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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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大臣の証言。

ルシフェルトには皇帝陛下への報告に行ってもらい、ヴァンディミオンと大臣のいる部屋に向かうとその部屋から大きな声が聞こえてきたので足を止め様子を窺ってみることにした。


「私はこの国の大臣だぞ!お前たちでは話にならん!さっさと私を解放しろ!」


その言葉を聞いて私は思わず顔をしかめてしまったが、ヴァンディミオン殿下も同じ思いだったらしく溜め息をついている。


「そういえば、大臣には何か功績はあるのですか?」


あまりに偉そうな物言いなので、私が知らないだけで何かあるのかと思いヴァンディミオン殿下に聞いてみるが、緩く首を振り


「以前も言ったと思うが、本人には功績はない。先祖に功績がありそのため家柄がいいだけだ。」


そうきっぱりと言い切られてしまった。

逃亡しようとしているところを捕まったわりには、偉そうなのでこれから話を聞くのはとても疲れそうだと少し様子を窺っていたが、ヴァンディミオン殿下と顔を見合わせ大きな溜め息をつく。

ドアの前の見張りに声をかけ入室すると、大臣がこちらを向き憤然と詰め寄ってきた。


「ヴァンディミオン殿下!これはいったいどういうわけですか?!私が何かしたと言うのですか?!」


そう口からつばを飛ばしながら抗議する様子をみていると、カロリーヌ様を心配しているとは思えない。


「大臣、話があるからこの部屋で待機してもらっていただけだ。そう興奮しては何も話ができないので座ってもらいたい。」


ヴァンディミオン殿下が落ち着いて会話をしようとするが、大臣にとってその様子すら腹立たしいらしく


「私はこのランスロット帝国の大臣で、娘は皇帝陛下の側室ですぞ!」


真っ赤な顔をしてヴァンディミオン殿下に抗議するが


「私はこのランスロット帝国の皇太子で、皇帝陛下から許可を得て大臣、そなたを捕らえた。」


そう言われると今度は真っ青な顔になり、椅子に座った。


(自分の上には皇帝陛下しかいないと思い込んでいたただの権力志向の方なのかしら・・・?」


そう思い私たちも椅子に座り大臣に対して話をすることにした。

と言っても、カロリーヌ様と女官の話から、大臣が娘を囮にして逃げようとしていたと予想がついているので、なぜそのような行動をしたか、帝国外に逃げようとしたなら他の国と何らかの関わりがあるのか聞き出そうと思っているのだが。

ヴァンディミオン殿下が椅子に座り、目をさ迷わせている大臣に向かい


「カロリーヌ殿から話は聞いた。大臣、そなたからの指示で皇太子宮に毒入りの菓子を皇后の名前で贈りその混乱の最中に逃げ出す予定だったそうだな。カロリーヌ殿は何度も父であるそなたを止めようと諌めたそうだが、そなたに指示された女官が実行してしまったと涙ながらに私に話してくれた。大臣、娘であるカロリーヌ殿がそう言っているのだ。娘のためにもどうか罪を認めて欲しい。」


そう言ってまっすぐな視線で大臣をみるが、大臣は最初何を言われたのか理解できなかったのか、ぽかんと口を開けていたが、すぐに顔を真っ赤にして言い返してきた。


「カロリーヌがそんなことを言ったのですか?!違いますぞ!あの娘の口の軽さで女官に弱みを握られ私に泣きつき、無理だと言うと我が家の破滅だと言っていたから皇帝陛下に嘆願したのです!それも無理だと知ってあの娘からもう嫌だと言って来たのです!だから私は娘に指示をしたのです!カロリーヌも私を止めるどころか自分から後宮を出ると言ってきたのです!」


言ってからこちらの視線に気づいたのか、あわあわしだした。

自分が盛大に自爆したのを悟ったらしい・・・。


「そうか大臣。カロリーヌ殿とは共犯だったのだな。そなたの家はこのランスロット帝国で功績があったことを考慮してくれるよう皇帝陛下に言っておこう。」


あっさりと言うヴァンディミオン殿下に何とか言い繕うとして


「ヴァンディミオン殿下!殿下も皇后陛下の振る舞いには腹を立てておいででしょう?!私は・・・そう!皇后陛下を皇帝陛下が諌めないために行動を起こしたのです!これもランスロット帝国のためと思い娘を犠牲にしたのです!」


何とかヴァンディミオン殿下の情に縋ろうと一生懸命に言葉を言い募るが


「では、逃げ出そうとしたのは何のためだ?」


そう冷たく逃げ出そうとしたことを言われると


「逃げようとしたのではありません!混乱の中にいては正しい行動ができないと思い、一時離れようとしたのです!娘が毒殺騒ぎを起こして私が捕まってしまったら、いくら私が正しくても話を聞いてもらうことすらできないではありませんか?!」


何とか自分を正当化しようとしているが、ただの支離滅裂な言い訳にしかなっていない。

興奮する大臣をよそに、私とヴァンディミオン殿下はどんどん冷めた視線を送ってしまう。

そんな中、ドアをノックして皇帝陛下に報告に行ったルシフェルトが顔を出した。

廊下で大臣の様子を窺っていた時間が長かったらしい。

入室してきたルシフェルトが


「皇帝陛下は厳重な処罰をお望みですが、正直にそれぞれが真相を話すならば、これまでのことを考慮しようとおっしゃっていました。」


その言葉に考え込む大臣に対し


「カロリーヌ殿の部屋の女官にも話を聞き、全ての証言を集めて皇帝陛下に報告するつもりだ。大臣、よく考えて発言してくれ。」


とヴァンディミオン殿下が最後通牒をつきつけた。



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