暫くの夢幻
依頼人宅前…
「…やっぱり連れてこない方が良かったかもな。いいか…絶対にここから出るなよ。」
「お兄ちゃん?」
俺は車を置いて依頼人の家のチャイムを鳴らした。…しかし、誰も反応しない。…嫌な予感は当たったか。玄関の鍵が閉められてない。
俺は銃を構えながら中へ入った。慎重に進む…足音、気配を消して。そして、リビングへ続く扉の横に着いた。
そして…銃を構えながら俺はその中へ入った。そこには4人の亡骸が声もなき叫びをあげていた。
…まだ暖かい。殺されて時間が経ってない。
その時だった、銃声が聞こえたのは。俺は咄嗟に避けた。すると、窓から一人の男が入ってきた
「よう、やっと会えたぜ。黒羽の天使さんよ。」
「何者だ?」
「覚えてるか?お前が5年前に解散まで追い込んだシルバーバイソンをよ」
シルバーバイソン…既に壊滅したと思ったが残党がいたか。
シルバーバイソンは俺が5年前にボス諸共組織を壊滅させたはずの所だ。ここまで出なかったのは俺に勝つために特訓でもしたからか…にしても相変わらず
「ダサい名前の組織だな。ネーミングセンスねぇだろお前ら」
「うるせー!レッドバイソンとかだと何かと被るけどバイソン使いたいからこうなったの!シルバーはかっこいいやん!!」
「そういう問題じゃねぇよ、かっこいいとかっこいい組み合わせたからってかっこいい訳じゃねぇから。んで、この家族を利用して俺を釣った訳だ。」
「そういう事だ。変に正義感のあるてめぇなら来ると思ったのよ!」
「…人質でもとったのか?」
「その通り〜!人質をとって何もできひでぶ!?」
「…油断は禁物だぜ、ベイビー」
まぁ必要な情報は聞けたから用済みだ。他に誰も来ない当たりこいつだけだろう。えっと、なんかないかな…おっと、これはIDカード。生意気にもいいシステムのあるところにアジトはあるらしい
そんじゃこいつ貰いまして。ん?この戸棚不自然に扉が空いてるな。見てみるか…おっと、こりゃあ手紙だ。読んでみるか。えっと…
何でも屋さんへ
あなたにはこの手紙をみて今回の真実を知って欲しいと思いました。シルバーバイソンと名乗るもの達はいきなりやって来た…そのもの達は反応できないくらいの速さであっという間に妻と子供を捕まえてしまい、こんなことを要求しました。"なんでもいいから何でも屋リーズに依頼をしてここに来るようにしむけろ"…と。私は困りました。あまりに不自然な依頼だと断られてしまう。しかし、簡単な依頼だと私の家に来ることもないだろうと。だから私はこの家に来ることがある可能性があり、適度に不自然なこの依頼をあなたにしました。…奴らがどこで見ているか分からない。私は警戒していた…でも、私はあなたに死んで欲しくなかった。あなたが何をしたのか分からない…でもあなたにあってあなたとあなたの子を見た時、それを壊してはいけないと…。だから妻と子供にとっては辛い選択を私はしてしまいました。昔からよくお人好しと言われた私ですが…ここまで行くと病的ですね。そして、私は馬鹿です。両方とも助かる方法を考えていれば…ハーバード大学の研究者なのにこんなこともできなかったなんて。………………もっと生きたかった、手紙を書いた後にそれを思うなんて…私も…………大バカです
……手紙はここで終わっていた。いつこんな長い手紙を書いたのかは知らないが、まだ書きたいことは沢山あったのだろう。
どこまでもお人好しだな。はっ…"あなたを必要とする人は必ずいる"…か。
「Carry out the request」




