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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の実家。

準備された馬車にはもうヴァンディミオン殿下が待っていて、私は少し遅れてしまった。

謝ろうとするのを制され、馬車に乗せられてしまう。


(この空間が辛いです・・・。)


実家に行くだけなので特に仰々しい護衛等はつけていない。

ヴァンディミオン殿下は黒い髪に蒼い瞳に合わせたのか、黒いスーツに蒼いスカーフをしている。

私の装いをみて


「ネックレスをしてくれているんだね。ドレスもとても似合っている。」


笑顔で言ってくださった。

顔が熱くなり扇で隠す。倒れなかった私を誉めてあげたい・・・。


「ありがとうございます。ネックレスについては嬉しかったのですが、余計なことを申しました・・・。」


私は空回りして、宝石について余計なことを言ってしまっていた・・・。


「いや。セシリア・・・、こう呼んで良いかな?セシリアなら何かもっとこの <ビジュー・オブ・インペリアル> をよくしてくれるのではないかという期待もあったんだ。実物の <ジュエル・オブ・インペリアル> をみていて、所有者になるのだからね。」


さらりと重要なことを言われました。


「それは良かったです。」


何を話して良いかわからない。いつも他国の方や自国の貴族と話す時はもっと会話があるのに・・・。

そうだ、王妃様方のお話をしよう。


「ヴァンディミオン殿下、王妃様が国王様の許可をとり王家の馬車に私の準備をしてくださったのです。他の側室の方々も実家の伝手や人脈のリストをくださって・・・。カサンドラ様はランスロット帝国にも愛好家がいらっしゃるからとたくさんのミニチュアールを自ら作ってくださいましたの。」


そう言うと


「セシリアはこの国の王家の方々に可愛がられているんだね。君の努力の結果だね。それはランスロット帝国に行く君の大きな力となるよ。」


にっこりと微笑んで言って下さった後、少し沈んだ顔で


「母である皇后のことはすまない。きっと王家の方達にとって最大の心配事だろうし君にとってもそうだろう。でも私は絶対に君のことは守るから。」


手を握られ目を見つめてそう言われた。

身体が熱くなり動悸がしてきた・・・。

呼吸が苦しい。

何も言えないでいると不思議な顔をされた。


「どうかしたのかな?」


「いえ、このような経験はないものですから・・・。恥ずかしくて・・・。」


小さな声で言うと


「?」


「・・・このように男性にされたことがないのです。」


「えっと、言いづらいのだけどカイン王子は・・・?」


言いにくそうに質問される。


「幼少の時からの婚約者であの方はモアレに行く前にお話したら私を姉のようだったとおっしゃっていましたし、あの方にはエリス元男爵令嬢がいましたから・・・。」


「前世でも女性だったんだよね?」


不思議そうに質問される。


「仕事が好きで、異性として男性に興味がなかったものですから・・・。」


だんだん答える私の声は小さくなっていく。


「そうか!」


嬉しそうな声でなぜかにっこりと微笑み、機嫌がとても良くなっている。

どうして私が恥ずかしがるのが嬉しいのか理解できない・・・。


エヴァンジェリスタ家に着きヴァンディミオン殿下に馬車から降ろしてもらう。これだけでも動悸がする。そのうち息切れでもするのではないかと思う。


玄関ホールでは両親と弟のニコルが緊張した顔で待っていた。ヴァンディミオン殿下がにこやかに挨拶をすると両親とニコルが挨拶し執事が客間に案内をした。


客間では両親の対面に私とヴァンディミオン殿下が座り、紅茶がそれぞれの前に置かれる。

父が


「セシリアが婚姻の解消をしたのは知っていましたが、事情は何も知らされていなかったのです。まずは我が国の元王太子であるカイン王子のことを内密に済ませていただき、謝罪と感謝をさせてください。」


「エヴァンジェリスタ侯爵、それはもう終わったことであなたに何かしていただくことはない。それよりも私は、エヴァンジェリスタ家の令嬢であるセシリアをランスロット帝国に連れて行く挨拶にきたんだ。」


恐縮し頭を下げようとする父を制し、ヴァンディミオン殿下は穏やかに話し出した。


「セシリア嬢はとても教養がありとても勤勉だ。そして魅力ある女性だと私は思っている。ランスロット帝国の皇太子妃にぜひなってもらいたい。侯爵に許可はいただけるだろうか?」


父は少し考え


「セシリアが望むならば私が何かいうことはありません。ただ、私共にとって可愛い娘でありニコルにとっては大事な姉なのです。セシリアを幸せにしてくださいますか?」


そう懇願するようにヴァンディミオン殿下に質問した。


「私はセシリア嬢を皇太子妃としたなら、側室はもたないと決めている。セシリア嬢には皇太子妃として時に苦労をかけるしこの国のように側室がいないことで重圧がセシリア嬢一人にかかると思う。でも私は絶対に守る覚悟をして協力しあい支えあい生涯愛しぬこうと思っている。侯爵、これでいかがだろうか?」


少し考えた父は


「わかりました。セシリアを必ず幸せにしてやってください。」


そう言い両親とニコルは頭を下げる。


その後に、王妃様方の用意してくださった私の嫁入り道具の話をしたら、私がランスロット帝国に行った後に父や母が贈り物をしてくれると約束してくれた。

弟のニコルはヴァンディミオン殿下に話しかけられ緊張しながら答えていた。

父や母は私がこの国から出て行くことを寂しがったけれど、祝福してくれた。










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