暫くの夢幻
「お前さぁ…仕事に着いてくるこったねぇだろ(-ω-;)」
「だつて退屈なんだもん...♪*゜」
たく…こいつは。まぁいい、餓鬼一人連れてる程度で仕事の質が落ちてちゃ話にならねぇ。このあとも別の仕事あるんだ、さっさと済まそう
んで、どのゴミ処理場なのかはわかったからそこに向かってるわけだ。
…あくまで予想だが、俺はもうダメだと思ってる。それにこのことは依頼人も分かるはずだ。あの男、調べたらハーバード大学で研究者として働いてるらしい。そんな所で働いてんだ、このくらい予想着くはずだ。
ゴミ処理場
俺は探偵を称して工場長から話を聞くことが出来た。しかし、ゴミに出される量は毎日何百キロにもなりとても判別がつかないようだ。それに…
ゴミを出した日が依頼人の言う通りならもう処分済だろう…と。
…そうだと思ったよ。じゃあ何故あの男は俺にこんなことをさせたと思う?簡単だ。迷ってるんだ、妻を殺すか否か。もしくはもう決心していて、最後の確認のために…かもな。どちらにせよあの男の妻は大変なことをした。そう思い俺は車に乗った。すると、サラがこういった
「どうだったの?」
「…かくかくしかじか」
「そう。やっぱりね…これからどうするの?」
…さて、俺にはいくつかの選択肢がある。1つはこのまま報告する。2つ目は同じものを買って報告する。3つ目は妻の所へ向かい説得する。
依頼人の意向を大事にするなら1つ目だ。先のことを考えず、騙せる可能性を考慮せず行くなら2つ目だ。俺が大変だろうが、お互いの為になるのが3つ目だ。
これを読んでる奴らよ。お前はどれを選ぶ?
…もしくは俺に道徳を問うか?馬鹿馬鹿しい。俺が選ぶのは…
翌日…
「…以上が調査結果になります」
「そうですか…」
1つ目だ。あくまで"依頼"だ。その先は俺の領分では無い。
依頼人は何かを決心したかのように事務所から出ていった。当然、サラからは色々言われた
「なんでこうしたの…?お兄ちゃんはこうしないって思ったのに」
「…行くぞ」
「え?」
「車の中で説明してやる。乗れ」
俺とサラは車に乗った。サラを自然と連れてきてしまったが…まぁいいか。
「答え合わせの時間だ。問題は把握したか?」
「ええ、ちゃんと読んだわ。」
「その中でなんで俺は1つ目を選んだか…だな。確かに倫理観、道徳を語るなら3つ目が正しく見える。…それはあとにしよう。まずは2つ目がダメな理由は分かるか?」
「うん、お兄ちゃんが言ってたあの人がハーバード大学の研究者って話。あれを参考にするならスクラップになるのは予想できる。それに、新しいものを買ったとして買ったものが大ハズレだとしたら。そもそも年季のあるものは新しさでは誤魔化せない。こうなった時、安易に渡すと依頼人が逆上してお兄ちゃんとあたしに危険があるかもしれないから」
「最後だけ違う。俺とサラ、お前はなんとかなるが妻の方に危害が行くからな。普通に報告しても変わんねぇわけだ。」
「しゃあ3つ目は?」
「確かに時間かけて説得するのも悪くないだろう。だが、コレクションを捨てるような奴にこのことを言ったとして簡単に"はいそうですか''と納得して何とかすると思うか?」
「…しなさそう。」
「今回の依頼は時間をかけてられねぇ。時間かけたら依頼人に先手を打たれるからな」
「…1つ目が正しいのはわかった。でもだとしたらなんで依頼してきたのかな…?どの手にしてもあの人は殺す気だった。だとしたら依頼する意味が無いわ」
そこは俺も引っかかっている。先程は"決断のための判断材料"と言うふうに考えたが、よく考えればどう転んでも妻を手にかけるのに変わりがない。なら何故依頼人は依頼したんだ…?
俺は嫌な予感がしていた…




