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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の事件調査。

毎朝、今日こそは!と意気込みヴァンディミオン殿下の執務室に行くが、なかなか話をする機会がない。

皇帝陛下から皇太子宮に回ってくる書類が多いためだ。

でもヴァンディミオン殿下に、皇帝陛下が皇后陛下に会いに行っていることを聞いているので書類仕事は苦にならない。

そんな数日間を過ごしていたが、ヴァンディミオン殿下が嘆願書を出した側室について調べがついたらしい。


「例の側室について少しわかったことがある。」


公務の合間にお茶を飲んでいる時に話し出した。


「その側室の父である大臣は自分の娘を皇后にしたかったのは言ったと思う。」


皇后陛下がまだ皇太子妃の時に、子供ができないことを問題にしてきたのはその大臣であるという。

それを理由に娘を側室にねじ込んだらしい。

そして、ヴァンディミオン殿下についても皇后の不貞をその大臣が一番騒ぎ、娘は後宮で皇后陛下を一番蔑ろにしたらしい。

大臣の娘ということで皇帝陛下がお渡りになる回数も多く、寵妃のような扱いだった、

でもなぜかその側室に子供はできず、ジュリウス王子が生まれてからは表立っての反抗はなかったが皇后陛下は以前のことを忘れず、仲が険悪で他の側室は皇后陛下の不興を買うことを恐れその側室は遠巻きにされていた。

寵妃のような扱いから転がり落ちたその側室の心境はどうだったのだろうか?


「カロリーヌという名前なのだが、後宮では子供もあって他の側室ともあまり交友はなく、夜会にはよく出席するらしい。大臣の娘ということでまだ取り巻く貴族は残っているから後宮よりも居心地はよかっただろう。夜会に出席するのには身支度が必要だが、実家の援助と皇帝の配慮があったためこれまで追加の嘆願はなかったのだが。」


ヴァンディミオン殿下が皇太子となり、 <ビジュー・オブ・インペリアル> を売り出だしてからその大臣の財政が厳しくなったらしい。

夜会で大臣の娘に装飾品をつけて欲しい宝石商がその大臣に賄賂を渡していたのだろう。

皇后陛下と険悪でも、大臣の娘であり側室ということならば宣伝効果は高い。

また夜会に出席するのも後宮の中では多い人物らしい。

だが、貴族の流行は移りやすく、皇太子であるヴァンディミオン殿下の考案なら皆の関心はそちらに向く。


そして女官の退職金にしては多すぎる金額。

嫌な感じしかしない。


「何かに対する口止め料でしょうか?」


そう私がいうと


「おそらく。この女官は側室について数年だが、この側室には実家から付いてきている女官がいるのだがその女官への退職金ならわからないこともないのだが・・・。」


何かをこの女官に知られてしまい、口封じもできず金銭でどうにかしようとしても実家には頼れず、皇帝陛下にねだることもできず、そのため父親が皇帝陛下に嘆願書をだし、質された場合何らかの理由をもっともらしくつけるつもりだったのだろうが、その嘆願書がこちらにきてしまったのだろう。


「この大臣を質してみますか?」


皇帝陛下には娘の後宮での待遇を訴えてうやむやにすることはできると思ったのだろうか?

こんな高額の追加の嘆願書を出すなど短絡的すぎるが、切羽詰っているのだろう。


「そうだな・・・。今は皇帝陛下が皇后との時間を作っている大事な時期。悪い芽は早めに摘んでおいた方がいいだろう。」


そうヴァンディミオン殿下は決断した。


「その大臣はどのような人物なのですか?」


イストール国の側室方からいただいたリストに名前は載っていなかったはず。

私もその質す場にいさせていただこうと思い人柄を聞いてみた。


「本人はあまり有能ではないな。ただ遡ればこのランスロット帝国に対して有益な功績を残した人物が多い。本人よりも家柄と人脈によって一応皇帝陛下には表向き重陽されているな。あまり重要な案件は任されていないが。」


(名誉職みたいなものかしら?ヴァンディミオン殿下によって大事な財源が減らされたのだから、恨みはあるでしょうね。)


「自分の娘を皇太子の婚約者に推すくらいだから、権力を貪欲に求める人物だ。私が生まれたことで一番皇后を排斥しようとし自分の娘を繰り上げさせたかったようだがな。」


そう冷たい顔で吐き捨てる。


「では、言ってしまえば、能力に乏しい自分の価値以上の権力を欲しがる俗物ですのね?」


辛辣に言い過ぎたか、ヴァンディミオン殿下が驚き苦笑する。


「まぁそういうことだ。」


「では、皇帝陛下にこの嘆願書と私どもの見解を沿えて、質すことをお願いしましょう。」


そう言って、私は皇帝陛下にこの大臣を呼び出してもらうために手紙を書く。


「どういたしましょう?皇帝陛下にも同席していただきますか?」


一応皇帝陛下も書類には目を通しているはずだから、この嘆願書が皇太子宮に回ってきた時点でこちらに任せるということだろうか。


「そうだな。皇帝の返事待ちだな。」


そう言ってヴァンディミオン殿下は、ルシフェルトに何らかの指示を出している。

私は手紙を書きながら、傍で給仕をしてくれるメルディナに聞いてみる。


「メルディナはこの大臣とカロリーヌ様について何か知っていることはある?」


皇太后様に仕えていたならあまり詳しいことは知らないだろうか。


「皇后陛下が皇太子妃におなりになった後、すぐに後宮入りした方です。当時大臣が後宮入りした娘のことを皇帝陛下に口出ししていたため、皆眉をしかめておりました。ただ正妻の娘ではないと噂されていたと記憶しています。側室様もあまり良い噂は聞きませんでした。」


この場だからだろう、正直に言ってくれる。

皇帝陛下のお返事によるが、ヴァンディミオン殿下がこの大臣を質すことになるだろうから情報はたくさん欲しい。

あとで貴族図鑑を調べてみようと思う。





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