表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/24

武器適正試験①

「試験の内容が大幅に変更!!???」


いつもお世話になっているギルドの掲示板には試験内容が変更になった旨の案内が貼られていた。

重要なお知らせを当日にするな。俺がこっちに来てないだけでそれとも前から貼られていたのか?と思ったが、同じように試験を受けに来た人たちの反応を見る限り急な変更ではあるらしい。



「実際どう変わったのじゃ?」


「ええーと、ちょっと待ってください」


受付を済ませて案内用紙を何枚かめくる。その中に従来の試験との変更点という文字を見つけてその前後を読む。


「以前までは一対一の対戦形式で行っていましたが、武器の多様化に対応すべく受験生三名と指導員一名でパーティを組み指定の魔物を倒す実戦形式へ変更いたしました…」


我ながら初見の文書を噛まずに読める滑舌の良さは健在で安心した。

学生時代に培ったものを活かせるっていいな。めちゃくちゃ地味だけど。

っていうかこの変更は大幅っていうかもはや別物と言っていいんじゃないでしょうか。


「何よコレ!もう別物じゃない!!」


「まあ、みんな同じ条件だし…」


俺の気持ちを代弁してくれたかのような声もするし、もう「みんな言ってた」といっても過言ではないな。

そんな言葉を宥めるような声もまあ、その通りなんだけど。文句ばかりも言ってられないしな、と気合を入れなおす。



「あれ、エンヤじゃん!」


そう声をかけてきたのはステラだった。やっぱりそうだ、と近づいてくると手を握られてブンブンと音がするぐらい上下に振っている。



「ステラ?!君も試験を受けに?」


「ううん、あたしは付き添いでここに来たの。それにしても奇遇だね~」


元気?呪われてない?とご機嫌に尋ねられる。

おそらく心配からではなく好奇心というか、興味本位というか、そういう感じだろう。

残念ながら別に呪われてるとかはそうじゃないんだよな。ただ試験の内容が突然変わったりしただけで。これは流石に呪いとかじゃ…ないよな?ないない。


「ねえステラ~!ちょっと聞いてよ~!…誰、そいつ」


付き添ってきた相手も同じくブシを受けに来たのだろうか、案内書を握りしめて近づいてきた。

大体俺と同じ年頃の女の子と、その後ろから大人しそうな少年の二人組だった。そいつ呼ばわりされたのは俺だな。まあそうだよな。


「この子はね~、エンヤ君っていって、め~っちゃ呪われてていいでしょ~」


「あ、どうも…エンヤです。武器適正試験を受けに来ました」


いつの間にか片腕を組まれて、彼氏を自慢する彼女みたいな構図になっていた。

人間急に陽キャにあてられると、照れよりも困惑が勝つんだな。そんな中簡素とはいえ自己紹介まで出来たのめちゃくちゃ偉いよな自分。


「えぇ~…。まあ、あんたの趣味が悪いのは知ってたけど…」


「それで、こっちはコーデリアとレオンって言うの。二人も武器適正試験を受けに来たんだよ」


「よろしく。頑張ろうね」


「まあよろしくね。っていうかそうよ!ブキケンが変わっちゃったの!」


「えっ、そうなんだ~」


コーデリアは案内書を広げてステラに見せて泣きつくかのように言っていた。


「三人と指導員一人で討伐…へ~!めっちゃ楽しそうじゃん!」


「もう、他人事だって思ってるでしょ!」


「でもそっか、てことは見学ができないわけか。あたしはその辺で時間つぶすからさ、応援が無くても頑張りなよ!」


コーデリアは不本意そうだが、まるで気にしていないステラにバンバンと背中を叩かれている。激励のつもりなんだろうな。

釈然としないままのコーデリアのことは気にしていない様子で俺に「頑張ってね!」と言ってきた。



「あの、ステラさん。よかったら一緒にオガルの街回らない?」


一連のやり取りを後ろで見ていたミラさんがステラに話しかける。隣にいるエリーシャも目を輝かせている。

確かに前に呪術の話を聞きたがっていたよな。ステラも乗り気なようで、どこを回るか話し合い始めていた。

女子の集団って近くにできると一気に疎外感が増すな、とぼんやり考えていると、今度はミラさんを呼ぶ声が聞こえた。


「ミラ~!エリーシャちゃんもおはよ!今日もどこか行くの?」


「ううん、今日は休み。ニーナは?」


エリーシャも知っている風とはいえ、話している間に割って入れるのはすごいな。ミラさんの話し方から察すると、多分だけど相当仲がいいんだろうな。

俺やエリーシャ相手だともう少しこう、子供相手とまでは行かなくても年下相手に接している感じがする。まあ実際年下だからそうなんだけど。どちらかというとフォーゴットさんに対するような、ちょっと遠慮がなくて砕けた喋り方をしている。そういえばフォーゴットさんいないな。


「私は武器適正試験の指導員?試験管?それに呼ばれたの」


「そうなんだ。じゃあ終わったらみんなでご飯いく予定なんだけど、ニーナも来ない?」


「いいの!?行く行く~!じゃあ、また後でね~!」


そう言って手を振ると建物の中に入っていった。あの人が一緒についてくる可能性もあるのか。しばらくするとギルドのいつもの事務員の人が「受験される方はこちらに集まってください」というアナウンスが聞こえた。


「じゃ、じゃあ行ってきます!」


「いってらっしゃい~!」「終わったらご飯食べに行くのじゃ~!」


もしかしたら話に夢中で聞いていないかもしれないと思ったが、一応聞いていたようだ。終わったらご飯屋さんに連れていかれるらしい。そういえばあんまりこっちで外食の機会も無かったし、ちょっと楽しみかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ