悪役令嬢の仕事はじめ。
結果、私の就職活動は成功した。
カイン王子と結婚式を挙げたが私は離宮に住み、翌日は式に参列してくれた方々にお礼状を書いたり贈り物の確認に忙殺された。その仕事が終わればカイン王子は王太子となる。
エリスは王妃様や他の側室の方に後宮で教育を受けている。王妃様は
「このままでは側室としても問題外です。後宮で側室としての教育をしないと外には出せません。」
と側室教育が終えるまで、後宮には住んでいるけど側室とは公にお披露目する気はないらしい。
男爵令嬢という身分の低さから後ろ盾もなく、王妃様からの許可がでなければカイン王子にいくら寵愛されていてもその存在は非公式だ。
私は、いくら王太子妃になれるといってもいつ何があるかわからない。
貴族達に認められるため、国民に認められるため、今日も王妃様とともに貴族の奥方達のお茶会に出席する。噂話の収集も立派な情報収集だ。
私がしている仕事で国内の孤児院の監査がある。以前から視察もしていたがこれを私専門の仕事にしていただいた。王家からも予算が出ているが侯爵家からも融資してもらい環境を整え、息子に代を譲った優秀だった方々にお願いして教育を施していただいている。教育といっても最初は侯爵家の者が簡単な読み書きや算数を教え、国の成り立ちやその方のしていた仕事について語っていただいている。
最初は王子妃の要請とのことで軽く考えていたようだが、子供ならではの柔軟な考えや質問が面白いらしく真剣にお相手してくれる方が増えたらしい。ある程度の年齢になったら自分の家の使用人に考えてくれている方もいる。
そろそろカイン王子も仕事に慣れてきたらしく立太式の準備もしなければならない。
王太子の王冠を国王に被せられパレードとお披露目パーティーがあるが、未だにエリスは側室としては出さないらしい。いつになったら側室として合格点になるのだろう。
王妃様の私的なお茶会で他の側室に挟まれ嫌な顔をしているエリスを見ながら、王妃様と立太式に招待する国の方々への対応を話し合う・・・。