【777】今日からここの住人です
目が覚めるとユリカさんがドアを少し開けてこちらを見ているのに気がついた。
『おはようございます。…あの、どうしたんですか?』
そう聞かずには居られなかった。
『あーー。まあちょっと下に来てくれる??』
身だしなみを整え、下に行くとセイオトさんとユリカさんが食卓で2:1で対面するように座っていた。
『なにかやらかしちゃいました…??』
二人の神妙な面持ちを見るといつも元気なアカリアも元気をなくす。
『いや、むしろ驚いてるんだ。君みたいな元気ではつらつな子は部屋を荒らしたりする者も居るからね』
あたかもそう言う人物を知っているかのような言い方だ。
『で、どうだ。この家を宿として住んでも良いぞ。ただし、住んでいることを他の住人や《あの世からの贈り物》であることを言ってはいけない』
突然のことに驚きと喜びを隠しきれない。
『是非住まわせてほしいです!!!あ、質問なんですがわたしが探している友人には言ってもいいですか?』
『ああ、いいぞ。多分その子も宿かどこかに泊まっているんだろう。君が友と認める子なら良い子に決まっている』
アカリアは友人を褒められると、にやにやをとめるためか足がばたついている。
『でも、住むために条件を付けたいのだけど…良いですか?』
『どんな条件でも!』
そして私の目の前に、走り書きで書かれた契約書らしきものが出てきた。出したのは、妻のユリカさんだ。
その内容は…
①はさっきセイオトさんが言ったことが書かれていた。
②→朝はユリカさんの手伝いをする。夜は、セイオトさんによる戦いの練習をする。
③→何か欲しいものがあるときは、私たちにおねだりする!!
と書いてあった。
何やら不思議な取引だ。
『この下の空いてるところに、カタカナで自分の名前を書いてね。……書けた?これは取引書として保管しておくわ。セイオトさんは、朝食の準備してね。アカリアさんもあなたもお腹すいたでしょ?』
『『ハイ。空きました』』
私とセイオトさんは、同時にユリカさんの言葉に頷き笑った。