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ひねくれ黒猫の異世界魔法学園ライフ  作者: Win-CL
2-1-1 来訪者編 Ⅰ【《破壊者》ミルクレープ】

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第115話 『……なにか問題でも?』

毎日、朝の8時台に投稿予定

たまに大幅にずれる可能性があるので、ブクマ推奨です

 ……新しい【真実の羽根】の一員?


「えっと……。先輩、詳しく説明してもらっていいです?」


 ウェルミ先輩はどうだと言わんばかりに踏ん反り返っているけど、いまいち言っていることが理解できなかったため、聞き返してみる。


「ロラン君もナナエちゃんも機石魔法科(マシーナリー)の生徒で、二人は幼馴染なんでしたよね?」

「違う、そうじゃない」


 一年坊の二人のことも気にはなるけど!

 聞きたいのは【真実の羽根】の方なんだって!


「新しい【真実の羽根】の一員ってどういうことです?」


 去年に【真実の羽根】として活動していた生徒は二人。ルルル先輩は卒業し、ヤーン先輩は禁術の魔導書を持っていたということで退学となった。なので【真実の羽根】は事実上解散しており、だからこそこの部屋も誰もいないと思っていたのに。


「私が、アルル先輩から【真実の羽根】を引き継いだんです! 元々、イベントがあったときはお互いに協力し合ってましたからね!」


 どこかのグループに所属するつもりは無かったのだけれど、無くなってしまうぐらいなら、ということで自分の活動に吸収(?)すると、卒業式の日に話をしていたらしい。


「ただ、流石に私一人じゃ何もできないから、何人か入ってもらうことにしたんだけど――」


「この二人を、新【真実の羽根】の一員として向かい入れた、と……」

「……なにか問題でも?」


 いかにも生意気そうな二人に、ルルル先輩たちの後釜が務まるのか、という不安はある。活動の裏にヤーン先輩の目的があったとはいえ、新聞部・情報屋としての能力には舌を巻くものがあったから。


「いや、今までは俺たちも活動に協力してたからな」


 ……自分達も【知識の樹】での動きもあるから、そんなに口を出せる立場でもないんだけど。それでも、この先付き合っていくのかどうか、という話にもなってくる。少し慎重に話を進める必要があるか、と考えていたところで――


「少なくとも、あんたらの手を借りる必要はないと思うっスけどね」

「ちょっと、ロラン君! 他の生徒に依頼することだってあるんですから! 仲良くしないとダメでしょう?」


「へぇ……」


『なんなら、ここで証明してもいいんスよ』と、明らかにこちらを挑発していた。今年の一年は血気盛んなのが多いとは聞いたけど、ここまでとは。


「面白れぇな! さっそく見せてもらおうじゃねぇか!」


 そして、売られた喧嘩をさっそく買ってしまった奴も。


「……武器がまだできてないんで、先輩のを借りてもいいっスか」

「え、私の? いいけど……」


 こちらの様子を『どうしようか』と窺うウェルミ先輩。んなこと言ったって、二人はもうやる気満々だし。


 先輩だって派手な事とか、ドタバタしたことが好きなんだろう。少し楽しそうなのが表情に滲み出ていた。


「こっちは別にいいですけど」

「それじゃあ……ここじゃなくて、上でやりましょ。確か少し広い空き部屋が、三階にあるはずだから」






 ――ウェルミ先輩に促されて訪れたのは、【知識の樹】の地下部屋よりも一回り小さいぐらいの空き部屋だった。中には何も置かれておらず、軽く試合をするのには丁度良さそうである。ただ……。


「室内だからな、分かってるよな、ヒューゴ」

「おう、任せとけ!」


 ホントに分かってんのかよ。窓


「先輩の剣……やっぱ少し重たいな」


 ロランはウェルミ先輩の“刃のない剣”――正しくは剣状の機石装置(リガート)を握りながら、振り心地などを確かめている。


 ……機石魔法師(マシーナリー)だったよな? 武器が無いから、臨時で使うとしても、その剣だと戦いにくいと思うのだけれど。


「まぁ、いけっか」


 そう呟く姿が、なんとも不敵に映る。


「なんだか面白い試合になりそうですね! ……やっぱり、もっとたくさん人がいるところでやりませんか?」


 そうして先輩も段々テンションが上がってきたようで。メガホンでも取り出さんばかりの勢いだった。


「……絶対やらねーっス」

「もう準備はできてんだぜ、先輩!」


「うーん、残念。失敗したなぁ。……それでは、試合開始っ!!」


 温度差のある二人に断られて、しかたなく試合開始の合図をする先輩。

 ――合図と共に動いたのは、ロランの方だった。


「フラドクス・ティアーティ・カルス!」


 魔法陣を浮かび上がらせ、二本ある剣のうち、片方から炎が噴き出す。その推進力を利用して、ヒューゴへと距離を詰めていた。詠唱からして、炎の妖精魔法だった。


「炎の剣……! 機石魔法師(マシーナリー)って言ってなかったか!?」

「ロラン君っては、妖精魔法師(ウィスパー)としての才能が凄いのに、機石魔法科(マシーナリー)を選んだのよね!」


「どんな科を選んだって――俺の自由だろうがよォ!」

「炎の妖精魔法……奇遇だなぁ、俺もだぜ!!」


 ウェルミ先輩ほど洗練されてはいないけども、戦闘の初動としては、傍から見ていても悪くない動きだった。炎の勢いを活かしての急接近。そのまま振り下ろしからの――さらに空中で一回転しての追撃。


「先輩のならともかく、お前の炎はたいしたことねぇ!」

「――――」


 ――ただ、相手(ロラン)のミスは、ヒューゴの実力を見誤っていたことだろう。アイツはアイツで、ヴァレリア先輩に鍛えられている上に、学生大会で既にウェルミ先輩と一度戦っている。


 先輩の剣の構造は把握済みだ。剣の柄にあるボール状の部分に炎の妖精が乗り込んでいて。その妖精が使った炎の魔法が、柄の先から放出される仕組みである。


 炎の妖精魔法で奇襲をかけたのはいいが、耐性のあるヒューゴには意味を成さない。武器での戦闘も、ヒューゴは十分対応できているみたいだし……。


「……こりゃあ、ヒューゴの圧勝なんじゃないですか?」


 そうウェルミ先輩に聞いてみると――『まだまだ! 勝負はこれからなんだから!』と目を輝かせて答えが返って来た。


「ロラン君も、なかなかに魅せる戦闘をしてくれるからね!」

「…………?」


「吹っっっ飛べぇ!」

「チッ……」


 一合、二合と、剣と鎚とを交わして。ヒューゴの魔法が炸裂する。打ち合わされた瞬間に起きた爆発に吹き飛ばされて、舌打ちをするロラン。やっぱり一年と二年じゃ、実力に差があって当然だろう。


 ――ましてや、二本ある剣のうちの一本しか使っていない。ヒューゴを舐めていたとしても、流石に身の程を知らないとしか言いようがない。


「……ほら、来た来た!」

「アド・エクセ、ティアーティ・カルス!」


 ウェルミ先輩が言ったように、もう一本の剣にようやく魔法陣が浮かび上がっていた。けれど。ここで炎の剣が二本に増えたところで、いったいなにが――


「……青い……魔法陣?」


 ――違う。あの剣の中にいるのは、()()()()()()()()


「――水っ!?」

「炎の妖精魔法師(ウィスパー)でもない!?」


 次の瞬間、刃の無い柄から水柱が飛び出した。


 勢いよく放出される水柱に、体勢を崩されるヒューゴ。水圧で上手く動けないところを、再びロランが一気に距離を詰めて畳みかけていく。――が、接近戦ならまだ、ヒューゴの方に分があった。


「甘ぇ!!」


 接近すればするだけ、水柱の狙いが甘くなる。一瞬の隙を見て、器用に長手の鎚を回しながらロランの剣を弾いた。


 ウェルミ先輩は自信に満々に送り出したようだし、確かに水の妖精魔法も使えることには驚いたけれども――それでも、戦闘能力の面では先輩を越えることはない。


 一年生なんだから、多少の小細工をしたところでこんなもの、と言ってしまえばそこまでだけども。……やはり、ここはヒューゴに軍配が上がるだろう。


 決め手に欠けていたロランが――小さく呟いた。


「……へぇ。()()()()()()()()()()

挿絵(By みてみん)


ここまで読んで頂き大変感謝です。もしよろしければ、下部の☆欄にて現段階の期待度等の気持ちを表して頂けますと今後の励みとなります。沢山の人に読んでいただけるよう、皆さんの声や応援をどうかよろしくお願いします。

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