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【778】洋館の幼稚園


ブックマーク、ポイント、ありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ

『幼稚園って、どういう…』

と私は言いかけて、ハッとして思い出した。

『そうか。このゲームは、ゆっくりしていてまったりした話だったね…。しかも、幼稚園に関わりのある者たちの話だったし…。でも、幼稚園に通ってる本人たちには遭遇しないって書いてなかったような気がするけど…気のせいだったかなぁ』


ぶつくさそう言い出した私を、隣を歩いていた私より一回り小さい男の子が睨みつけてきた。


『さっきから五月蝿い!静かにして。この森は、魔物や悪魔でも出てくるんだから』


静かに言っているが、その言葉は私の胸に深く刺さった。

『ご、ごめんなさい。そんな大きな声で言っていたつもりはなかったのだけれど…』

すると私の前を歩いていた別の男の子が振り返ってきた。


『あはは~。確かに五月蝿いけど、ハルさぁーそこまでいう必要はないでしょ?ごめんね。えっと、君の名前は何ていうの?』


『あ…。自己紹介…。えっと私の名前は… 私の名前は‥、ナナハ・ユカ。大切な友人といたはずだけど、彼女は何処かに行ってしまいました。見た目通りエルフ族です。でもまだ魔法とかを使ったことがないです。よろしくお願いします』


危なかった。危うく本名を名乗るところだった。



『エルフなのに今まで魔法使ったことないの??変わってるね。あ…まだ、名乗りあげてなかったね。初めまして僕は、クロ・コロア。幼稚園で二番目に大きい背で、唯一の槍と弓矢の使いだよ。

僕の好きなことは、ハルをいじめること。好きな場所は、コロシア幼稚園。これからよろしくね?ナナハさん!』


 不意に訪れる沈黙。サクサクと四人の歩く音だけが聞こえる…。

 クロさんは私より少し大きいなぁ。


『はぁ、呆れた。自己紹介するのは仲良くなる覚悟がある人だけなんだよ。なんで黙っちゃうかな。質問とかすれば良いのに。初めまして!私はナオ・コロア。刀使いよ。これから、色々な事があると思うけどよろしくお願いします』



 斜め前の女の子が前を向いたままなぜだか妙に、引っ掛かりを覚える自己紹介をされ、私は頷くことしかできなかった。ナオさんは私と同じぐらいの身長だ!



『じゃあ、次はオレだな。オレは元・魔王の幹部の者だ。名前は、ハル・コロア。魔王のじじいに小さくなる薬を無理やり飲まされ、息子を奪われた。まあ、この話はまたいつか詳しくする。幼稚園で、最も身長が小さい。唯一の死神だ。もういいな。これでオレの自己紹介は終わりだ』


 パチパチと拍手をするのはクロだった。


『なかなかの自己紹介だったじゃん!やっぱり、お前はやればできる子、なんだって!いつか、僕たちと魔王ぶっ殺せると良いね!そうそう。ナナハ、君は今日からナナハ・コロアって名前ね。コロシア幼稚園に通う人は、全員名字を『コロア』ってしなきゃいけないんだ。君も今から、本当に僕らの仲間さ。よろしくね』


今からということは、先ほどまでは私を敵だと認識していたということになる。警戒心強いなこの人(?)たち…。


『嬉しい。よろしくお願いします。クロさん、ハルさん、ナオさん!!』


三人は納得したように、首を一回縦に振った。


そうこうしていると、目の前に大きな洋館が現れた。



『こ、これ、幼稚園なの?』



密林の奥深くにあった、綺麗で大きな洋館が夕夏(ナナハ)の目の前に広がっていた。

『そだよ。僕は、園長(あいつ)を呼んでくるから、ここで待っててね。ハル達は、ここで一緒に待っててね』

クロはくるくる周りながら、その洋館にするりと入って消えて行った。





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