何がダメだったのでしょうか
「ルクリア・スコティッシュ貴方との婚約は破棄させていただく!」
王城の廊下に響き渡る王太子の声が
輝く黄金の髪の公爵令嬢ルクリアは
「承りました」
と深く頭を下げ
「王太子さま婚約破棄は勿論、王太子さまからということ
巷で噂になっておりますイキシア・モルダナ様とご婚約を結ばれるためですの?
王太子さまの婚約者としての最後の質問としてお答え頂けませんか?」
王太子は顔を顰めながら
「その通りだ。慰謝料も迷惑料もスコティッシュ公爵の言い値で払う。
そなたの顔も見たくない。去れ!」
「温情をありがとうございます。
幼き頃よりこのときまでありがとうございました。
王太子様とイキシアのこれよりが輝かしいことをお慶び申し上げます。
御前失礼致します。」
王城を後にしようと歩いていると
「ルクリア嬢!待って!」
第二王子が走りながら追いかけてきた
「カーフィル王子さま 如何なさいました?」
「先程、ディル兄上と婚約破棄されたのですか?」
「もうご存知なのですか?」
ルクリアは大きな瞳を更に大きくして驚いていると
「ルクリア・スコティッシュ嬢、私の伴侶となり、私を支えて下さい。」
第二王子とはいえ王子からの求婚により第二王子の婚約者となることになった。
王太子の婚約者から第二王子の婚約者へとなり
王妃教育から王子妃教育を受けることになったルクリア。
王妃教育より楽になったとはいえ毎日 王城に。
あんなに熱心に求婚してきた第二王子ともあまり会えない←
婚約し半年が過ぎた頃
「ルクリア
済まない…婚約を破棄させてくれ…」
第二王子はテンプレートの様なピンクブロンドのどんぐりの様な瞳の
庇護欲をルクリアでさえ唆る13-14歳の少女を抱きながら
「ローゼル・キンカロー伯爵嬢と婚姻を結ぶ事になった…
…キンカロー嬢は私の子を…宿しているんだ…
済まない…」
ああ…2人揃って号泣していらっしゃるけれど
泣きたいのはわたくしの方ですのに…
キンカロー嬢の顔を両手で包みながら
「ローゼルさま、おめでとうございます。
おめでたいことですよ。
泣き止んで笑顔をお見せ下さいませ。
そのお年でのご懐妊はお幸せでしょうが、ご不安もおありでしょう?
カーフィル王子さまに支えて頂いてくださいませね?
そして、生活が安定されましたら王子さまをお支えして差し上げてくださいませね?」
キンカロー嬢をルクリアは抱きしめながら
「大丈夫。泣き止まないとお腹のややこも不安になりますよ。
わたくしもローゼルさまの笑顔が見とうございますよ(ニッコリ)」
キンカロー嬢を退室させ第二王子に向き合い
「カーフィルさま?
慰謝料等のお話はお父様にお任せしますが、これだけは言わせてくださいませ。
年端も行かぬご令嬢を手篭めにしたご責任は彼女がこれより
不安で泣き濡れぬようお願い致しますわね!
ローゼルさまを大切に死が分かつまで慈しんでくださいませ。
浮気や側室など以ての外ですからね。」
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「お父様…わたくし疲れてしまいました…」
「時間と思いはなんとも出来ぬからな…
私がルクリアの婚約を拒否できなかったからだな…
ルクリア、すまぬ…」
まさかの王子2人揃ってのおめでた婚
婚約者の挿げ替え
国民からはルクリア嬢に何か問題があるのか?と噂にもなっている
そして王族からの莫大な慰謝料を持つ令嬢としてもであった
「こうなったらお父様?
陛下にお願いして慰謝料の一部を領地で貰って来てくださいませ。
領地経営をして王都には戻りません。
もう嫌です…」
溺愛する娘の泣き言に
「もう ルクリア、スコティッシュ公爵の跡を継ぐか!
女公爵もいいかもな!慰謝料として飛びっきりの領地もいただこう!」
良い笑顔の父親にルクリアも笑顔になった。
影の薄い兄がスコティッシュ公爵を継ぎ
影の薄い母と王位継承権第3位ののんびり屋に見せかけているやり手の父と
領地に移り住んたルクリアは
隣国の王太子と婚約し破棄されたり
隣国の公爵嫡男と婚約し破棄されたり
毎回 何故か授かり婚でやむ無しで泣き暮れたり
その分 父親がぶんだくって資産だけは近隣諸国1位になったり
何だかんだで年下のジェネッタ侯爵家の三男とのロマンスからの結婚したり
旦那様は幼少期よりルクリアをずっと好きで居続けていたので浮気もせず
2男3女の子供をつくり溢れんばかりの愛を注ぎ育て
ルクリアが亡き後は5分後にショックの余り亡くなるという溺愛っぷりだった
子供たちは余りの溺愛っぷりに悲しむより笑ってしまい
一緒のお墓に埋葬したそうな
おしまい