死を願うほど死は来ない
「続いて速報です。先程、政治家の〇〇氏夫妻が遺体となって発見されました。一人娘のサラちゃんは無事で、警察は調べを進めています。」
こんなニュースが流れているようだった。他の家のテレビの音が聞こえたきたの。頭ではわかっていたけどあたしは…"ニュースは所詮他人事でしかないんだな"と感じた。
色んなものが頭の中を巡る。悲しさも怒りも…驚きも憎しみも。巡り巡って訳が分からなくなりそうだった。
リーズさんとあたしは警察の調べを受けていたわ。そして、戻ってきたリーズさんが隣に立っていた。何も言うわけでもなく隣でタバコを吸っているだけ…。あたしは泣いた。沢山泣いたのに…まだ止まらない。でもこれでいい。特徴は言ったからきっと犯人は捕まる…
翌日には予想通り犯人は捕まった…でも、直ぐに解放された。証拠不十分ですって。おかしい、こんなの何かおかしい。私は確かに犯人の顔を見たのに、それを警察にも言ったのに…どうして…そんな私にリーズさんが語りかけた
「証拠不十分…か。とんだ茶番だな」
「リーズさん…」
「…これが正義と言われる警察だ。たった一つの真実があっても人々の目に見えなきゃその真実はなかったことになる。」
何も信じられない。あたしはもう…なにも。
「…俺は別の仕事があるから。」
リーズさんは行ってしまった。まるで…あたしから離れるように。パパとママのように…あたしもそっちに連れてってよ。
その日の夜中…
ーーーいまいくよ、パパ、ママ。てんごくにいけたら…またさんにんでたのしくわらおう。はなせなかったこと…たくさんあるんだ。
ガチャッ…
「まだ眠りには余りにも早すぎるぜ。サラちゃん」
「いかせてよ…パパとママの所に行かせてよ。」
「…残念だがそれは無理な依頼だな」
「行かせてよ!!!!お願いだから行かせてよ!!」
「パパとママはそんなこと望んでねぇからダメだ…だから今は静かに休め…」
いし…き…が…とお…く…………パパ……ママ……
ーサラは泣いていた。俺がクロロフォルムで眠らせる時も涙を流した。こういうのに俺は…弱いのだろうか。依頼料はこの涙…か。悪くないって思っちまった。これじゃあまるで厨二病だな。ま、んな事どうでもいいか。
「Carry out the request…」




