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タイオネル

「どうしよどうしよ!」


ミリスは混乱で頭が回らないのかその場で頭を抱え込んでいる


「とりあえず逃げるしかないだろ!」


「待つのじゃ! 妾なら此奴を倒す事が出来る」


「何言ってるんだよ! 今は逃げるのが最優先だろ!」


「辰よ、信じてくれ」


ウィンディアは真剣な様子で辰を見つめ、「任せてくれ」と言う。その目は真剣そのもので驕りや嘘があるようには見えない


「……俺はミリスと離れて見てる、危なくなったら迷わず逃げるからな」


「お主らに必ず危害は加えさせぬ」


辰は蹲っているミリスを連れ走り、離れた木の物陰に隠れた


その事を確認したウィンディアはタイオネルえと向き直る


「悪かったのお、待たせてしまった」


獣に言葉が通じるわけもなくウィンディアの様子を獲物として殺すべくその凶悪な爪が襲いかかる


「悪いがカッコつけさせてもらうぞ!【風の加速(ウィンドスピード)】!」


降り下ろした爪は獲物にあたる事なく地面にめり込んだ、地面へ残った跡はそれが人一人の命を刈り取るには十分なものだ


「【風の刃(ウィンドエッジ)】」


ヴヴヴ


「やはり効果は薄いか」


ウィンディアの風の刃を飛ばし攻撃する魔法は確実にダメージを与えているが決定打とは程遠くタイオネルの勢いを止めれずにいる



ヴヴヴォ゙ォ゙ォ゙



タイオネルが威嚇をウィンディアへと向ける、それは目の前に立ちはだかる者を、獲物から敵へと認識を変えた合図だ


「ついに本気か」


ヴヴヴ


「やはり戦いはこうでなければな」


ブンッ


「よっ」


ブォ


「ほれっ」


迫り来る死、そのものとも言える攻撃を軽々と避ける様はまるで踊りを踊っているかのようでタイオネルはウィンディアを捉えることができずにいる


「では此方からも【風の刃(ウィンドエッジ)】」


ウィンディアは風の刃を放つはずの魔法を使うと両手に二本の剣が現れた


「よし、すまんがもう終わらせる」


ウォォォ!


ウィンディアは飛び跳ねタイオネルの首めがけ剣を振るう、がそれを見逃すはずもなく爪で剣の攻撃を防ぐ


キンッ!


甲高い音が森中に鳴り響く、ウィンディアの剣とタイオネルの爪が拮抗するがそれも一瞬のこと、爪ごと首を切り裂き、力なく倒れるタイオネルを背にウィンディアは辰を呼ぶ


「終わったのじゃお主ら!」











「凄かったぞウィンディア!」



「一時はどうなるかと思ったらけど、あんたと一緒で本当に良かったわ」


「ま、まぁそれほどでもないのじゃ」


辰とミリスからの賞賛に照れくさそうに返事を返したウィンディアが、辰達に聞く


「これで妾も仲間になれたかの?」


「当たり前だろ、命救ってもらったしな」


「えぇ、こっちから頼みたいくらいよ」


「やったのじゃ!」


「これからよろしくな」


「よろしくね」


「よろしくなのじゃ!」


辰達に新しい仲間が増えた時、タイオネルの横に男かが立っていた


「あらあら、まさかタイオネルちゃんがやられちゃうなんてね」


「! お主何者じゃ」


瞬時に辰達を守るように突然現れた者とウィンディアが戦闘態勢をとる


「荒っぽい子ねぇ。まぁ、まずはおめでとうかしら?」


「質問に答えるのじゃ!」 


「いいわご褒美に教えてあげる、本当は教えちゃいけないんだけどね」


「私は、アイン。以後お見知りおきを」


アインと名乗ったその男は帽子をとり礼儀正しく礼をする



「またいつか会うことになるでしょうね」


「!? 待て!」


アインが水晶玉のような物を割ると地面に魔法陣が現れ怪しい光を放つ


「それじゃあ、また」


紫色の光が辺り一面を覆いつくすと、そこに居たはずのアインとタイオネルはまるで初めから居なかったかのように消えていた

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