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悪役令嬢は賢妃を目指す  作者: りのみ
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ヴァンディミオン殿下の説明。

エリスが椅子に縛り付けられている状態で喚きだした。

騎士団長が慌ててエリスを止めようとするがヴァンディミオン殿下が片手を挙げて止めた。


「いらないからいらないと言っただけですが?」


蒼い瞳を眇めながら冷たく言い放った。

エリスは言葉を一瞬詰まらせるも


「っつ・・・。ヴァンディミオンはヒロインを好きになるの!ジュエル・オブ・インペリアルはヒロインがもらえるの!ここに来たって事は私に会いにきてくれたんでしょ!?ヒロインは学園で出会っているんだから、私に会いに来て帝国に連れて帰ってくれるはずよ!」


ヴァンディミオン殿下は陛下たちの方を向き


「彼女の言い分をまず聞きましょう。ランスロット帝国の皇太子にとっての秘宝を彼女がどう思っていたのか興味がある。ゲームとやらは少し理解し難いがジュエル・オブ・インペリアルについてどこまで知っているかも聞いておきたい。もちろん彼女が何を言ってもこの場にいる方々に責任は問いません。」


と言ってエリスに向き合う。


「学園では接点がありませんでした。それでなぜ今回カイン殿下を騙して私に言ったらもらえると思ったんですか?」


「だってヒロインはもらっていたもの!」


「そのヒロインだかは何かをしたからもらえたのではないんですか?あなたは何かもらえる努力をしたのですか?嘘をついてカイン殿下たちを扇動した結果、卒業パーティーでの婚約破棄。そして失敗。もう一度聞きます。そのゲームの通りになるはずだということは、ヒロインではなく、あなた自身がゲームの通りの行動をできていたのですか?その結果は?」


多分本当にゲーム通りだったか質問しているんだろう。

エリスは何も答えられない。でも何かを言いたいのか口をパクパクしている。


「あなたがヒロインだからと言い張るのは好きにしたらいい。でも私をどうこうできると思わないでほしい。不愉快だ。」


言い捨てられてもエリスは  


「だってヒロインなのにこんなのはおかしい・・・。」


ぶつぶつと呟いてる。


それをみながらヴァンディミオン殿下は傍らにいた護衛騎士に合図をすると、差し出された小さな箱をテーブルに置きエリスの目の前で開けた。

中はビロード張りになっておりジュエル・オブ・インペリアルがそこに燦然と輝き鎮座している。


「このネックレスには、不屈・純潔・仁徳・慈愛・誠実・貞操・高潔・徳望・心の成長という思いが込められているんです。それにふさわしい女性に皇太子は送る義務がある。その言葉にふさわしい女性だけがこれを受け取る権利があるんです。ヒロインだからは関係なく、あなたはそれにふさわしい女性ですか?ただ学園では高位の異性を周囲に置きちやほやされていただけ。その後も何かを成したという話も聞きません。その程度でしかないのに、私がこれをあなたに贈る?あるわけないでしょう?」


ジュエル・オブ・インペリアルを要求されたのがよほど腹立たしかったのか、エリスに対して言葉を突きつける。


「何も努力もなしに、全て自分の思い通りにいくと思ったら大間違いだ。」


そして国王様の方を向き


「私の用事はすみました。先ほど言ったようにカイン殿下に対しては王太子としての地位の剥奪で結構です。その後については何も言いません。彼女についてはそちらで処分してください。これ以上関わるつもりはありません。」


そう言って箱を閉じ護衛騎士に渡す。

国王様はそれについて


「わかった。カインについて寛大な心感謝する。何か他にこちらから償いとしてできることはないか?」


「そうですね。今夜の夜会の後またお時間をください。そう言っていただけるならお願いしたいことがあります。」


そう言って退出していった。

ヴァンディミオン殿下が退出した後、カイン殿下も騎士団長の呼んだ騎士に支えられ退出していった。

国王様が私の方を向き


「セシリア、ヴァンディミオン殿下に対しての説明難儀であっただろう。離宮で少し休むがいい。」


「国王様方はどうされますか?」


「カインについては建国祭の後にどうするか決めよう。セシリアにも苦労をかけた。できるだけ願いを叶えるつもりでいるから安心してほしい。こちらはこの女をどうするか少し話し合おうと思う。」


「わかりました。王妃様、何かありましたらお呼びください。」


挨拶をして退出しようとすると大きな物音がした。












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