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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の失言。

皇后陛下がヴァンディミオン殿下を産んだことにより、辛酸を舐める時期があったことは気の毒だと思う。

でも、ヴァンディミオン殿下がジュリウス王子に毒を飲ませたわけではないし、今まで危険な目にあったヴァンディミオン殿下が皇后陛下の名前できた物に手をつけないのはわかりきったこと。

それらを考えると、皇后陛下の名前を誰かがかたり、たまたまジュリウス王子が食べてしまったということになる。

捕らえた女官は毒が入っていたことはしらなそうだが、誰に言いつけられたか辿る必要がある。

冷静に考えられる部分ではそう思うが、私の感情が追いつかない。


ヴァンディミオン殿下に対し喚く皇后陛下に対し冷静でいられない。

自分の不幸すべてがヴァンディミオン殿下の責任だと、感情的に罵る皇后陛下に対して私は


「皇后陛下!もうおやめください!」


叫んでいた。


「ご自分の今までの行動から私たちが皇后陛下からの名前で贈られた食べ物を口にしないのはおわかりでしょう?ですから今回のお菓子は皇后陛下からだと思っていません!皇后陛下の名前をかたった者がいるはずです!そして、今回のことはヴァンディミオン殿下の責任ではありません!全てをヴァンディミオン殿下のせいにしないでください!」


皇后陛下に対して、私は言ってはいけないことも言ってしまった。

言ってしまってから後悔するが、皇后陛下のあまりな言葉に私も冷静ではいられなかった。

皇后陛下が私に対して向き直り


「そなたにはわからぬわ!イストール国では“次期賢妃”と言われ、何の苦労もせずに王太子が地位を剥奪されたらこの帝国で皇太子妃お約束された立場になって・・・!私の苦労などわからぬであろう?!」


私の現在の立場について言及してきた。


(私だって恵まれてはいたけれど何の苦労もしていないわけではないのに・・・!)


そう思うと言い返してしまう。


「私だって、乙女ゲームの悪役令嬢だって知った時絶望しましたよ!仕事がしたいのに断罪されたら修道院送りなんですよ?!神に祈りを捧げるだけの一生になるのは嫌だから努力したんです!ヒロインのことだって、あんなに話しが通じなくて冤罪をかけられそうになるわ、おとなしく側室教育を受けていると思ったら頭の中が意味不明だったし!カイン王子のことだって支えあえると思っていたのに、それが買い被りだったんですよ?!仕事をするために王太子妃になるしか道がなかったのです!エリスだって最後まで自分がヒロインだからと言いきっていたし・・・!」


“えっ?ヒロインの私を誰か呼んだ?”


(幻聴まで聞こえてきた・・・。)


皇后陛下にはわなわなと振るえ


「わけのわからぬことを・・・!」


と、今度は私に掴み掛かろうとした。

その時


「ナルディアナ!」


知らせを受けたのであろう皇帝陛下が駆け寄ってきた。


「ジュリウスはどうなのだ?」


そう問いながら皇后陛下に寄り添う。

皇后陛下は皇帝陛下に縋りつき


「陛下、ジュリウスが目を閉じたままなのです。私を“母上”と呼んでくれないのです。私の可愛いジュリウスが目を開けてくれないのです。私をみてくれないのです。ジュリウスが・・・ジュリウスが・・・。」


ヴァンディミオン殿下を罵ることで、自分を保っていたのだろう。皇帝陛下が傍に来てくれたことでよわよわしくうったえる。


「ナルディアナ、気をしっかりもつのだ!そなたが取り乱してはジュリウスが安心できなかろう?そなたはジュリウスの母なのだ。今は医師を待つのだ。」


状況を判断したのか、皇帝陛下は皇后陛下を落ち着かせようとする。


「ジュリウスが・・・。私のジュリウスが・・・。皇帝陛下、どうかジュリウスをお助けください・・・。」


そうジュリウス王子の名前を呼びながら、皇帝陛下の腕の中で皇后陛下は気を失う。

意識をなくした皇后陛下を他の部屋に寝かせるように皇帝陛下が指示をだし、隣の部屋を準備させる。

私たちも部屋の前で騒がしくできないので、その後に続く。


皇后陛下の寝ているベッドの横に皇帝陛下が座り、私がジュリウス王子と庭でお話していたところから皇帝陛下に説明する。


「皇帝陛下、皇后陛下に対し口が過ぎました・・・。」


そう最後に私が言い頭を下げる。

言うべきではないことを言ってしまった自覚はある。

皇帝陛下は首を振り、何もそのことに対しては触れなかった。


「捕らえた女官は誰かついているのか?」


そうヴァンディミオン殿下に皇帝陛下が聞くが、今は部屋に監禁して誰に指示されて皇太子宮にお菓子を持ってきたか取り調べ中だと答えるとため息をつき


「ヴァンディミオン、狙われたのは誰か想像がつくか?」


「多分、私かセシリアでしょう。食べなくても調べて皇后が毒殺を目論んだと思わせたかっただけかもしれません。私のみる限り女官はこの状態になるとは思っていなかったように思います。まだ若い女官でしたし、誰かにここに運ぶだけの役目を負わされたのでしょう。必要なら、後宮内全ての女官を集め誰に頼まれたか面通しさせます。」


そう答えるヴァンディミオン殿下に対し皇帝陛下は、女官にもしものことがないようにし、誰に運ぶように言われたか必ず調べるよう後宮内で自由に動く許可をくれた。


「私がここでナルディアナにつきジュリウスの容態を聞こう。ヴァンディミオンはすぐに誰が指示したものか解明せよ。」


そう言い、皇后陛下の手を握る。

私はヴァンディミオン殿下とともに女官の監禁されている部屋に向かう。

早く対処をしないと、指示をした人間が逃げてしまうかもしれない。

それに、皇后陛下が皇太子を毒殺しようとしたと噂が流れてしまう可能性もある。

ジュリウス王子の容態が心配だけれど、ついているだけよりも、今回の事態をどのように収束させるかが問題である。

ジュリウス王子の無事を願いながらヴァンディミオン殿下と歩く。

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