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幕間 大魔王と師匠と

一回書いて投稿したはずなのに消えました。

2重投稿になったりしてないだろうな?とちょっと不安


アーク歴1498年 什の月


大魔王城


マリラエール・ラ・ルアリ



カイトは無事に避難民を魔界へと連れて来ることが出来た。

道行はそれほど大きなトラブルもなかった。

ほんの少し追撃部隊に突かれただけだ。

それも、数も士気もそれほど高いものではなかった。嫌々追撃している部隊もあるように見えた。


士気が高かったのは一部だけ。それも魔界の精鋭中の精鋭である飛竜隊を見ると引いて行ったが。

しかし、いきなり5000か。

大盤振る舞いと言えばよいか、扱いが難しすぎると言えばよいか。


「5000人も一気に増えてはカイトも大変なのではありませんか?」

「だからと言って他に受け入れる先もあるまい。奴には程よい褒美になるだろう」

「なら良いのですが…」


人は石垣、人は城だったか。

カイトが以前に呟いていた言葉だ。

聞いた時に成程と思った。確かにいくら巨大な城、城塞都市を築き、対空防御を固めたとしても中から破壊されてはどうしようもない。

奴の世界の偉人の言葉だというが、恐らくは民に尽くした仁君に間違いないだろう。


しかし…1000人程度の領地に余所者が5000だ。圧倒的に増えた人数の方が多い。

移民はよくトラブルの種になるが、移民の方が多いのだ。トラブルが起きないと思う方がおかしいだろう。カイトはどうするのだろう。厳しく取り締まらねばならぬ場面は多いだろうな。


それにしても奴もまだまだ甘い。

『盟約』があるとは言え、今回のような避難民を保護するという目的なら神の目にも引っかからないはず。もしダメだったとしても自分が死ぬだけ。


戦場に身を置くなら何かの拍子に死ぬこともある。

ならば敵の槍にかかっても神罰で死んでも同じ事だろうに。

何故もっと積極的に戦わないのか。命を奪わないのか。


「そこが出来ぬところが奴の良い所でもある。まあ儂も長くないからな。成長して欲しいものだ。だがそうするとあの甘さが無くなってしまうやも知れぬ。うーむ、悩ましいな」

「奴は甘すぎます」

「だがそこが良いのだ。人を虫けらのように殺した者に世話になっていい気分になるだろうか。そうは思うまい。…それに奴のその甘い所もまた良い、とお前も思っているのだろう?ん?」

「わ、私はカイトの事は弟子だとしか思っておりませぬ!」


言いつつ顔が赤面しているのは分かる。

お爺様は私を揶揄うのが大好きなのだ。

いつもこうやって揶揄って遊ぶ!


「そう怒るな。儂はお前と奴が結ばれればよいと思っている。勿論アシュレイと一緒でも良いぞ。儂も若い頃は…うむ。何人だったかな?」

「7人と聞いています」

「それは正妻の数であろ…おっと。」

「今何と申されましたかな?聞き違いであると良いのですが…」

「何でもない。何でもないぞ。お主は怒るとルナリエールに似ているな。うん、美しくなったものだ」

「女はそうやって褒めると何でも誤魔化せるとでもお思いで…?」


何と言う適当な褒め言葉だ。

小さい頃の私なら誤魔化されたかもしれないが、いくらなんでも今の私には先ほどの続きで揶揄っているようにしか聞こえない。

お爺様が女好きだったとは知っているが、だからと言ってカイトにはアシュレイという者がおり、それに操をたてているのだ。それを師であるこの私が篭絡しろとでもいうのか。

なんと破廉恥な事を…!


「ま、まあ過去の事だ。水に流せ。うむ。その方が良い。それよりカイトだ。儂が亡くなった後もお前が責任を持って育てるのだぞ!よいな!」

「はぁ?」

「それと、出来るだけ早く子を成せ。儂が生きているうちには難しいだろうが…お前も儂が死ぬとどうなるか分からんぞ」

「…そうなのですか?」

「これは真面目な話だが。儂が死ねば、この体に施された封印が解けるという事だ。そうなると身近な者や力の強い者が影響を受けると考える。つまりお前が一番危ない」


封印?何の事だ?

戦を止めるために神々と契約をしたとしか聞いていないが?


「それは儂のやったことの一部だ。全部ではない。良いか。儂の体には…」



人は石垣、人は城と言った人は皆さんご存知武田信玄。

甲斐の大名である彼が仁君だったかどうかは難しい所だと思います。


戦国大名なんて誰でもひどい事をやってるし、やらなきゃらやられる時代だし。

でもやり過ぎ感はあるけどうーん?って所じゃないですかね?

恋文が晒されているのは色んな意味でかわいそうだなと思いますが…



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― 新着の感想 ―
[一言] 恋文が残ってしまったのが運の尽き だから後世研究資料として重宝されるのだけど 妄想ノートみたいなのが残ってしまった偉人は居るのだろうか
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