悪役令嬢の確認。
ヴァンディミオン殿下に今回のことをどのように話をしたらいいか朝の紅茶を飲みながら考える。
学園でのあの方は穏やかな方だったが今は立場が違う。一国を背負う方だ、ごまかしはきかないだろう。
それに先ほど、騎士団が国境付近の探索から帰り報告があり少数の兵が駐屯しているがとのこと、何かあったらすぐにランスロット帝国に知らせがはいり大軍が攻め込んでくることが予想されると報告があった。
私の書いた手紙には正直にエリスがカイン殿下をわざと勘違いさせたことは書いた。ヴァンディミオン殿下が留学中だった頃にはもうエリスがカイン殿下達を侍らしていたことは有名だったので婚約破棄やその後の話も知っていると考えていた方がいいだろう。
でも、ヴァンディミオン殿下はエリスに会ってどうするつもりなんだろうか?エリスの言っていた通りなら攻略対象者となるが・・・。学園にいた頃に接点はなかったし・・・。とつい考えてしまう。
まずは私が会い話をしてから、エリスに会わせることにしよう。何もせずいきなり会わせたら何を言うかわからないので即攻め込まれる事態になりかねない。
ヴァンディミオン殿下の許可をとり客室に向かう。国王様たちにはお会いすることは知らせてあるので私の説明の後エリスのところで合流予定だ。
「失礼いたします、ヴァンディミオン殿下に許可をいただきセシリア王太子妃が参りました。」
侍女が扉の前に立つ護衛の騎士に声をかける。
指示されていたのだろう、私だけ入るように促され入室した。
対面のソファーからヴァンディミオン殿下が立ち上がりお互いに挨拶を交わした後、私に座るよう指示される。
「セシリア王太子妃、手紙は読んだがエリスというのはまだこの国の正式な側室になってないよね?」
学園時代の少し砕けた言葉遣いで予想外の質問をされた。
「はい。彼女はまだ王妃様方に認められていませんから、カイン殿下の愛人という立場でしょうか・・・?」
「彼女がカイン殿下に言ってジュエル・オブ・インペリアルとビジュー・オブ・インペリアルを勘違いさせたって手紙に書いてあったけど?」
「それについてはカイン殿下にももちろん責任はございます。知らなかったでは済みませんから。国王様は王太子の身分を剥奪するお考えです。エリスについてはまだ何も決定していませんが、ヴァンディミオン殿下からの抗議を重く受け止めお考えを尊重するおつもりです。」
「エリスは何で <后妃のネックレス> の正式名称であるジュエル・オブ・インペリアルの名前を知っていたのかな?カイン殿下は知らなかったんだよね?」
私はここでごまかしてヴァンディミオン殿下の心証を悪くするよりも、正直に全てを話して少しでも納得して被害を最小限に食い止めることにした。
私のことも言ったほうがいいかと思い
「話が長くなりますし、信じられないかと思いますがそれでよろしいでしょうか?」
許可をとり、
私とエリスは転生者であること。
この世界を舞台にしたゲームがあること。
私は前世の知識があるのと少ししかゲームを知らないこと。
エリスはどうやらゲームの全ての知識があること。
私がどうもエリスの立場になっているらしいのでエリスがランスロット帝国の皇太子妃になろうとしたことをはなした。
途中ゲームについて聞かれたのでシステムを話した時に最初に自分はでていなかったのか聞かれたので
「いませんでした。」
と答えたら不思議な顔をされた。
「ヴァンディミオン殿下に出会えるには条件が色々とあったようですが、私は友人に勧められて少しやっただけですので詳しく知らないのです。」
それしか言えなかった。
最後にエリスはこの世界は自分を中心にしていると考えていることを正直に伝え
「会えばランスロット帝国の皇太子に対して失礼な言動をすると思います。国王様たちがエリスの部屋で待っていますが、本当にお会いになりますか?」
確認した。




