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パートナーはやっぱりあいつになる

「え~、五日後にGWの予定だが。護衛科は試験をします」

「「「「「え~」」」」」

 護衛科の連中は一斉に大声をだした。

 今は午後の授業で、科ごとに分かれて授業している。

「はい。文句を言わない。これは毎年行われている物だから決定事項なんだ」

 先生は予想が付いていたみたいで、生徒の対応も早かった。

「先生。それで試験はどういった内容なんですか?」

 一人の生徒が質問した。

「なあに、試験内容は簡単な物だ。GW中に自分が決めたパートナーを護衛するだけでいい」

 あ、それは本当に簡単だな。

「パートナーは今日から一週間いないにお前達で勝手に決めてくれ。それで、パートナーになってくれる人がいたら先生のところに来て書類にサインしてもらう。それと、パートナーは同じ人がかぶっては駄目だからな。被った場合は、パートナーに選ばせろ。パートナーがいなかった人はこの試験を受けれなくて成績に響くからな。え~と、後は。ああ、そうだ。忘れていた。これが一番大事でパートナーになってくれる人がいたらその人からパートナーカードを貰っておくこと。これは本人確認の為にも必要なものだからな。覚えておくように。質問はあるか?」

 先生は周りを見回した。

「試験結果はどうやって調べるんですか?」

「試験結果は護衛してもらったパートナーに評価してもらう。他にいるか。・・・・・いないようだから今日はここまでにする。係り、挨拶」

「はい、きよつけ。ありがとうございました」

「「「「「ありがとうございました」」」」」

 さて、今日の授業も終わったことだし教室に戻るかな。パートナーはまあ、たぶん乃亜が自ら立候補すると思うから戻ってから聞いてみるか。でも、たぶん囲まれているんだろうな。

 教室に戻ってみると俺の予想通りに、護衛科の生徒達に囲まれていました。

「透咲さん、俺のパートナーになってください」

「いや、俺に透咲さんを守らせてください」

「いやいや、ここは僕が代表して、透咲さんを責任持って護らせていただきます」

「ごめんなさい」

 乃亜の一言によって乃亜を囲んでいた護衛科の生徒達は撃沈した。

「あ、レン」

 乃亜は俺に気が付き、近づいてきた。

「乃亜、話を聞いていると思うからパートナーカードくれ」

 俺は手を差し出した。

「はい」

 乃亜がすんなりと自分のカードを渡してくれた。

「サンキュー」

「「「「「ふざけんなあああああ!!!!!」」」」」

 俺がそれをすんなり受け取ると護衛科の生徒達が叫んできた。

「なんで、お前が透咲さんからカードを貰えんだよ」

「俺らがさっきからお願いして断られていんのに不公平だろ」

次々と俺にむけて文句を言ってきた。

「不公平つうか、乃亜が俺に決めたんだから文句を言うなら乃亜に言え」

「あ、ひどい。ボクに責任を押し付ける」

 乃亜が頬を膨らませて俺の腕を叩いてくる。

 これ結構痛いんだよな。

「透咲さん、なんでこいつを選ぶんですか?」

「そうだよ。こんな奴より俺たちの方が実力はあるんだよ」

 こいつらの言葉はもっともだ、何故なら俺は授業中きちんとやっていないからである。

「だって、それはレンが本気でやっていないだもん」

「なっ」

 さすがは、幼馴染。俺の事情を勝手にばらしてくれる。

「そ、そういえば紅沙花はあの佐々木先輩を倒したんだったよな」

 佐々木って誰だっけ?

「そ、それに今まで透咲さんを自分の者にする為に、紅沙花に襲いかかった奴は全員返り討ちにあったらしいぞ」

「で、でも、それは紅沙花よりそいつらの方が弱いんじゃないのか?」

「だったら確かめようぜ」

「ああ、そうしよう」

 ん、なんか嫌な予感がしてきたな。

「「「「「紅沙花、覚悟!!!!!」」」」」

 そう言って、護衛科の生徒達が襲いかかって来た。

 やっぱりこうなるのね。

 俺は乃亜を俺の後ろに庇いながら、そいつらに立ち向かった。

 ・・・・・十分後。

「さて、帰るか」

 さすが、鍛えているだけあって全員倒すのに時間がかかったな。

「うん」

 乃亜は嬉しそうに腕にくっついてくる。

「歩きにくいから離れろ」

 俺は腕を離そうとした。

「嫌だよ~」

 しかし、乃亜ががっしりと掴んでいたので離せなかった。この小さい体のどこにこんな力があるんだろう?

「ねえ、レン。GWが楽しみだね」

「なんで?」

「ずっと、レンがボクの側にいてくれるから」

 乃亜は顔がニヤけて言ってきた。

 ・・・・・パートナーにすんの止めようかな?

 俺は本気で、乃亜のニヤけ面を見ながら自分の身の危険を感じていた。


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