪しい笑みを浮かべた。
「言っとくが、紅沙花蓮斗にはもう護衛対象がいるよ」
「誰ですの?」
「透咲乃亜」
「ああ、あの子か、なら仕方がないわね。ワタクシもあの子だけには敵に回したくありませんもん」
「妥当の判断だと思うよ。ところで、今日はなんでこんな所に俺を呼んだんだ?」
「それはデートをする為です」
水姫は堂々と言った。
「熱でもあるのか?」
龍次はそう言って、自分の手を水姫のおでこに当てた。
「ないわよ!いいじゃない、恋人同士なんだから。ほら、さっさと行くわよ」
水姫は顔を赤くしながらそう言って、龍次の腕を取り歩きだした。