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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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悪役令嬢の様々な感謝。

王妃様方とお茶を飲んでいる時にカイン王子から手紙がきたと、王妃様が喜んでいた。

カイン王子はモアレを治めるために自分で視察し、領民に声をかけ日々努力しているらしい。

住居に雇われている人間には監視が混ぜられているために、国王様はカイン王子の行動は筒抜けなのだが、手紙と行動に誤差がないため王妃様は安心したらしい。


「あのエリスが側にいなくなったので、やっとあの子は遅くともやっと目が覚めたようです。」


そう言い、安著の表情と少し残念そうな複雑な表情をしていた。


そしてエリスについても、神官長から報告がきているようで最初は反発ばかりしていたようだが、空腹により倒れ部屋に運ばれても誰も何もしてくれないのが理解できたのか文句を言いながら、時に叫び喚きながら自分に振りあてられた役目を果たしているらしい。

たまに


「もしかして私死ねないってことはリセットがきかないんじゃないのー!!」


「誰かが私を助けてくれるはずよ!続編がでているかもしれないし!」


と王妃様が、訳のわからない言葉を叫びながらのようですが・・・。と教えてくれた。


「セシリア、帝国に嫁ぐ覚悟は決まったのですか?」


心配そうに尋ねられたので


「ヴァンディミオン殿下とは良い関係が築けそうです。でもランスロット帝国の皇后陛下は

とても気難しい方だと教えられまして・・・。」


悩みを打ち明けると


「・・・あの方の苦しみやつらさは側室に恵まれている私には理解できるとは言いがたいものがありますが、もし本格的に嫁ぐことになったら私の娘のような存在だと手紙を書きましょう。側室たちも協力してくれると言っています。」


ランスロット帝国にも、熱狂的な愛好家のいるカサンドラ様は私にいくつか作品をお土産にもたせてくれるといい、商人に伝手のあるダリア様は私の後援をしてくれるように頼んでくださるということだった。他の方も実家や自身の人脈を使い私の味方になってくれるよう頼んでくださるらしい。


私は、感謝の気持ちと共に、もしかすると私もゲームの世界という考えにとらわれすぎていたのかもしれないと考えた。

以前は皆が私に親切に教育してくれるのは、どこかで立派な王太子妃になって欲しいという気持ち以外にもゲームのためじゃないかとも思っていた。

ゲームの悪役令嬢、セシリア・エヴァンジェリスタのようにならないようにしただけのつもりが、他の方の気持ちも疑ってしまっていた気がする。

エリスがいなくなったことによって、カイン王子の目が覚めたように私も目が覚めた気がする。


私はランスロット帝国に嫁ぐなら、もう悪役令嬢=王子の婚約者という図式がないのでヴァンディミオン殿下とよりいっそう協力しなければならない・・・。と心に決め、帝国についての知識を増やそうと思った。


ヴァンディミオン殿下のお手紙には自身のことも書いてあった。私も自分のことも知ってもらおうと一生懸命お手紙を書いた。少し履歴書のような書式だったが、努力したと思う。


好きなお菓子を書けば帝国においしいお店があるので行こうと誘われ、二人で視察をする約束もできた。

帝国で踊るダンスを踊りの得意な側室の方に教えていただき人前でも踊れるようになったと書けば、今度一緒に踊って欲しいとお返事がきて、私は支えあう理想の夫婦になれると嬉しかった。


何度かお手紙のやり取りをするうちに、私はランスロット帝国に嫁ぐ覚悟ができた。

皇后は恐ろしい存在だが、住まいは離れているし皇太子の住居は優秀な側近がいるとのことだったので、私が気をつければいいのではないかと考えた。


メルディナに、短期間で良いから私が帝国に行く時についてきてくれないかと頼んだところ了承が得られた。王妃様や側室の方々にも帝国に行く覚悟ができたことを伝え、ヴァンディミオン殿下にお手紙を書いた。


お返事には、私の実家であるエヴァンジェリスタ家にも挨拶をしたいと書かれていて、イストール国に向かうので都合の良い日を教えて欲しいとあった。

私は実家に手紙を書き、王妃様にも教えた。

国王様にも呼ばれ、自分の意思でランスロット帝国に嫁ぐのかと確認された。

私が頷くと少し城の中がバタバタと忙しくなったが、実家からも国王様からも了解を得たのでヴァンディミオン殿下にお返事した。


王妃様は、私がランスロット帝国に嫁ぐと前向きに考えていると言った時から準備をしていてくれたようで、ドレスやレースそして宝石を嫁入り道具にするようにと、王家の紋章入りの馬車を国王様に許可を取り用意してくれた。

他の方々も、それぞれお付き合いのある商人や貴族や学者や楽師、様々な人脈の書かれたリストを渡された。

とくにすごかったのはカサンドラ様で、最近王妃様方とお茶をしてもいらっしゃらないと思っていたら、自身の作品の愛好家のリストと共にミニチュアールやデザインをしただけだと謙遜していらしたが装飾品をたくさんくださった。


エヴァンジェリスタ家のほうも私からの知らせに驚いたらしく、父が会いに来た。

発表したカイン王子の王太子の地位の剥奪の理由を信じていたら、急に王太子妃ではなくなった娘が他国、しかもランスロット帝国に嫁ぐと言い出したのだから驚いたのだろう。

実家には私の仕事に関しての協力は頼んでいたが、カイン王子のことは事情が事情なので話していなかった。

実家の方も私がカイン王子との婚姻関係の無効によって立場が難しく、忙しいのだろうと静観していたようだ。

事情を話し、私の意志が固いのを確認し父は帰って行った。

ヴァンディミオン殿下には会ってくれるが、もう少し親を頼るように言われてしまったことも嬉しかった。


そうして私は様々な方に感謝をしながらヴァンディミオン殿下が来るのを待っていた。


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