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毒舌あの世漫才(令和改訂版)

作者: 神村 律子

ボケ「はーい、どうもどうも、本日もたくさんの死者の方にお集まりいただきまして、ありがとうございます。私達が地獄の案内人でーす。生前は大人気の売れっ子漫才師でしたあ!」

ツッコミ「そんなに陽気に声かけるなよ。みんな死んだばかりで気が滅入ってるんだからさ。少しは考えて喋れよ」

ボケ「そんなの関係ないだろ? 俺達漫才師なんだから、陽気にいかないとダメなんだよ。俺達が陰気じゃ、意味ないだろ?」

ツッコミ「それはそうなんだけどさ」

ボケ「それではですね、これから皆さんにこの世界の決まり事をお伝え致します」

ツッコミ「大事な事ですから、よく聞いてくださいね」

ボケ「決まりを守らないと、最悪の場合、死ぬ事になりますのでご注意くださいね」

ツッコミ「もうみんな死んでるだろ?」

ボケ「バカヤロウ、ここで死ぬと生き返るんだよ」

ツッコミ「それならその方がいいじゃないか」

ボケ「何もわかっていないな。ここに集まってる方々は、みんな生き地獄を味わった人達なんだよ。みんな何があっても生き返りたくないの」

ツッコミ「何だよ、それは。意味がわからないぞ」

ボケ「あのさ、お前さ、バカが原因で死んだのか?」

ツッコミ「違うよ! 変な事言うな」

ボケ「ま、こんな奴でも気軽にやっていける世界ですから、皆さん、そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ」

ツッコミ「今もの凄くバカにされた気がするんだけどさ」

ボケ「気がするんじゃなくて、実際バカにしてるから」

ツッコミ「余計悪いよ。ちゃんと説明しろよ」

ボケ「この世界で守って欲しい事。まず一つ」

ツッコミ「はい、一つ目です」

ボケ「皆さんがいつもお世話になっている死神さんには盆暮れ正月の付け届けを怠らない事」

ツッコミ「そんな決まり事ないよ」

ボケ「二つ目です」

ツッコミ「おい! ないって言ってるのに先に進むのかよ」

ボケ「偉大なる閻魔大王の事は、朝昼晩、寝る前に必ず拝む事」

ツッコミ「だからないって、そんな決まり事」

ボケ「三つ目」

ツッコミ「って、勝手に進めるなよ!」

ボケ「一日一回は化けて出て、生きてる人を怖がらせる事。怖がってもらえない場合はもうワンテイク」

ツッコミ「極めつけにないよ。ちゃんと説明しろよ」

ボケ「だからしてるだろ」

ツッコミ「はァ? 訳わかんない事言うなよ。してないだろ」

ボケ「してるよ」

ツッコミ「してないって!」

ボケ「だから、何も決まり事はないって説明してるでしょ」

ツッコミ「いい加減にしろ」

二人「どうも、ありがとうございました」

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