気ままに飛んで。
掲載日:2020/05/25
自由の代弁者は飛んでいる。
僅かな疑問と微かな不安を道連れに、飛んでいる。
ここからできるだけ離れるために。
自分の影が見えなくなるまで。
休まる囲いを、名誉ある逃亡の言い逃れにして。
威圧的な肩越しに見せられたのは、絶対服従の自由の国。
自分の素顔も分からぬまま、無勢に多勢の肩を持つ。
遮られた未熟なら、行列のできた懺悔の部屋に捨ててきて。
魅惑的な人混みの隙間から見せられたのは、荒唐無稽の自由の国。
自分の素顔も見せぬまま、寄って集って身代わりを待つ。
魘される夢なら、停滞した進化の道に捨ててきて。
ここは、取捨選択の自由の国。
ここは、生かされる屍が生き甲斐を与えられる世界。
なにも語れぬ代弁者が飛んでいる。
語らぬ自由が、迷信にならないように監視する。
生きものの素顔が見えないほどに。
自由の代弁者の名のもとに。




