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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の目覚め。

目を覚ましたら自室にだった。

メルディナがついていてくれて、私が失神したあとの騒動を教えてくれた。


ヴァンディミオン殿下に胸元にキスされた私は一瞬で真っ赤になりいきなり後ろ向きに倒れ、それをヴァンディミオン殿下が支えてくれたらしい。

その場にいたルシフェルトがいち早く我に返り


「あんた何やってるんですか?!」


と私を支えるヴァンディミオン殿下に詰め寄っていたらしい・・・。


(恥ずかしい・・・。だから手紙にしようっていったのにっ。)


ベッドの中で半身を起こした状態で頭を抱える私に、メルディナが気の毒そうな顔で聞いてきた。


「セシリア様・・・。あの、お聞きして申し訳ないことなのですが婚姻は無効となっていても、イストール国のカイン王子と婚約し、結婚生活はされていたのですよね・・・?」


以前の結婚生活は今ならわかる。結婚生活ではない。


結婚式は、誓いのキスをせずに神殿でお互いに婚姻証明書にサインしただけで、初夜もなくすぐに私は離宮で別居生活を送っていた。

カイン王子と会うのは仕事の時だけで、それ以外の話をしても甘い空気になんてなったことはない。

そもそもカイン王子が望んでいたのは、エリスだったし・・・。


(エリスは神殿で元気にしているかしら?そうだ、王妃様にお手紙を送ろう。)


現実逃避気味の私に容赦なくメルディナは追撃をしかけてくる。


「幼い頃からの婚約者であるカイン王子とは何事もなかったのですか・・・?」


私の表情で悟ったのか、驚いた顔をしている。


そう言えば、はっきりメルディナに話したことはなかった気がする。


「カイン王子は、学園の卒業パーティーで私との婚約を破棄しようとしていたのだけれど、その時にカイン王子の望んだ相手は正妃になれる立場ではなかったから、私が正妃、その相手を側室にすることにして、私は離宮で仕事をすることにしたのよ。カイン王子も後から私は姉のようだったと言っていたし・・・。お互いにそんな感情になったことはなかったようね。私は王太子妃としての仕事がしたかったし・・・。」


何か可哀想なものをみる目でこちらをみている。


「左様ですか。ではヴァンディミオン殿下がセシリア様にとって初恋ですか?」


ズバリと聞いてきた。容赦ない。


「え・・・っと、恋とかそういう感情はわからないのだけれど・・・。」


残念な顔でこちらをみている。穴を掘ってはいりたい・・・っ。


「セシリア様、それではヴァンディミオン殿下といると挙動不審だったのは、ヴァンディミオン殿下が御嫌だったからですか?」


「いいえ!ただ、動悸が激しくて身体が熱くなってしまうだけよ。ただこんなこと初めてで・・・。」


そう言うとメルディナは、優しい顔になり


「それは初恋です。」


一言言い切った。


私も、ちょっとくらいヴァンディミオン殿下が好きなのは自覚していたけれど、初恋と他人に言い切られるとは思っていなかった。

もしかして、もしかして?と思っていたことを他人に言われると、とても恥ずかしい。


「セシリア様、ヴァンディミオン殿下はセシリア様のことを大事にしてくれています。今回のお二人のご様子では相思相愛です。おめでとうございます。」


頭を下げてお祝いされた。

何と言って返したらいいのか・・・。


「ヴァンディミオン殿下は側室は持たないと言っているとお聞きしています。セシリア様ただ一人の夫君です。安心してそのお気持ちを大事にしてください。」


そう言われると照れる。


「セシリア様はお仕事熱心な方。そのお気持ちを大事にしてこれから信頼関係を築いていけばきっと幸せになれます。ヴァンディミオン殿下とはなるべくお会いしてお話をされるのがいいと思います。」


「お手紙では駄目かしら。」


「ヴァンディミオン殿下は執務室でお仕事をされていると聞きます。何かあったら出向いて直接お話するのが、これからの関係のためです。」


どうしよう、恥ずかしい。倒れたことで余計に恥ずかしくなってきた。


「では、セシリア様が目覚めたとヴァンディミオン殿下にお知らせしてきます。」


そう言いメルディナが部屋を出て行こうとするが呼び止める。


「まって。私が倒れた後、結局ジュリウス王子についてはどうなったの?」


気になっていたことを聞く。時間稼ぎではない。

メルディナは私に向き直り


「特には。何か気になることでもおありですか?」


「メルディナは皇后陛下のことは知っているわよね?」


「はい。私がいた頃とあまりお変わりがないようですが・・・。」


そう難しい顔をして言う。


「ヴァンディミオン殿下にとっては、やはり実の母上と弟だから本人のいない状況で聞きたいの。私がジュリウス王子と関わることで私に対して皇后陛下が何かしてくると思う?」


聞きたかったことを聞く。ヴァンディミオン殿下のいないところの方がメルディナも答えやすいだろう。


「それは・・・。」


言いよどむメルディナに重ねて


「聞いた話とジュリウス王子本人をみて、皇后陛下がジュリウス王子を囲い込んで、なんとなく優しい言葉で思い通りにしてきた気がするの。メルディナはみていないけれど、年齢に適した言動ではなかったわ。とても幼い方だったの。ヴァンディミオン殿下の婚約者ということで私は皇后陛下によくは思われていないでしょう。そんな私がこれ以上ジュリウス王子に関わればどうなると思う?」


そう私の感想を言って質問する。


「もし、セシリア様にお子がおできになり男児だった場合ジュリウス王子の継承権は遠くなります。その事も皇后陛下はお考えだと思います。不敬な言い方で申し訳ありませんが、私の考えではセシリア様はヴァンディミオン殿下にジュリウス王子のことは任せて関わりにならないほうがよろしいと思います。」


そう正直に答えてくれた。


「では、ヴァンディミオン殿下に知らせてきます。」


そう言って部屋を出て行ったメルディナを見送り、私はこれからどうしようか考える。

エメラルドを皇帝陛下にみせる晩餐会にジュリウス王子を呼んだ場合、皇后陛下も出席なさるだろう。その時私は皇后陛下やジュリウス王子に対してどのようにすればいいだろう?

悩みながら私はメルディナの帰りを待つことしかできなかった。



前話を私の勘違いにより本日の投稿になったので2話になっております。申し訳ありません・・・。

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