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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の準備。

ぐしゃぐしゃになってしまったドレスを着替えさせてもらい、髪をなんとか解いてもらってから侍女にお礼を言って下がらせてもう一度今度はベッドの布団をかぶり考える。


ヴァンディミオン殿下は以前、自分と同じように考えられる人と国を治めたいと言っていると思っていたけれど、それはあっているんだけど、私が間違えていたのよね?!


よく考えると学園で話をしているのは楽しかった。話の内容だけ思い出そうとするとその時にどんな顔をしていたか、表情やしぐさが浮かんでくる。


細いけれど節のある指だったとか、髪をかきあげる癖があったとか今更どうして思い出してくるのだろう?

帝国に嫁ぐ覚悟はできていたけれど、ヴァンディミオン殿下と結婚するという事実をあまり考えていなかったわ・・・!


私自身と愛し愛される夫婦になりたいなんて思ってくれているとは考えず、信頼が築ける相手として思ってくれているから一緒に仕事ができると、皇帝に認められるように協力しようとしか考えていなかった。


でも手をとられプロポーズをされてから、顔が熱く動悸がする気がする。

ダンスをする時に、男性に手をとられても少し身体が触れ合っても今までこんなになったことはない。

カイン王子の婚約者だったから、男性にお誘いの言葉を受けたことはないけれど、これはそういう意味の言葉よね?


・・・もう一度整理をしよう。深呼吸をする。


カイン王子の婚約者だった時に学園で会ったヴァンディミオン殿下のことを私はよく覚えている。

私のしていた行動は国のためになっていると言われ、自分勝手なだけじゃなかったと安心した。

手を触られても嫌ではなかった。手にキスをされても嫌ではなかった。

プロポーズをされ顔が熱くなった。

そして私は今恥ずかしいと思っている・・・。


ドレスや外見が恥ずかしかったわけではなく、花嫁の衣装のような私をみられるのが恥ずかしかった。

見つめられる視線がとても気になった。


この症状は、前世でよく周囲の女の子たちが言っていた『好き』ということなのではないか?

あの子達はよく意中の男性が自分に何かをしてくれると喜んでいた。

学園時代もお茶会をして格好いいという男性のことをうっとりとした顔で話していた。

そういえばヴァンディミオン殿下は攻略キャラだって言ってたわよね。

・・・前世のあるエリスに聞いてみようか?

・・・嫌な予感がするからやめておこう。


おかしい。私の今の思考はおかしい。

少し冷静に考える必要があると思う。


まずは寝よう。そして明日の朝起きたら考えよう。きっと今の私では思考回路がめちゃくちゃできちんと答えがだせない。まずは寝よう。


でも何か恥ずかしい。ヴァンディミオン殿下の笑顔が脳裏にちらつく。言われた言葉が耳から離れない。私は布団をかぶりごろごろと唸りながらなかなか寝付けなかった。


目が覚めたら少しはおさまっていたけれど、やはり少し気分がおかしい。

ふわふわするかと思ったら急に動悸が激しい。

私の様子を心配する侍女に朝食後のお茶をいれてもらい心を落ち着ける。

朝食があまり食べられなかった。


ランスロット帝国に嫁ぐことはもうヴァンディミオン殿下にお返事はしてある。

あとは、私の気持ちが落ち着けばいいだけの話で、今日は実家の方にヴァンディミオン殿下と共に挨拶に行く予定である。

馬車に二人で乗る事は今のこんな状態の私には不可能な気がしてきた・・・。


お茶を飲みながら何か良い方法はないものかと考えていたけれども、何も思い浮かばない。

具合が悪い。駄目だ、問題が先送りになるだけ。

馬車をもう一台用意する。今からでは間に合わない。

私一人で行く。何の意味もないから反対も却下。

どうしよう。感情がこんなに揺れるとは思ったこともなかった。


仕事のために国と結婚するのと、感情で個人と結婚するのがこんなに違うなんて思ってもいなかった。

ヴァンディミオン殿下が私を皇太子妃にしたいというのは正直、同じ目線で物事が考えられるというのが国を治めるのに都合がいいからだと思っていたし、母である皇后の言動から自分は側室をもちたくないので私の能力を買ってくれているのだと思い、好きとか考えなかった。

誉めてくれたのも私の、国に貢献する態度だと思っていたし。

やめよう・・・。思考がループになってしまう。


実家であるエヴァンジェリスタ家には午後に行くということだったから、そろそろ支度をしなくてはならない。気持ちを切り替えなくちゃ。

近いからそんなに馬車の中にいる時間は短いはず・・・。ヴァンディミオン殿下に対して失礼のないように準備をしなければ駄目だわ。



今日は何のドレスを着よう?馬車に乗るから帽子はいらないから髪の毛は軽く編み込んでもらおうかしら?

ドレスは軽めの物を侍女と一緒に選ぼう。オフホワイトのレースが可愛いものがあったけれど、薄い水色のシフォンがふんわりとシルエットが綺麗なものもいいかもしれない。それともクリーム色に後ろに大きめのリボンがひらひらしたものがあったからそれにしようかしら?紺色のドレスは少し地味だわ。

馬車に乗るのだから正式な場ではないしコルセットの代わりにビスチェとパニエでいいかしら?

私の意識はふわふわとしていて、侍女と共にドレスを身体にあて、なかなか決まらないと言いながら選び、(なぜか侍女は張り切ってくれた)髪の毛もサイドに編んだ三つ編みを後ろでまとめてリボンでとめた。

のこりの髪の毛はゆるくふわふわと背中に流した。

ネックレスは <ビジュー・オブ・インペリアル> をつけて耳には小さなサファイヤの耳飾り。

軽く化粧をして、鏡をみて私は思った。


私、浮かれている。





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