観覧車に乗って……
小高い丘の上の遊園地に世界一高い観覧車が建造された。
観覧車の天辺の高さと丘の高さを合わせると、街がある平地より500メートル程高い。
俺は天辺に近づきつつあるゴンドラの中から眼下に見える風景に見入る。
隣の席に座る男性が声を掛けて来た。
「カメラマンですか?」
俺の抱えているカメラバッグを見ての事だろう。
「ええ、アマチュアですが天辺から見える風景を撮りたいと思いましてね」
もう直ぐ天辺に着くって時に俺はスマホを取り出して操作する。
スマホのボタンをクリックした途端、眼下に見える遊園地の1角にある建物が吹き飛び観覧車が停止した。
観覧車だけで無く遊園地の中にあるアトラクション全てが停止している。
今爆破したのは遊園地のアトラクションに電気を供給している施設。
俺が乗るゴンドラは観覧車の天辺付近で停止している。
カメラバッグから自動小銃と拳銃を取り出して、ゴンドラの中で抵抗されると面倒だと思う男たち数人を射殺してから怒鳴った。
「フリーズ! 俺の許可無く動いたり喋ったりした奴はガキだろうが女だろうが関係無く殺すぞ!」
言葉だけだと思われないように悲鳴を上げ続けている女の頭を撃ち抜く。
それから俺を取り囲むようにゴンドラ内の奴等を並ばせ縛り上げた。
震え上がって声を発しないように口を必死に閉じようとしている俺と同じゴンドラに乗り合わせた奴等を人質にして、俺は眼下に見える遊園地内で事態を把握しようとしている遊園地の関係者や遊びに来ていた客たちに向けて自動小銃を撃ちまくる。
遊園地内にいる奴等が逃げられないように建物の影に隠れようとする奴等は放っといて、遊園地の外に逃げようとする奴等から撃ち殺していく。
「ワハハハハハハ!」
仕事のストレスなど溜まりに溜まったストレスを吹き飛ばすように、高笑いしながら撃ちまくった。
「ワハハハハハハ!」
自動小銃の弾倉の弾が無くなると、カメラバッグや背負っているリュクに詰め込んでいる弾倉と次々と交換しながら撃って撃って撃ちまくる。
「ワハハハハハハ!」
って夢を見ていた。
自分の寝ながら発していた高笑いの笑い声で目を覚まして夢だった事を知る。
仕事に行く用意を整えながら、夢だった事を俺は凄く残念に思っていた。