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可愛いは作れる。心でね。

作者: 愛知


「僕ね、言ってやったんだ。君は客観的に見てそこまで可愛くないよって。そしたら彼女、怒ってお店を出て行っちゃったんだよ。」


「まあそうだろうな。」


「え!なんで彼女の行動が当たり前、みたいな感じなの!僕はただ正直に教えてあげただけなのに!」


「それはバカ正直ってやつだ。というより、単純にモラルがないな。言った方がいいことと言わない方がいいことの区別はつけないと。」


「もしかして君って人からのアドバイスとかに対して寸毫も聞く耳を持たない人?」


「いや、それは聞くさ。アドバイスを聞くことは自分をより良くするために必要だからな。」


「僕だって彼女がもっと良くなるように正直に可愛くないって言ってあげたんだけど?」


「お前のはアドバイスじゃなくて否定なんだよ。だから例え指摘が合っていたとしても言われた方は嫌な気持ちになる。」


「じゃあその時に"今の可愛さに満足せずにもっと上を目指した方がいいよ"とか言ってたらよかったの?」


「その言い方は上から目線すぎて何様?って相手は感じるだろうな。お前はそれを言えるほど美しいor偉い立場なのか?って問いただしたくなる。」


「え、客観的に見てって言ったのにそう思うのかな?」


「間違いなく思うな。」


「じゃあ一体誰に評価求めてるの?客観から良い評価をもらうためにメイクとか頑張ってるんでしょ?それともただ自分が満足すればいいの?」


「どっちもだな。自分と相手のどちらともから可愛いって思われるために努力してるんだろ。」


「どっちもなら結局、客観も必要なんじゃん。それなのに改善のための意見を一蹴しちゃうなんて理解できないね。欠陥を埋めようメイクをして、それに対しての意見を一蹴して、まやかしにまやかしを重ねてるよ。」


「そのまやかしとやらを許してやるのが彼氏なんじゃないのか?」


「もしかして君って自分を騙してくる相手にも隣人愛とか持てるお方?」


「それはないけど。」


「君イケメンだね。」


「は?なんだよいきなり。」


「やっぱよく見たら普通の顔だね。」


「なんなんだよ。」


「あ、もっとよく見たら変な顔かも。」


「お前な……」


「今、三つの言葉言われてそれぞれどう思った?」


「はぁ。一つ目はふざけてるなって思って、二つ目はふーんと思って、三つ目はムカつくなって思ったよ。」


「なんで?」


「なんでってなんだよ。」


「なんでそれぞれの言葉に対してそう思ったの?」


「俺の顔がイケメンだなんて自他共に認めないことだから嘘ついてふざけてると思った。普通の顔ってのにはなんとなくウザいと思って、ブスってのは事実がどうだろうとしてもただムカついた。」


「やっぱりそうだよね。過剰に評価されたら普通は嘘だって思うよね。それにふざけてるとか、からかわれてるとかいう嫌な感じもあると思う。」


「そうだけどそれが一体なんだったんだ?」


「僕たちは、自分が値する以上に人に褒められると拒否反応を起こすってことさ。そんな訳ないことをそうだと言われると、違和感を感じて嫌悪感を感じる。」


「なるほど?」


「だけどね。本当のことを言われても僕たちは嫌悪感を示してしまうんだ。君の顔がイケメンではないなら、普通か変な顔のどちらかに分類されるはずなのにそのどちらにも君は嫌悪感を示した。これは僕が言ったからではなく、誰から言われても同じ結果になるだろう。」


「まあそうだろうな。」


「つまり、正しかろうが間違っていようが、僕たちは他人に指摘されることに嫌悪感を示さずにはいられない生き物なんだ!」


「それで?」


「だからね。話の最初の僕の彼女の怒りは、僕の指摘のせいじゃなく、人間の心の造り上避けられないものだったんだよ!つまり僕は悪くない!指摘することが悪いとでも言わない限りね!」


「はいはい、わかったよ。お前は悪くない。」


「そうでしょ!僕にへつらいたまえ〜。」


「てか、そもそもなんでそんな指摘したんだよ?」


「ん?あーそれは彼女が自分の女友達の顔のことを貶す感じの話をしてきたから。」


「おいおい。そうなると話は変わってくるな。」


「え?なんで?」


「そりゃ、人の顔を貶すやつにろくなやつはいないからな。というか人の顔を貶すってことは自分が相当美人だっていう自信でもあるのか?」


 "カランコロン♪"


「あ、ちょうど彼女きた。」


「は?どいつだ……あれか!」


「そうそう、あの長髪の。」


「おいおい。あれは人の顔を貶していいレベルじゃねえよ。まじで鏡の部屋にでも入って自分の顔面を全方方から見直した方がいいぜ。」


「客観的に見て可愛くない?」


「あーもう全然だ。」


「そっかそっか。貴重な意見をありがと。じゃあ、僕は帰るね。」


「随分と急だな?それじゃ、またな。」

 

 僕は黙って彼女と合流してすぐにその店から立ち去った。


「あ?あいつら喧嘩してるんじゃないのか?」


 〜〜〜〜〜


「どうしたの?怒ってる?」


「ん?ああ、ろくでもないやつと話してたもんでついカッとなっちゃってね。」


「さっきの人と何かあったの?」


「ただ価値観が違っただけだよ。ま、あんなやつのことは忘れて早くお家に帰ろ!」


 僕は僕の可愛い彼女と仲良くお家に帰った。

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