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ハッピー・サマー・ウェディング(後編)

作者: 茶山ぴよ

夏ホラー2007参加作品です。

「あー!山室さん!」


野上が、ふいに高い声をあげたので、朦朧としていた私はびくんと覚醒して振り返る。


ワンピースを着た背の高い女の人が手を振っていた。


「懐かしい〜。旦那さんは元気ですか」


うるさい野上が仕事の手を止めて近寄るところを見ると、会社のOGらしい。


――私が入社する前に退職した人かな。


私は出そうになったあくびを手で無理やり体の中に戻すと、画面に戻った。


それでも眠気はさざ波のように襲ってくる。


このところずっと、悪夢に悩まされている私は、ぐっすりと眠れない。


おかげで昼は朦朧としている。特に今日のような雨の日は調子が悪い。


ちなみに徹さんは、出張中で今日は会社にいない。


「……そうそう、大久保くんは、元気になったの?」


ふいに聞こえた徹さんの名前に、私の眠気は一気に引いた。


パソコンの手元を動かしながらも、目の端が野上と山室という女性が話しているほうに向いてしまう……と、野上と目があってしまった。


野上はなぜか、ニヤッと口角をあげると、


「そうそう。すっかり元気になったんです。この子、この子」


とすり寄ってきた。肩をガシっと掴まれて立たされると、おもむろに山室さんのほうに突き出された。


「この子ともうすぐ結婚するんですよ」


「へえー。じゃあすっかり立ち直ったんだ、大久保くん」


私は、徹さんが何から立ち直ったのかわからなくてあいまいに笑った。


……そんな私の様子を野上はニヤニヤしてみている。


山室という先輩は、特に意地悪というわけでなく、心から徹さんが立ち直ったことを喜んでいるらしい。


私は、山室さんに思い切って


「あの、大久保さんが立ち直ったって……」


と問いかけてみた。


「あ、知らなかったの?言っちゃいけなかったかな」


と山室さんは目を丸くした。






一目散に帰宅した私は、パソコンを立ち上げるのももどかしく、検索ワードを入力した。


『××川、バラバラ、殺人』


中途半端に聞いたら気になっちゃうよね、と山室さんが社食に私を連れ出して教えてくれたこと。


――嘘だ。嘘に決まってる。


ありもしないことを言って、私がおびえるのを見て楽しんでいるのだろう。


検索結果が表示された時、私は目が張り付いたように、またたきをすることすら忘れた。


――本当だったんだ……。



===========



 2005年9月20日、○○県○○市の××川の中流で、バラバラに切断された女性の遺体が見つかった。


殺されたのは、会社員の水川里奈さん(当時22歳)で死後1か月が経過していた。


犯人はいまだに見つからず、捜査中。


7月下旬に××駅で友人を待つ水川さんが目撃されたのが最後で、携帯や衣類などの所持品もいまだ見つからない。


遺体は腐敗がひどく、死因は特定できていないが、生前に長期間にわたってひどい暴行を受けていた痕跡があったため、7月下旬に拉致されたあと、少なくとも1週間以上は生きて暴行を受け続けたとみている。



===========


雨音をバックに山室さんの言葉が蘇る。


「……2年前にバラバラ殺人事件があったでしょ……あの殺された女性が、大久保くんの彼女だったの」


「遺体はもう指紋もとれないほど腐ってて、唯一身につけていたものが大久保君からもらった指輪で……それで身元がわかったの」


私は腐乱した遺体の臭気がただよってくるような気がして無意識に口を押さえる。


「……そのときの大久保くんは、見ていられなかったわ。彼女が殺されたのは自分が待ち合わせに遅れたからだって、自分をすごく責めて……」



 >早ク、早ク彼と離レロ。きっと死んでしまウ



脳裏に先日からのメールが、きれかけた蛍光灯のようにチカチカと瞬いている。






――萌ちゃん。どうして助けてくれないの。ねえ、萌ちゃん。


まさみちゃんの声がする。


ああ、またあの夢だ。私は夢の中にいることを自覚しながらも自分を覚醒させることができない。


まさみちゃんを無視するしかない。無視しながら心は叫んでいる。


――仕方がないの。


まさみちゃんと話すと、私も無視されちゃうの。……私、こわいの。


『きゃははは、キモーイ!萌、そんなのに付き合わないでこっちおいでよ』


割り込む宇佐見ナナの声。


クラスで一番かわいくて、権力があったナナ。


彼女に逆らうことはもちろん、彼女の誘いを断ることなど、同じクラスの誰にもできるはずはなかった。


まさみちゃんはキモくなんかない。まさみちゃんは私より美人だった。みんなわかってる。だけど言えない。


――ねえ、萌ちゃん。いかないで。


腕にすがりついてきたまさみちゃんの皮膚は腐り始めていた。私は怖くて、おもわずその手を払いのけた。


だが、腐った皮膚は、腕にぬちゃっとはりついたまま取れない。


まさみちゃんは、骨を露出させながら、なおも追ってくる。


私は化け物と化したまさみちゃんを蹴った。


腐ったまさみちゃんの体は……床に投げ出された衝撃でバラバラになった。


バラバラになりながらも、もえちゃん、もえちゃん、と涙を流していた……。






――徹さん?


走り去った車の中に、その姿を見た気がした。


でも、ここに徹さんが現れる理由なんてあるはずもない。


私は、気を取り直すと、目の前の小さな寺の門をくぐった。


立ち並ぶ墓石にひときわ蝉の声が反響するようだ。


梅雨が明けて、日差しは遠慮なく萌に降り注ぎ、私は立ちくらみなどしないよう気合いを入れた。


――あった。


坪井家之墓。


8年前に見た時より、少し古びている。


誰かが来たばかりなのか、供えられた白いユリの花束は日差しの下でまだ萎れていなかった。


私はまず墓石に水をかけると、持ってきた白菊の花束はバケツの中に入れて、まずは手をあわせる。


――まさみちゃん、あのときはごめんね。


毎晩のように見る悪夢に悩んだあげく、私はついにまさみちゃんの墓前で謝ることにしたのだ。


お墓の中にいるのか、天国にいるのか、わからないけど……私はまさみちゃんの魂があるのなら、許してほしいと懸命に祈った。


呪いなんかはありえない、と私は思う。


本当のまさみちゃんは、一度でも悪夢の中のようにすがりついてきたことなんかなかった。


ひとたび、私の立場を悟ると、あとは無言だった。


泣きもせず、恨みごとも言わず――。黙って耐えていた。





しゃがんだまま、墓石を見上げた私は、あるものに気づいた。


ユリの花が活けられた花立てにおみくじのような薄い紙が結びつけてある。


書いてある文字が透けて見えて……次の瞬間、私は、無我夢中でそれをほどこうと躍起になった。


それは何かのリストのように見えた。


「××高1年B組」


「○○中2年4組」


という見出しの下に、女性の名前が並んでいる。


名前の上に、血のような色のマジックで大きく赤い×が記してある……。


指先がこきざみに震えてなかなか読み進めない中……私はそこに連なる名前にある共通点を見つけて……へたりこんでしまった。






「あのメールを出したのは私よ」


室内なのに濃いサングラス、マスクに帽子という姿の宇佐見ナナは、背を向けたまま確かに言った。


1年前に誰かに薬品をかけられて以来、ほとんど部屋から出ないという宇佐見ナナだったが、訪ねた私を自室に招き入れてくれた。


ミニチュアダックスが、さも珍しそうに尻尾を振りながら私の足元にまつわりつく。


この犬だけが、今のナナの唯一の友人なのだろう。


顔を見たらショック受けるから、とナナは今お母さんが持ってきたアイスコーヒーを持って立ち上がると、机に向かう……つまり私に背を向けて話し始めたのだった。


「2年前に殺された水川さんは、高校時代の私の友人だったの」


そういいながら、ナナはに背を向けたままマスクを外す。ストローでアイスコーヒーを飲むためらしい。


一口すすると、ケロイドに覆われた手で、サングラスもはずした。こんな室内では必要ないからだろう。


私は墓に供えられたあのリストを思い出す。


『××高1年B組』の下に、たしかに水川里奈の名前があった。赤い×付で。


まさみちゃんは、運の悪いことに……志望校に落ちて、イジメ首謀者である宇佐見ナナと同じ高校に進むことになってしまったのだ。


それが××高校だ。


「あたしは、水川さんたちとつるんで、坪井さんをイジメたの。ヤンキーばっかりの女子高だったからそれはひどかったわ。あたしたちのせいで、坪井さんは自殺しちゃったんだと思う」


まさみちゃんの命日は、御盆明けの8月18日だった。


夏休みの補習が始まる前日、まさみちゃんはマンションの屋上から飛び降りて命を絶ったのだった。


私はかける言葉もなくて、せめてアイスコーヒーを飲もうとした。


シロップとミルクを入れたのに、アイスコーヒーは苦いままで。喉にひっかかるようだった。


でも、何で。


ナナはなぜ、匿名であんなメールを送りつけてきたのか。


それを問いかけようとしたとき、ナナはさらに話を続けた。


「坪井さんが死んだと知って、あたしたちは、面白半分でお通夜に出席したの。もちろんイジメなんかなかったというような顔でね。そのときに」


お通夜の席に飛び込んできた、若い男がいた。


「『まさみ!』って大きな声で叫びながら飛び込んできたわ。どっか外国から急きょ帰国したんでしょうね、大きな荷物を抱えたままだった。


人がいっぱいいるのに、お棺にすがりついておいおい泣いてね」


そのとき、一緒に通夜に出席していた、ミカっていう友人――その子も、3年前に亡くなってるんだけど――がナナと里奈に囁いた。


『ね、あれ、徹さんじゃん』


「私は知らなかったんだけど、ミカの話によれば、徹さんっていうのはね。悪いことをやってるコの中ではリーダーな存在だったんだって。


いいところのボンボンだし、イケメンで優しそうなんだけど、ひとたび怒らせるとコワイって」


気に入らない子を半殺しにしたり。飽きた女の子を山に埋めたって噂もあった。しかもすべて自分で手を下さずに片づけたという。


「……あたしたちは、その伝説の徹さんが、坪井さんの別れたお兄さんだってことを知って、もうガクブルで。


そんなに可愛がっていた妹がイジメられていたことを知ったら、殺されかねないと思ったんだけど。でもしばらくは、何もなくてね。私たちはそんなことをすっかり忘れて無事高校を卒業できたの」


だけど……3年前にミカが交通事故で亡くなり、2年前に里奈が殺されて。里奈の葬式に出席したナナは、徹さんの姿を見て、声をあげそうになった。


「徹さんは里奈の死を、さも悲しんでいそうに見せながら、こっちを一瞬見たの。それは恐ろしい目で……あたしは凍りついた。それで、次はあたしだ――。そう思ったの」


その予感はあたって、ナナは1年前、暗がりで硫酸をぶっかけられて、二度と人前に出られない姿にされてしまった。


「これはきっと復讐よ。徹さんが……坪井さんをいじめた相手を一人ずつ消してるの」




それは、まさみちゃんのお墓で見たあのリストとぴったり合致していた。


そして……あのリストで、唯一赤で×がついていない名前……それは私だった。


「次は、萌ちゃんだから」


ナナが後ろ向きのままそう言い放った時、犬が私の飲みかけのグラスに悪さをして……コーヒーが倒れてしまった。


その騒がしい音に、思わずナナは振り返った。


「うぐっ」


私は、思わずその形相にのけぞった。


ナナの顔の……2/3は。赤く……テカテカとひきつったようになった皮膚に覆われていた。


ぱっちりとして可愛かった目は、瞼が焼けただれたのか、押しつぶされたように……そう、あの怪談のお岩さんのようになっている。まつげも眉毛もない。


形の良かった唇も溶けて、いびつな形の肉片が垂れさがっている……。


「ごめんなさい」


ナナはすぐに、後ろを向いたが、付けくわえた。


「とにかく、結婚はやめたほうがいいわ」






「萌。いきなり結婚をやめようってどういうことなんだ」


徹さんの整った眉が歪んでいる。


ナナの話を聞かされても私は、まだ半信半疑だった。


偶然だとしたら重なりすぎているけれど。


『次は、萌ちゃんだから』


その声と、化け物のようになったナナの顔が、萌を苦しめたけど。


だけど……それが徹さんの仕業とは考えたくない。


復讐なんかじゃないにしても、徹さんの可愛がっていた妹のまさみちゃんが、イジメられるきっかけをつくったのは私だ。


そんな私が、徹さんのお嫁さんになれるはずがない。


「あの……徹さん」


私は、思い切って打ち明ける。


「徹さんの妹の……坪井まさみちゃんと私は、小学校5年から中2まで一緒のクラスだったの」


徹さんはなぜそんな話題をするのか、というように一瞬目を大きく見開いた。


だけど、すぐに優しい目に戻る。


「うん。知ってるよ。……まさみが、仲がいいって手紙に書いてた」


徹さんは私を優しい瞳で見つめた。


「だから、萌が入社してきたとき『まさみの友達だった子だ』って興味を持ったんだよ」


そんな温かい声に、私は思わず目を下にそらした。


「でもね……中2のとき、まさみちゃんはイジメにあって」


言いにくいけど言わなくちゃいけない。


「最初はあたしがイジメられてたの。まさみちゃんは私を助けようとして……それで今度はまさみちゃんがイジメにあって……でもあたしは何もできなかった」


うん、うん、と答える徹の声は徐々に小さくなっていく。


「だから……まさみちゃんが死んだのは、あたしのせいなのかも」


――ごめんね。まさみちゃん。


吐き出した心の中の罪悪感と一緒に涙があふれてしまう。つらいのは私ではない。まさみちゃんのほうなのに。


「萌」


「あたしに、勇気があれば」


勇気があれば、まさみちゃんはあんなことにならなかった。徹さんの可愛がった妹のまさみちゃんは……。


「徹さん、ゴメンなさい。……まさみちゃんは、まさみちゃんは」


「もう言うな」


ぽん、と頭の上に温かい感触。徹さんが私の頭に手を乗せたのだ。そのまま頭の形をなぞるようにして、肩を抱く。


私は徹さんの体温に包まれて……よけいに涙が出てきた。


「まさみが死んだのは、萌のせいなんかじゃないよ」


徹さんは、ゆっくりと、でもはっきりと声にした。


「イジメを止めるなんて……出来なくてあたりまえだ」


徹さんは私の耳元でつぶやいた。私の肩に置かれた指が優しく、トントンと動いている。


「……無理にやめさせようとして自分がターゲットになっても……誰も助けやしないんだから。……そりゃ」


ふいに柔らかく抱きしめられる。


「まさみのことは、すごく悲しかった。俺たち、離れ離れになっても仲が良かったし」


徹さんの声が震えている。……私は徹さんが泣いていることがわかった。


「まさみは……イジメられてたなんて、ひとことも言わなかった。今思えば、俺に心配をかけるまいと我慢してたんだろうな。……言ってくれれば……力になれたかもしれないのに」






私はナナよりも目の前の徹さんを信じた。


あれは、復讐なんかじゃない。単なる偶然だ。あの紙切れも誰かがイタズラしたものに違いない。


あんなにやさしい徹さんがそんなことをするはずがない。


8月12日、私と徹さんは晴れて結婚式をあげた。


披露宴もつつがなく終了し、翌日私たちは婚姻届を役所に提出した足でハネムーンに旅立つことになった。


ハネムーンはカリブ海の小さな島で1週間ゆっくり過ごすことに決めている。


「あれ?」


タクシーの中で、徹さんはすっとんきょうな声を出した。


「あ、オヤジめ。印鑑を忘れてやがる」


「え?」


見ると、婚姻届の証人の署名欄にある徹さんのお父さんの名前には、見事に印鑑を押し忘れられていた。


「弱ったな。今から印鑑を押してもらいに行ったら、飛行機に間に合わないよ」


徹さんは頭を抱えた。


「いいよ、もう、式も披露宴も済んでるんだし。ハネムーンから帰ってきてから届を出せば」


私は助け船を出してあげた。


「ごめんな」


徹さんは、タクシーの中で私の肩を抱き寄せた。





その島は、ラムネゼリーのような透きとおった海に囲まれていた。


部屋毎にプライベートビーチを持つ、リゾートホテルなんか一生来ることがないと思っていた。


「天国みたい」


思わずつぶやいた私を、徹さんはサングラスの下でふっと笑った。


「天国の次は竜宮城へ行ってみますか?姫」


とおどける。シュノーケリングをしてみようと誘っているのだ。


砂浜の海底が終わり、ラムネの色が少し濃くなるあたりには、驚くほどたくさんの熱帯魚が棲んでいると、昨日ホテルのバーで写真を見せてもらったばかりで私は嬉しくなった。


ラムネ色の海の中は、まるできらめく魚の群れで万華鏡のようにさえ見えるほどの美しさだった。


「想像以上にキレイだね。これは水中写真用デジカメを取ってこないともったいない」


海面に顔を出した徹さんは


「ちょっと待ってて」


と言い残すと陸へと泳いで行った。プールに通っている彼は泳ぎも早い。


私は徹さんとカメラを待っている間、再び水面に顔をつけた。


海の中は、本当に見あきない。


と、そのとき。


海の中の魚たちの動きがあわただしくなった。


直感で沖のほうを見た私は、2つの巨大な魚影を見て、凍った。


鮫だ。まっすぐにこっちに向かってくる!


私は懸命に泳ごうとした。


――助けて、助けて。


しかしいくら早く泳ごうとも、人間が水の猛獣に勝てるはずがない。


必死で泳ぐ右腿に、ガラスで切られたような激痛が走る。


同時に海の中にすごい力で引きずり込まれる。


ラムネ色だった海が、赤く濁るのが見えて私はもがいた。


「ぷあっ」


右足ごと、鮫が1回離れた。右足を失った体はありえないほど軽くなり、あたしは顔をなんとか海面に出した。


「助けて!助けて徹さん!」


ちょうどビーチにあがった徹さんはゆっくりと振り返った。


そういう間にも、横腹に鋭い痛み。文字通りえぐられるような……直後になぜか、塩からい海水が喉のほうからあがってきて、シュノーケルに血混じりの海水が逆流する。


「ぐっ、がぼ」


言葉にならない。もうだめだ。


横腹を食いちぎられた私は、なおもビーチにいる徹さんを求めて声にならない声をあげた。


徹さんは、カメラではなく、日焼け止めのボトルを手の上で軽くバウンドさせていた。


意識が、肉片と化しつつある体を離れる直前、私は、徹さんがあの日焼け止めを、私にだけ塗ったことを思い出した。


徹さんの満足げな笑顔から……私は、復讐が遂げられたことを最期に悟った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 茶山先生こんにちは、白石早苗本人です! なんて上手いんでしょう…怖いし、面白いし、素晴らしいッ!!。.:*・゜☆(●^▽^)ニコッ・゜☆.。.:*・゜ 文句なしで満足しました!
2007/09/23 14:18 退会済み
管理
[一言] 夏ホラーの作品の中では長めですね。お疲れ様です。 正直に書くと昔の映画…もしくはサスペンス劇場のように感じてしまいました。 ちょっとありえないというか 古くさいというか。 あくまでも感覚な…
[一言] とりはだ〜〜〜 私も自分自身の過去を振り返ってしまいました。 こわかった。。
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