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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の整理しきれない内心。

私はカロリーヌ様に実家から従ってきたという女官の言っていることが一番正しい気がする。

そして、メアリという女官が持っているという証拠の手紙があれば、大臣やカロリーヌ様に突きつけることができるのに、薬によって眠らされているのが残念である。

大臣も、カロリーヌ様も今回のことが本当にうまくいくと考えていたのだろうか?


皇后陛下の名前で皇太子宮に食べ物や飲み物を送りつけても、すぐに口にしようとせず、警戒されると考えるのはこのランスロット帝国の貴族の常識だろう。


そして、皇后陛下の後宮での側室たちに対する言動も、大臣側ではない皇帝陛下に忠誠を誓っている貴族も眉をしかめていると聞いているが、それを理由に一側室の我侭を通せると考えるのがおかしい。


様々なことを総合すると、失敗することを前提として誰かが大臣たちをそそのかしたのか、それとも大臣たちがこちらの考えの斜め上をいくほどのおばかさんたちだったのか・・・。

私には判断がつかない。


ヴァンディミオン殿下の方をちらりとみると難しい顔をしている。

ヴァンディミオン殿下にしてみても、皇后陛下がこれまでしてきたことはとても許せることではないのに、大臣に言われた言葉はよけいにヴァンディミオン殿下を傷つけただろう。


嘆願書が出された時は単純に、ヴァンディミオン殿下の考えた <ビジュー・オブ・インペリアル> が流行したことによって大臣に宝石商たちが賄賂をおくらなくなったことによって財政が厳しくなり、側室のわがままとして父娘が皇帝陛下から多額の金銭を手に入れようとしたのかと考えたのだけれど・・・。


やはり、メアリという女官にも話を聞く必要があるのだけれど、はたして本当のことをしゃべるかはわからない。

横たわっている彼女は傷だらけで、本格的な拷問を受けたわけではないけれど普通の神経だったらとっくに証拠となるもののありかを話しているだろう。

側室を恐喝した罪は重いが、毒に関わっていないことを強調すれば私たちに証拠をみせてくれるだろうか。

どのようにそれぞれの自供を引き出すか、ヴァンディミオン殿下と相談したいところなのだけれど・・・。


このランスロット帝国にも裁判制度はあるにはあるけれど、今回のことは皇族が関わっているだけに内々に済ませたい。

あきらかに皇族側に非がない場合ならば問題ないのだけれど、皇后陛下のことを出されてしまうと最悪、廃位まで言い出してくる貴族もでてくるだろう。

今は私だけが皇太子の婚約者でいられるけれど、そんなことになったら年頃の娘を持つ貴族たちが騒がしく“自分の娘、もしくは血縁を次期皇后に!”と動き出し収拾がつかなくなる。


(いえ、私が婚約者の、今のこの状態を手放したくないのだわ・・・。それにヴァンディミオン殿下は側室はもたないと私に誓ってくれた。)


ランスロット帝国のことを考えているようで、実は自分のことばかり考える自分を、以前の私なら落ち込んだかもしれないけれど、今の私はヴァンディミオン殿下を信じてお互いに支えあえ、愛し愛される夫婦になることを望んでいる。


この世界に転生して自分が仕事ことだけを考えてきた。

それでカイン王子との婚約時代、結婚生活はいびつだったのではないかと後悔したこともある。

もう私は後悔したくない。


ここで物語のヒロインだったら、親子関係も問題も全てをうまくおさめ解決できるのかもしれない。

でも私は悪役令嬢。

将来このランスロット帝国に君臨する皇帝陛下となるヴァンディミオン皇太子殿下の婚約者。

非情な判断をしなくてはいけない立場になったヴァンディミオン殿下を支える役目もある。

全ての人間に優しい人格者にはなれない。


大臣や女官のこれからの処罰のことを考えず、ヴァンディミオン殿下のことだけを考える。

そして頭の中の情報をまとめる。


大臣、カロリーヌ様、女官、メアリ。

その中の三人の証言を頭の中で組み立てる。


メアリに弱みを握られたカロリーヌ様、カロリーヌ様を案じる女官、自分が一番の大臣。


大臣をどのようにして正直に自供させるか考える。

先ほどの自爆をつつこうか。


ヴァンディミオン殿下と少し相談しようと思い、ヴァンディミオン殿下に合図を送った。

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