ヒロインによるヒロイン思考
私はエリス・ユリエール。大好きだったゲーム『愛の貴公子達。~下克上の恋をしよう~』のヒロインに転生した日本人だ。
正規の王子ルートを攻略すると、他のキャラや逆ハーレムを攻略できる。
転入初日に私は(あ・・・、この世界知ってる。)と目覚めた。せっかく大好きだったゲームに転生したのに一人だけじゃもったいないと思い、皆に愛されるために前世の記憶に頼って攻略していった。
最終的な私の目的はカイン王子の正妃になり、他の皆に愛されて幸せに暮らすことだった。
ゲームでは全キャラ攻略のご褒美キャラがいるけど、このルートなら安心だと思ったのに。
何で悪役令嬢達がいじめてこないの?イベントがおきないじゃない!
私に対して注意はしてもそれ以上関わろうとしない。それじゃあ誰も婚約破棄しないじゃない!
卒業までしか時間がないのに・・・。
私は起こるはずのことを王子達に泣きついてみた。王子達は憤慨し、私を慰めてくれた。だからきっと最終イベントはうまくいくと思ったのに・・・.
イベントがどうしてかお城に行くことになった。
どうして悪役令嬢のセシリア・エヴァンジェリスタが偉そうなの?
なぜこの国の重鎮が彼女の味方なの?
なぜ皆が叱られているの?
私はヒロインなのに。
カインだけは私を選んでくれるって言ったけど、誰も賛成してくれない。
冤罪をかけたのは悪かったけど自分の仕事をしないのが悪いんじゃない!
騎士に、この部屋で己の行いをよく考え反省するようにって言われたけど私は悪くない。
私のための世界で、私が何をしてもいいはずなのに、どうしてこんな所に私はひとりぼっちなの・・・。